第二十三話:明日に散りゆく色たちへ
7500文字超えてます。お気をつけください。
マーゼ・アレインが、防衛部への奇襲を行う数日前――――……。
「クーがいなくなった!?」
「は、はい……。病室はもぬけの空だそうです……」
サクラはショックに動転する頭を冷やして、考えを巡らせた。
……命を取るなら、誘拐する必要なんてない。その場でチューブの一本でも外せば、クーは生き永らえれない……。それじゃあ、何の為?人質にして私の気を引くにはリスクが大きすぎる……っ!専門の施設と医師がいなければ、人質にする前にあの子は死んでしまう……。
「そ、それで……、サクラさん宛てに一通手紙が残してあったそうです。こ、これです」
「えっ……?それを早く言いなさいっ!」
サクラは報告に来た情報部員を叱責してから、ひったくる様に彼の手から手紙を取った。
サクラは恐る恐る封を開けて、中に目を通した。彼女の顔がみるみる色を失っていく。その内容は、彼女の想像を遥かに凌駕しているものだったからだ。リスクの大きさを見越しても、マーゼ・アレインの手だとそう思っていたのだ。
「ミサキに伝えて……」
「え?」
「しばらく留守にするから、ここを任せると!」
その後、サクラは情報部より姿を消すことになる。
**********
クー失踪から、数日後――――……。
「ツバル副部長、こういうときはどうすれば……?」
メギドに乗り込み、削岩機を手にしたリクが言った。
「あぁそれはだな……」
近くで様子を見守っていたツバルはリクの問いに、手本を示そうと近づいていく。
彼らは、リクの申し出によって特別に訓練を行っていたのだった。退院したリクは、考えを改めて“開発部”としての自分を磨くと誓ったのだ。シンランによって、現場に立つことが許されてはいたが、諸々の事情により最近の訓練は休みがちになってしまっていたので、遅れを取り戻そうとリクも必死だった。
「なるほど……、ツバル副部長さすがだなっ!今まで気付かなかったよ」
「何言ってるんだ。いずれはお前にも俺を超えてもらわねばならないんだ。未来はお前達が拓くのだからな」
ツバルは口調こそ厳しかったが、その内心リクや他の教え子たちに対する期待は隠せなかった。これからは彼らに間違いのない未来を築いていって欲しかったから。
ツバルも、クー失踪次いでのサクラ離脱を知ってはいたがリクに対しては口止めを命じられていた。サクラによる直々の命である。心配をかけまいと思っての事なのだろう。だが、ツバルはそこまでの心配をする必要もないんじゃないかと思った。
「あぁ……俺達が……これからをつくっていくんだ」
リクも、その言葉がどれだけの重みを持つのか、もう知らない顔は出来なかった。求めるだけの、待つだけの生き方はもう辞めるんだ……と。
「あぁっ、通信?ミサキか。俺だ、ツバルだ。……え?何だと?分かった。すぐに行く」
ツバルは、突如情報部の方より緊急通信を受けた。その報せは到底信じられるものでもなかったが、今は行動に移すのが先決だと判断する。
「どうしたんだよ、ツバル副部長」
「リクはここを動くなっ!いいな!?」
機体の中で首を傾げるリクにツバルはそれだけ通信を残すと、ブースターを吹かして慌ただしく飛び去っていった。
後に残されたリクは、ただそこに立ち尽くすしかなかった。
「なんなんだ……?」
「隊長の動きを気取られないように派手にやるぞ」
「おおうっ!」
ハヤブサたち、マーゼ・アレインの隊員は編隊を組んで、防衛部格納庫へ向けて飛行していた。黒と白が混じったそれは、知らぬ人が見たらその異様さに身がすくむであろう。奇妙なコントラストが織り成すそれは、悪魔にもまた天使に見えないこともなかった。
オーベルトは別行動で、機体を積んだ貨物船でフィエンたちとの合流ポイントへ進路をとっている。彼らにすぐに機体を渡して、行動に移せるようにするためだ。その後のオーベルトの行動は誰も聞いていなかった。ハヤブサも、エクスルすら教えてもらっていない。だが、隊長のやることに間違いはないと彼らは信じていた。
