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抜け道、見つかる

ブックマーク、評価などありがとうございます。

最終階層までたどり着いたリナルドたちは地図を確認するとまずは報告のあった場所へと向かった。

昨日までに採掘が早くに終わり整備された通路になっている4,5階層と植物が繁茂した6.7階層を通過してきた。

8階層は採掘の際に発生したガス爆発によって放置された、と言われていて岩や土がむき出しの場所が多い。

4,5階層でも岩蜥蜴は獲れるがこちらに出没するものはさらに大型で凶暴だが魔力が多く素材としての取引価格も高値だ。

「ここいらはさすがに冗談ばかり言いながら歩けるエリアじゃないからな。」

リナルドはそう言うと真剣なまなざしでゆっくりと先頭に立って道を進んでいく。

そのすぐ後ろから油断なく周囲を伺いながらラウル、ヤルミラ、ルジェクの順番でダンジョンを進む。


「報告によるとこの坑道の枝道から入っていくんだよな。」

地図を見たラウルがそう言い、ルジェクがその地図を覗き込む。

「このあたりなら人間がいくよりもむしろ俺たちドワーフのが速いな。頭に気を付けて着いてきな。」

そういうとルジェクとヤルミラの二人はそのまま坑道へと入り込んでいく。

「おい!!なんかトラップがあったらどうすんだよ?」

ラウルが大声を出して呼ぶが

「大丈夫だ。他の場所ならまだしもこのあたりでトラップ仕掛けるほどご先祖たちもヒマじゃないって。」

という返事が返ってきただけだった。


通路として利用されていたあたりは荷物の運搬にどうやら大きな魔獣を使っていた名残なのか大き目に作られていたが坑道のまま放置されていたこのあたりは、

ドワーフの基準で作られていてリナルドが何とか背を伸ばしたままで進むことが出来る程度の高さだ。

「ロッソが毎回腰が痛い腰が痛いってぼやくわけだよなぁ。」

ひょいひょいと進んでいくルジェクとヤルミラに比べて人間の二人の足の進み具合はどうしても遅くなりがちだ。



時々どこからか人の声が聞こえる。

何を言っているのかまではわからなかったけれど、ダンジョンに潜っている冒険者たちが魔物と戦っている時にあげた声かもしれなかった。

「オーロラがこのあたりで活動するのもわかるよな。」

初日に上の階層で出会った彼女たちは実力もあるが、魔物の森よりもこのダンジョンでの活動を好む。

この階層まで潜ると長身な男になればなるほど行動が制限されてしまうので、ちょっと小柄な彼女たちくらいのほうが活動しやすい。

「少し上の方を掘り進め余裕を作るっていう手もあるよな。」

ラウルは坑道を広くすれば大柄な者も入って岩蜥蜴やオオコウモリなどを捕まえることが出来ると主張する。

「・・・予算どうするよ?」

リナルドはそう答えてふぅっとため息をつく。

坑道が広くなれば確かに活動できるパーティーも増えるが現状を生かして活動しているオーロラのようなパーティーの利益に少なからず影響も出るだろう。

「それなぁ・・・・。」

パルマのダンジョンで採算が合うほどの魔物が継続して出るようになればそのために8階層の坑道を拡張するのは無駄にはならない。

ただ、今の段階では確証が持てない。無駄な投資に終わる可能性が少なからずある。

魔物溢れる自然発生ダンジョンとは異なり、生産型も併設するパルマでは今の現状を崩す方がリスクも高い。


「魔物もさ、入り込んだだけのやつだと狩れば終わりだろ。それじゃやっぱり採算合わないしな。」

自然発生的に湧いて出るような魔物もいれば、普通の動物と変わらないように増える種もある。

後者だと親を狩ってしまえばその一度きりの収穫で終わってしまう。考えることはたくさんあるのだ。

「・・・職員ってな大変だな。」

ラウルがボソリと言う。

「ま、そういうことさね。」


とりあえず報告のあった場所へと最初に向かい確認作業を行った。

どうやらドワーフの文献にあった通り落盤事故がかつての坑道を塞いでいたものらしい。

「落盤事故でふさがれた割には妙にきっちり隠れてるな。」

「このあたりは事故の影響で天井が低いからな。あまり入り込んで確かめるってのもなかったんだろな。」

岩蜥蜴やオオコウモリ、サンドアルマジロなんかの巣穴があるくらいの認識はあったかもしれないが、きちんと入ってまで確かめようとは思わなかったらしい。

今回の報告を上げてきたパーティーもたまたま最下層の最奥で見つけた獲物が逃げ込んだので追ったら見つけたと言っていたはずだ。


「岩盤が崩れたところに長い時間かけてさらに土が被さって絶妙なカモフラージュになった、って感じかな?」

「人間は耕すのは好きみたいだけど掘るのは今一つなのかね?」

ヤドミラの感想にルジェクの問いにリナルドは苦笑いをする。

「そりゃドワーフから引き継いだ時点ではダンジョンはまだまだ奥まで潜る時代じゃなかったからさ。目先に狩場があるのにわざわざ掘らないよ。」

「そんなもんかねぇ?」

「掘り進め、そこに何かが埋まってる。って人間は言わなねぇのか?」

豪快に笑うルジェクにヤドミラが肩を竦める。


「とりあえず新規坑道の発見があったてことで上に上がろう。ルジェクたちにはここに残って調査もしてもらいたいけどまずは契約通り通常ダンジョンの確認作業から頼むよ。」

「来た道また上がるのかよ、まったく今回の依頼は追加料金もらわねぇと体力的にわりに合わねぇな。」

「その点については雇い主の本部ギルドと相談してくれよ。ニベアでは不測の事態だったんだから。」

リナルドがそう言うと、ドワーフの夫婦はやれやれと肩を竦めた。

抜け道が見つかってメンテナンスに余計な手間がかかる、かも?


どうでもいいから早くこっちも手伝って~!!

by トイレ掃除スライムと格闘中のティナ

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