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初めまして。
完全な自己満で書きます。
読んでくれたら嬉しいな。
「こういう時、なんて言っていいか分からないけど、一年間楽しかった。ありがとう。」
最後に、彼女はそう言った。
友達としての半年と、恋人としての半年、両方への感謝の言葉だった。
「俺も本当に楽しかった。ありがとう。」
声が掠れる、泣きそうだけれど、堪える。最後は明るくいたい。
「じゃあ、切るね」
やっぱり君は強いな、声の調子はいつもと変わらない、最後までクールだ。
「うん、じゃあね」
終わってしまう、嫌だ。
「バイバイ」
ピロン
電話が切れる音が部屋に響く。
電気を消し、ベットに潜り込む。
何も考えられなかった、何も考えたくなかった。そのはずなのに、彼女の笑顔を思い出す。
涙が、止まらない。
それと同時に、彼女の声、姿、匂い、文字が頭に浮かぶ。
涙は、止まらない。
涙は三種類に分けられる。基本的な涙、反射的な涙、感情の涙、この涙は三つ目に分類されるのだろう。感情の涙を流すのには、感情を浪費しなければならないのだと思う。俺のこの感情を生み出しているのは、彼女との記憶だ。涙を流し続ければ、この記憶を早く忘れることが出来るのではないだろうか。
そんな淡い期待を抱いて、泣き続けた俺は、泣き疲れてそのまま寝てしまった。
その夜 夢を見た
幸せな 夢を
夢のような 日々の夢を