「ミサキ副部長、敵機およそ二十数機程……ですね」
「そうね。思ったより多いわ。防衛部に待機している機体だけじゃ足りない……」
ユーリはモニターを見つめながら神妙な顔を浮かべ、ミサキは爪を噛んで苦い顔になった。情報部も防衛部も、マーゼ・アレインの襲撃は予め認知していた。いや、むしろあれだけ活発に行動しておいて、無視など出来る訳もない。それでも今までは機体を申し訳程度絡ませただけで、戦いという戦いはしていない。防衛部側が、すぐに戦闘態勢に入れるのは十数機がやっとだ。絶対的な機体も人員はこちらの方が間違いなく多いだろうが、それを全て即時に投入することは不可能である。
「大丈夫ですよ。アルト部長にエルド副部長、それにハルカも出撃準備済みです。むしろ、増援が行くまでに終わっているかもしれません」
ユーリは、率直な自分の意見を述べた。もっとも、これには若干の不安要素が入る。防衛部の機体は全てメギドである。今までオールラウンドに活躍してきた火星政府側の優秀な機体だ。ただ、先の戦闘でユーリが戦った純白の機体はそれを上回るスペックだった。もし敵がこれを大量に投入してきたとなると、戦局はまるで見えない。レーダー上では、機体の種類までは判別できなかった。
「私もオペレータとして乗り込みたかったんですけど……」
「急な戦闘だし仕方ないわよ。こちらから出来るフォローをしましょう」
「はい……」
自ら戦闘に参加したがっている自分に気付き、ユーリははっとした。少し前の自分は戦いを憎み、忌み嫌っていたのではなかったのか。寒気が背筋を通り抜けるのを感じる。それでも、ユーリは自分が間違っているとは思わなかった。自分がそう変わったのはそう変わらざる得なかったからで、それも別に罪を犯している訳でも、それを肯定している訳でもない。
ここ一番で迷わない強さ。それがユーリの武器だった。
**********
リクは、その光景を信じられなかった。
ツバルには動くなと言われたが、異様な気配を感じたので、それに従って来てみたのだ。
数十機に上るとみられる黒と白の機体が、互いに容赦なく傷付けあっていたのだ。粒子ビームを撃ち合い、剣を交わらせて、火星の空を乱舞していた。当然、機体は火を吹いて破壊され爆散していく。敵味方関係なく、命の鼓動が散っていった。距離はかなり離れているので、自分の身は安全である。それでも体の震えは止まらなかった。
「なんだよ……これ……?こんなのが、俺たちの求める景色なのか……?…………お前はどうなんだよ……レオ」
リクは分からなかった。同じ道を歩いてきた、初めてそれが違えた。殺したいほどの激情にも駆られた。そして心から謝罪したいほどの悔恨にも駆られた。そして、例え立場は違えど抱いている気持ちは同じだと、そう思ったのに。この現実をどう受け止めればいいのか分からない――――――――。
「父さん、ここはうちが!」
ハルカがアルトに向かって叫んだ。防衛部側も必死の戦闘だった。ユーリの悪い予感は当たってしまったのだ。マーゼ・アレインはハイスペックのメシアを戦闘に投入してきた。もっともその総数は多いとは言い切れない。それでも奇襲としての戦力は十分だった。絶えず待ち伏せていた、防衛部のメギドの数を上回るのだから。
回線を通じて、ハヤブサもハルカの声を捉えていた。
ハヤブサは以前聞いた、シアルを討ったパイロット――――ハルカ――――の声を忘れてはいなかった。
「父さん……だとぉ……?」
狂気を帯びたハヤブサの顔が歪む。それはもはやシアルが、そして皆が大好きだった皮肉屋で頼れる兄貴分のハヤブサからは程遠い形相だった。そしてそれは表面上だけでなかった。彼の内面はもはや、怒りと哀しみ、そして溢れる復讐心でどろどろに濁りきっていた。それが無慈悲な、しかし彼にとっては最も理想的なアイデアを閃かせる。彼の中で何かが弾けた。
彼は機体を駆って、一機のメギドにためらうことなく向かっていく。
