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第二章 第六話 冒険者のルール

今日初投稿……

遅くてすみません!




 一階に降りて、ルールブックのある場所へ向かう。

 到着すると隙間の多い本棚が1つあった。


 ちょうど真ん中辺りに冒険者ガイドブックと書いてある冊子が置いてあり、それを手に開いてみる。


(結構細かく書いてありそうだ。テーブルとイスがあるし、そこで座ってじっくり読むとしよう)


 冊子を持ち、テーブルに向かう。

 

 受付を見るとお昼前ということもあってガランと空いているようだ。受付嬢も暇そうにしている。


 空いている席を探し、再度冊子を読み始めた。


(まず最初にあるのはギルドの業務内容か)


・冒険者証は大陸の三国間で共通であり、どこでも身分証として使うことが出来る。紛失すると再発に銀貨5枚かかる。

・受付で可能なのは、依頼の受注、報酬の受け渡し、戦利品や貴重品の買取、指定商品の購入、物品の鑑定である。


 依頼の受注はギルド毎にローカルルールがあるらしく、このギルドだと依頼ボードから依頼書を取り、受付に提出するらしい。


 まとめるとこんなところだ。


(次は冒険者としての禁止事項等だ)


・各国での法に従い、それを破ると罰則とは別に冒険者証を剥奪することがある。

・他の冒険者への妨害行為、暴力行為は剥奪対象になる。ギルド職員への迷惑行為なども含まれる。


(自分が主に気を付けていくべきところはこんなもんか。あとは最後に書いてあった緊急依頼ってやつだな)


 緊急依頼は、街や国、世界の危機となるような事態が発生した場合、ギルド職員が冒険者に対してランク別に適当な仕事を割り振るため、指示に従わないといけないというものだった。


(そうは言っても今すぐ魔王と戦えって言われたら全力で逃げるしかないな……)




 暗い雰囲気で俯いていると声がかかる。


「ヒバリさん、今お時間大丈夫ですか?」

 

 声の主はノエリアだった。

 また何か説明とかで呼ばれるのかと思っていたが、内容は思ったよりずっと意外なことだった。


「私、ちょうどこれからお昼に入るんですけど……よかったら食事に行きませんか?」


「えっ? ぼ、僕でいいんですか? 他の受付の方とかと一緒には食べないんですか?」


 まさか自分が、と思って反射的にそう聞き返してしまう。

 ノエリアは、受付の休憩は時間をずらしているので問題ないと言い、であればせっかく誘ってもらえたし相場もまだわからないままなので、ではお願いします、と伝えたのであった。




 5分ほど歩いたところに『カフェ グレン』というお店があった。

 非常に小綺麗なお店で、テラスなんかあったりして、デートなんじゃね、これ? と浮かれてしまうヒバリである。




 中に入ると、筋骨隆々の大剣を背負った男が現れる。

  

「おう」と一言。


「あ、私いつものください! ヒバリさん、何か食べたいものはありますか? グレンさんのご飯、何でも美味しいですよ!」


(グレンさん? 昨日、悪口言われてるところを気遣ってくれた人? なになに? どゆこと?)


「えっと……んん???」


 ヒバリは混乱している。


「あー、グレンさんって冒険者で討伐依頼も受けてくれるんですけど、メインはこのカフェの店長さんなんですよ!」


「なるほど……」


(ってなるほどじゃないわ! カフェの店長さんが大剣背負って何作るんだって! 100歩譲って討伐依頼はいいが、カフェの中で大剣背負う意味よ! ……ないだろ!? ないよな……?)



 

 心の中でツッコミを入れるも、なるべく失礼のないように注文をお願いする。


「すみません、昨日はありがとうございました。

では、えっと、何か軽く食べられるものをいただけますか?」


 それを伝えると「あいよ。待っててな」と言って奥に消える。


 ノエリアからテラスで食べましょう、と提案され席につく。


「あの、正直かなり驚きはしましたが、グレンさんのお店だったんですね」


 話のネタを振る。衝撃を受けたためさすがに自分から話しかけることが出来る。


「元々はお店の開店資金を稼ぐためにと報酬の高い討伐依頼を受けていたそうなんです。けど続けていくうちにランクも上がってこの街ではベテランになってしまったので、今では残っている討伐依頼を受けてくれています」


なるほどとうなずき、ランクが何か聞いてみる。


「今は確かEです」


 ぶふっ、と吹き出しそうになる。いや、笑うとか見下すという意味ではない。

 ベテランってEランクからなのか…、あれ今俺Eランクなんじゃん! という意味でだ。


「確かヒバリさんもEランクですよねっ」


ニコッと笑いこちらを見てくる。


(めっちゃ可愛い……やめろ! 俺は異世界人なんだ!)


 自分を律する。

 ギルド職員だし聞いているんだろうなと思い、Eランクであることを肯定する。


「昨日Gランクで今日飛び級でEランクなんて滅多にないですよ! 剣聖様以来の快挙です!」


また吹きかける。




(剣聖いるのか、しかも剣聖様て! 大剣聖のことかな? さらにその上か?)


「そ、そうなんですね。ゴホッゴホッ。たまたまですよ。冒険者になる前に戦果を持ち込んだから……ゴーッホ……」


吹きはしなかったがむせた。




 そうこうしているとグレンさんの食事が届く。自分の分はサンドイッチだった。

 まず見た目が綺麗なことに驚き、食べてさらに驚いた。

 日本のご飯より美味しいのでは、と思うほどだった。

 幸せな気分になり会計を済ます。


 ノエリアの分は美味しい食事処を教えてもらったから、という理由で二人分まとめてお金を出した。

 相場がわからなかったので金貨を出すと、銀貨はないのかと問われ、ありますと銀貨1枚を出す。

 おつりは大銅貨2枚である。




 なるほどなと思った。




今度の火曜まで更新スピード下がります……初めたてのくせにすみません……


休みの日に一気にアップします!

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