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第二章 第九話 火山での戦闘




 翌朝、早いうちからギルドの受付に向かう。少し並んだが今日はノエリアにお願い出来た。


「ヒバリさんっ。おはようございます。」


 ニコニコしながら挨拶をしてくれる。


「おはようございます。昨夜、色々と考えましたが、今日は火山の護衛依頼を受けようと思っています」


 そう言い、依頼ボードから剥がした依頼票を渡す。


「かしこまりました。では、準備を行いましたら出発して頂きますので少しお待ち下さい……護衛されるのが私じゃなくて残念です……」


 最後にボソッと声が聞こえ、顔が赤くなる。




 いつものようにテーブルで待機していると「お待たせしました」と声がかかる。


 振り向くと昨日素っ気ない対応だった小さめの受付嬢だった。

 かなり大きなバッグを持っていて、長旅用のセットなのだとわかる。


「昨日はEランクだと知らずに失礼な対応をしてしまい、申し訳ありませんでした」


 顔の表情は一切変わらず、淡々としている。


「い、いえ、大丈夫です。それで、一緒に火山に行かれる方はどなたでしょうか?」


「………私です」


 機嫌が悪そうに答える。


(ひぇ〜、この機嫌悪そうなお方と二週間は一緒ですか……こわいよ……。あれ、でも戦闘出来る人って昨日ノエリアさん行ってたよな? 結構強いのかな?)




「では行きましょう」


 馬車を呼んであるということでギルドの外に向かう。


 ふと受付に振り返ると、ノエリアが、"頑張って!"と言わんばかりに小さく腕でガッツポーズをしてうなずいている。


 まじ癒される。




 馬車に乗ると、このまま火山まで連れて行ってくれるとのことだ。

 調査自体は1日で済むということなので、帰りにしても待っていてくれるそうだ。

 ちなみに火山までの片道1週間は徒歩での話である。


 道中、はぐれのゴブリンやコボルトが現れる。護衛任務なので率先して倒しにいく。

 特に苦戦する相手でもないので軽く倒していると

 

 御者から「うわー護衛さん、強いねぇ〜! こりゃあ道中安全だあ! ハッハッハ!」と言われた。


 小さい受付嬢は何も言ってこない。

 というか会話すらない。


(せめて名前くらいは聞いておくか)




 今は受付の制服ではないため、名札もなく聞かなければ名前がわからない。


 勇気を持って声をかける。


「あ、あの、名前を……き、聞いてもいいですか」


 結構どもってしまった。


「………マリベル」


 マリベルは身長145cmほどだが、年齢は28歳である。見た目で半分くらいの歳だと思われてしまうことも少なくない。

 髪は薄青色の左右に三つ編みを垂らしている。


 彼女には魔法の才能があった。


 このレベル1では何も出来ない世界にして、歳は10歳の頃、魔法を使ったのである。


 周囲は囃し立てた。


 神童だ、天才だ、英雄の再来だ、これは神からの使者なのだ、と。

 18歳になるまでには大変な苦労があった。

 王都から家庭教師という名の指導官により強制的な訓練。

 日々、魔導書を読むよう言われ、幼くして魔物の討伐などを強制された。


 だがしかし、何年経っても最初に使った魔法以外、上手くいくことがなかった。


 周囲は落胆した。


 勘違いだった、常人じゃないか、騙された。


 家族ともども罵声の嵐を受けた。


 家庭教師代として多額の請求もされたが、それは領主が守ってくれた。


 やりたいことも出来ず、友達を作ることも許されず、とうとうまともな働き口も見つからなくなった。


 領主の恩赦により、冒険者として働くことになったがそれも他のパーティから敬遠され、ギルド長から受付の打診があり今に落ち着いている。

 事務仕事は好きだった。無心で書類を整理すればいいだけだ。

 多少、人と接する機会はあるが向こうからお願いされる立場だ。問題はなかった。


 そんな経験をしてきたからだろう。

 人を嫌い、接し方もわからず、ましてや愛想なんて作ることも出来なかったのだ。




 そんな事情は知らないヒバリは彼女のことをツンデレロリっ子だと思っている。


「マリベルさん、戦闘があれば基本的には私が動きますので何かあれば指示してください」


 任せてくれと言わんばかりに話しかける。


「はい、わかりました」


 彼女も逆にヒバリの実力を知らない。

 

 任せてくれと言われても全く信用ならず、自分の特性を考えると逆にお守りを任された気分であった。




 順調に事は進み、火山の入り口まで到着する。


「兄ちゃんたち、到着したよ。ここで一日待っていまるから、気をつけて行ってきてな!」


 御者はそう言い、周辺に何か液体を撒いている。聞くとこれは魔物避けのアイテムだという。

 ギルドから支給されたもので、効果は約3日間続く。

 この中にいれば安全なんで問題ないです、と火山へ送り出される。




 入り口から歩いて1時間、魔物が1体現れる。


「マリベルさん、あの魔物は何ですか?」


「あれは、サラマンダーですね。火を吹いてきますので気をつけてください」


 真っ赤なコモドドラゴンのような魔物だ。


 好戦的な魔物で、動きは素早く、走りながら広範囲に火を吹いてくるらしい。

 噛み付かれると、その部位が痺れて数時間は動かなくなるとのことだ。


 火と麻痺属性か、とゲーム脳で考えているとサラマンダーがこちらを威嚇して走ってくる。


「倒します! 下がっていてください!」


 と声を上げ、剣を抜く。


 口元からは火がボウボウと溢れ出ており、すぐにでも吹きかけてきそうだった。


 石を拾い、軽く投げる。サラマンダーの鼻先に当たり顔が上がる。


 その瞬間、一気に駆け寄り走り、首をはねる。


(ふぅ、久しぶりの戦闘に感じたけど、まぁ動けるな。この程度の相手なら余裕そうだ)


 魔石、魔石〜と体の中央に傷を入れていると、


「え……今、なにをしたの……?」


 ボソッと後ろから声が聞こえた。


「何か言いましたか?」


 マリベルに話しかけると、なんでもないと言い早く進もうと言われる。


 火山には鉱石も豊富だそうだ。

 確かに歩いていると、光の加減で赤く光る鉱石がところどころに見受けられる。

 つるはしなども持っていないので先に進むが、お金になるならまた来てもいいかな、と思う。




 奥の方まで進んできたが、魔物の数は思ったよりいなかった。


 これ以上いくとファイアドレイクが現れる可能性があり、マリベルを守りながらだと絶対に無理だと確信しているため、戻ろうと提案する。

 わかった、と一言だけ言われ、下山していると洞穴を見つける。


「こんなところに洞穴があるとは聞いてない。何かあるかも知れないから、ここだけ調べてもいい?」


 マリベルに提案され、それを承諾する。




 念のためステータスを確認してから中に入る。




称号:[ゴブリンキラー]、[ジャイアントキリング]

職業:剣聖

レベル:4

ランク:E


HP:178/178

MP:70/70

STR:129

INT:54

VIT:96

AGI:105


EXP:842/1250


職業スキル

-バッシュ-消費MP3

-スラッシュ-消費MP5

-一閃-消費MP10


スキル

<体術:4>、<剣術:4>、<投擲:2>、<回避:2>、<追跡:3>、<隠密:1>、<気配察知:1>、<魔法耐性:3>


エクストラスキル

=起死回生=














続きはもしかしたら明日になるかもです……

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