「あの時の続きをしようぜェ!?」
「あんたはあの時のっ!?」
ハルカもまた取り逃がした敵の声を忘れてはいなかった。先の件を思い出すと、体が震えて頭が真っ白になりそうになる。それでも彼女を繋ぎとめてくれたのは父の声、そして存在だった。
「ハルカッ!」
ハルカの動向に気付いたアルトが声を張り上げる。無論、アルトはハルカの心配をしている訳ではない。
隊長として部下を鼓舞しているのだ。彼女もそれは分かっている。
「せや……!うちは何も怖くなんてない……っ!」
父の声を聞きハルカは自分に言い聞かせるように、言葉を噛み締めた。
ハルカのメギドと、そしてハヤブサのメシア。あの時の映像を再生しているかのように、二機は対峙する。しかしお互いにオペレータを欠き、そして互いの胸の内はあの時はまるで違う。
だからハルカは気付けない――――――――ハヤブサの真意が。
「え?」
ハルカは素っ頓狂な声を上げる。
「ぐっ!!!??」
ハヤブサは、アルトの乗り込むメギドに向かって粒子ビームを放ったのだ。既に他の機体と交戦していたアルトは持ち前の反応力をみせるが、避けきれずに肩に被弾してしまう。ハルカも突然の事に身体が動かない。
「攻撃をとめるナァッ!」
ハヤブサが目を剥いて、激昂する。それはアルトと当初応戦していた仲間へ向けられた言葉だ。だが、もう既にハヤブサの中でそんな概念は消え失せてしまっていたかもしれない。
「オオオウッ!」
声を受けたマーゼ・アレインの隊員もハヤブサの狂気に怯えていた。いつものあいつじゃ……ないと。それでも、戦うことは自分自身で納得して決めたことだ。自分の為、仲間の為、未来の為、彼は惑う来なく刃を振るう。
「舐めるなッ!」
手負いのアルトは、機体の肩から既にスパークを発し出していた。それでも、即座に粒子ビームで相手の粒子ソードを撃ち落とすと、躊躇うことなくその機体に刃を突き刺した。
「ハ……ヤブ……サッ!!」
その隊員は、断末魔を上げて宇宙の塵と化した。彼は最後までハヤブサを心配していた。しかし無情にも、その声がハヤブサに届くことはない。
「ひゃひゃひゃっ……隙ありだゼェ!?」
アルトが討った機体の爆炎に紛れて、ハヤブサが一気に距離を詰めてきた。我に返ったハルカも遠距離から粒子ビームを撃つが、煙に隠れて捉えることが出来ない。
「うらあああっ!」
「ひゃっはーっ!」
アルトとハヤブサの両機体の剣が大きな振動と共に交わった。その衝撃で辺りを覆っていた煙は真っ二つに裂かれて、見通しが晴れていく。
ハルカはそこで、剣と剣を交わらせて押し合いをしている二機を認めた。
「父さん、危ないっ!」
ハルカが、悲壮感を帯びた声で叫ぶ。
アルトは両手で剣を支えていたのだが、それに対しハヤブサは片手で粒子ソードを携えていたのだ。粒子ソードは通常の剣よりも、その強度が遥かに高い。もう片方の腕が腰からハンドガンを抜き、それでアルトが先程被弾した肩を狙い撃った。その衝撃が、機体内部のアルトにも伝わった。
「があっ!!」
アルトは唸り声を上げて、コックピット内部に激しく打ち付けられた。コックピット内部を舞う液晶の破片が彼の片目を切り裂いた。鮮血が飛び散り、彼の視界を奪う。
「くっくっく……!これで終わりダナ」
ハヤブサが、崩壊を始めた機体を眺めてにたりと笑う。もっとも彼も余裕がある訳でない。額には汗を滲ませ、体の各部はぎしぎしと軋んでいた。それでも彼の精神力はとっくに肉体を超越していた。彼の歪んだ狙い、それはアルトの命を奪うことで、ハルカに自分と同じ気持ち――――大切な人を失う哀しみ――――を味わせることだったのだ。最後の一撃を浴びせようと、粒子ソードを振りかぶった。
アルトは、諦めてはいなかった。この間合いで相手の粒子ソードを避けられる道理はない。いくら反応していようとも、機体はそれに応えない。だから、最善の手を取ることにする。それが瞬時に思いついたことにアルトは苦笑した。
(リョウコ……。ありがとう。お前でもこうしただろう?)
