第一章 第十話 ジェネラルの本領
おはようございます!
本日も更新出来るだけ頑張ります!
ヒバリは急ぎゴブリンの大群を追う。
大群の進行でそれなりの音が出ているため気配さえ消していれば、全く気付かれることはなかった。
剣が手に入り、現状では万全の体制となった今、倒すべきゴブリンキングを見据える。
未だ大群の中央におり、両サイドをジェネラルが固めている。
(キングとジェネラルは離したいな……同時に相手取るのは自殺行為だ。とすると、どうするか……)
キングと1対1になる方法を模索する
(一旦キングを戦闘不能に出来ればなー……)
が、あまりいい案は浮かんでこない。
(他を倒してからならキングと対峙出来るんだけど、また石を使うか)
硬球サイズの投げやすい石を探す。
それを拾い、ゴブリンキングの顔を見る。ゴブリンの性格なのか顔はニヤけて村の方を見据えている。
他のゴブリンと違うとしたら、その顔に対して嫌悪感を抱くかどうかだと思う。
キングは圧倒的に気持ち悪い。思いっきり石を投げつけてやりたい!
恨みも込めて全力だ。全力以外ありえない!
気付かれるのが怖いため、心の中で声を上げる。
(んーーーっ!! オラァッ!!)
握っている石をキング目掛けて本気で投げつける。
ゴーッと、うなる石は時速300kmを超える。
もう少しで音速だ。
音に気付いたゴブリンキングが振り向く。
(さすが反応が速いな)
だがその瞬間、投げた石が顔面にヒットする。
「ガァァァァァアア!!!」
キングが絶叫と共にのたうちまわる。周りのゴブリンは状況がわかっていない。
急に顔を押さえて倒れたキングを見て、なんだなんだと動揺しているだけだ。
そんな中、ジェネラル2匹はヒバリに気付き咆哮を上げ襲いかかってくる。
(うおお! 作戦通りっ! キング以外全員が向かってくるかと思ってたけど、まず来たのはジェネラル2匹だけだ! これは思ってた作戦以上!よしっ!)
ぐっ、と小さくガッツポーズを取る。
思いの外うまくいった作戦に、嬉々として鞘から剣を抜きジェネラルと対峙する。
ジェネラルは身長2メートルほどだ。自身よりも少し背が高い程度だが、あまり経験のない高さであり思ったより圧力がある。
手に持つのは大剣。長さは身長と同程度で少し短いくらい、170〜180センチ辺りだ。横幅もある。
重い剣を振り回すためだろう、体はムキムキの筋肉質。ゴブリンキングと比べると、結構太っているように見える。
ヒバリは剣を両手で持ち、右に構える。タイミングを見計らい用意していたスキルを使う。
「スラッシュ!」
右から左へ横薙ぎを行い、本来の間合い以上の射程になった剣技だ。中距離技に該当する。
正面から2匹、並行して向かって来ていたジェネラルに対して放たれたスラッシュは、正面右のジェネラルに迫る。
攻撃に耐えるべく素早く大剣を縦に構えガードの姿勢を見せたが、ヒバリの力を込めた攻撃力には耐えきれず胴を半分ほど斬られ、左へ飛ばされる。
左側のジェネラルは右隣に守られ、スラッシュを回避したようだ。
1匹がやられたのを見て怒り狂っている。
「こっちだって何度も何度も! 何人も殺されて怒り狂ってんだよ! っざけんな!」
もう1匹のジェネラルが大剣を両手で構え連撃
を放つ。
常人なら目に見えないであろう質量を備えた大剣による高速の斬撃。
攻撃倍率の高い、スキルで三連斬りだ。
ゲーム内では、全て当たれば大ダメージと銘打っていたが、現実はヒバリに1つも当たらない。
攻撃を予測して初撃と2撃目はギリギリで見切る。
その後、左に向け大幅な回避行動を行い全ての攻撃を回避する。
また回避スキルが上がるかな、と脳裏にフッと期待感が生まれるが、すぐに戦闘に集中する。
大きく回避したため、カウンターには移れなかったが、さすが剣術スキル4だ。
こちらから攻撃を開始すると、そこにパラメータの力と速さが加わり、スキルではない連撃のみでジェネラルを押していく。
大剣で半分以上はガードされているが剣の身軽さと自身のスピードによって少しずつダメージを与えている。
未だ致命打は打てていない。バックステップを行い、息を整える。
「はぁはぁ……はぁ……ふぅ〜っ」
ジェネラルも息を整え、すでに身構えている。だが傷は浅くない。動きはどうしても鈍るだろう。
早く仕留めないとキングが復活する。
こちらが押しているのだから"一気に押して早くキングのところに行け"と思うが相手にしているジェネラルが思ったより強い。
コイツはおそらく、キング寄りのジェネラルだスキルの精度も高かった。
が、練度が低い。
強敵と戦わずレベルとスキルが上がったジェネラルなんだろう。
(それでも同格だ。余裕があるわけではない。多少の被弾は覚悟でカウンター狙いだな)
ふっ! と息を吐きジェネラルとの間合いを詰める。
ジェネラルも前に出てくる。剣を振り上げ、突き出された大剣と交差する。
狙いすましたようにぶつかり合う瞬間スキルを発動する。
「バッシュ!」
ガギィーンッ
スキルによる強打でジェネラルの大剣が地面に叩きつけられる。
そこまで隙が出来ればあとは切るだけだ!
(もらった!)
「スラッシュ!」
ジェネラルの首を目掛けて剣を振る。頭が飛び、血が吹き出す。
ズシャッ
振り向くと、一拍置きジェネラルが膝から崩れるように倒れていった。
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