アルトは腰背部からライフル型の射出機を抜きハヤブサに向けた。メギドの最後の武装だった。
「あかん、間に合わへん……っ!父さんーーーーーーっ!」
ハルカも、機体の最大出力で絡み合う二機へ向かうが、とても間に合うとは思えなかった。
その刹那、二機の機体は爆炎と白煙に包まれて、その姿を一時ハルカの視界から消した。溢れる光の筋が彼女の目を刺激する。
やがて露わになったそこには、下半身の吹き飛んだ純白の機体と黒々としたメギドの“破片”のみが浮かんでいた。
ハヤブサの最後の攻撃でアルトの機体は完全に破壊され、誘爆が全体に広がって四散していた。
また、アルトの最後の攻撃はハヤブサのメシアを襲ったが、その全てを消し去ることは出来なかった。彼のもっとも得意とした射撃は、失われた視力によって、至近距離のハヤブサすら完全に仕留めるまで至らなかったのだ。
「痛ッ……、俺はまだ生きているのか……?」
メシアのコックピットの中は破壊し尽くされており、ハヤブサの体も骨が折れているというレベルでは済まされないような怪我だった。身体の至る所から、血が滴っている。だが、確かに彼は生きていた。その“瞬間”までは。
「あ……?……ごぷっ……!」
満身創痍となったメシアのコックピット部分が、一機のメギドの持つ剣によってハヤブサもろとも貫かれた。
「よくも……アルト部長をおおおっ!!!」
その機体は剣を引き抜くと、誘爆に巻き込まれないように瞬時にその場から離脱した。残されたメシアの各部はスパークが激しい火花を散らしていた。そして、小さな爆発が白き機体を削っていく。徐々にその規模は膨れ上がり、最期の時を待つのみとなった。
「こ……れで、俺も……終わりカ……」
薄れゆく意識の中で、彼の脳裏に失いかけた“少女”の面影が一瞬だけ通り過ぎていった。
(誰だ、お前は……?へっ、笑ってんじゃねーよ。なにがそんなに嬉しいんだよ……。どちらさんか知らないが、お前も糞みたいな人生だったんだろ……?そうさ……、誰だってそうなんだ)
ハヤブサの瞳から“最期”の時まで堪えていた涙が、一筋零れた。
その滴が手元のレバーに落ちたのと同時に、呼応するように機体は爆炎に包まれて四散した。
ハルカの元に一機のメギドが駆け寄った。先程、ハヤブサに剣を突き刺した機体である。
「ハルカ、大丈夫だな!?まだ、戦いは終わっていない!生き延びろ!」
「エルド……副部長?」
聞き覚えのある声に、ハルカが茫然として応えた。ハヤブサを討ったのはエルドだったのだ。だが、ハルカは既に戦意を完全に失ってしまっていた。顔の筋肉がただれてしまったかのように表情は虚ろだった。父の死という目の前の現実を受け入れることが出来ない。
「!?」
ハヤブサとアルトの死に気付いた一機が、エルドとハルカに向かって最大出力の速さで殺気を放ちながら向かっていく。そう、“彼女”にしか出せない“速さ”である。アルトに次ぐ反応速度を誇るエルドですら、それを完全に目視できない。彼がその機体を捉えた時、それは既に眼前に迫り粒子ソードを振りかぶっていた。
「シアルのハヤブサの……、そして仲間たちの敵ッ!」
「なっ……!?」
その機体のパイロットと思われる女性の声がエルドの耳に響いた。
対照的ににエルドは言葉すら発せられない。そんな速さだった。だが、彼はこの後更なる事実に驚くことになる。眼前に暗き闇が舞い降り、彼の視界を覆ったのだ。
「ここまでだ!これ以上はお前たちの好きにさせないッ!」
エルドの耳には、今度は先程とは別の女性の声が届いた。
そして彼は自分の目を疑うかのように、なんども瞳を瞬いてその状況を理解しようとした。
彼の目の前には自分に向かって攻撃を行おうとした純白の機体と、それを防ぐように立ち塞がる漆黒の機体の二機があったのだ。
「いつの間に……!?そしてこの声は……?」
「大丈夫か、エルド、ハルカ!?」
『シンラン開発部長!?』
ハルカとエルドは声を揃えた。今まで戦いの場に立つことを嫌い、その実力を持ってしても防衛部には関わらなかったシンランが機体に乗り込み、敵と対峙しているのだ。そして、彼女は彼らの想像を絶する速さだった。
「馬鹿なっ!私の速さと“同じ”だと!?」
メシアのパイロット――――カレン――――は、驚愕して声を上げた。今まで自分と同じ速さを出せるやつなどいなかった。アルトとサクラと戦った時も、持久戦で粘られて負けたのだ。速さで負けた訳じゃない。
「なるほど、サクラさんから聞いてたけどやっぱり驚いたな。お前、私と同じ存在だな……?」
シンランの言葉を聞いてカレンははっとした。考えてみれば不思議な話ではない。ただ、そのほとんどは地球での戦争で死んだ、もしくは存在を知られると都合がよくない連中によって消されたと思っていたのだ。
自分と同じ力を持つ存在。戦う為に産み落とされた存在。
カレンは、ハルカとエルドの声でその名前を知った。
「シン=ランというのか、貴様。同じ“デザイン”との出会いの記念だ。私の名を刻め……カ=レンという名を!」
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ヴェクトは、手に持ったレーダーをじっと見つめていた。
「この方角は……地球か?」
レーダーに映る点は最初点滅を繰り返しながら、規則的な速さで動いていたが、やがてそれも消え去り何も映らなくなった。発信器が、レーダーの範囲外に出たのだ。
「だが……何故だ?…………敵の機体の工場か!?」
ヴェクトの発信器が指し示すのは、以前交戦したフィエンである。フィエンはオーベルトの命により地球へ向かっていたのだが、ヴェクトはその動きを見逃さなかった。もっとも、“何故”なのかを知る由はなかったのだが。ただ彼は一度地球へ降りているので、メシアの製造工場があることは既に確認してある。そこに関連しているのではないかと推測した。
「ティラナも地球にいるんだったか。私も向かわねばならんな……」
地球には、セブンスの行方を追ってティラナも向かっている。彼女とはお互いがそれぞれの正義を貫き通すと約束をした。だから、心配をしているわけではない。
彼も自らの正義を貫く為、つまり一度取り逃がした敵を追い詰めて捕えるために、再びの地球行きを決意した。
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次回、「第二十四話:EVER BLACK」
「破壊しろ……、この世界の為に」
「はい……。それが貴方のお望みであるならば」
果てない闇の中で、誰もかれもが惑い、彷徨い、何かを求めて。