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詩集 残雪の声

こがらし

作者: 紀 希枝

おお こがらしや

一年ぶりに会うものだけど

お前は元気にしていたかい?


去年お前は

ビューンと一言置き去りに

あたしと話す暇もなく

あっという間に南へ走っていったね

地球一周旅行はどうだった?

「ぶらじる」や「なんきょく」とやらにも行ってきたかい?

え、

赤道で台風に巻き込まれただって?

あははははは

めったにない体験じゃないか


北の山はもう真っ赤だね

あの山の向こうの村はどうだい?

へえ、雪が降り始めているだって

やだねえ

寒くて寒くて仕方がないよ


そうだ忘れてた

去年あたしの手ぬぐい盗んだの お前だろ

一番上の孫が 初めてのお給料であたしに買ってくれた

柿が刺繍された白い手ぬぐいだよ

庭に干していたのに

よくも盗んで そのうえ畑に置いていったね

ほら これだよ

お前のせいで泥のしみが取れないんだよ

ごめんで済むなら警察はいらん!


詫びだって?

なら 今年はもう少し早くここを出て

南のあの山の さらにそのまた向こうの山を越えた街に長く留まってくれないか

今話した孫がね そこに住んでいるんだ

秋の好きな子でね

ほら 最近秋が短いだろ?

紅葉が散る前に冬が来ちまって

色づく前に落ちちまう

だから

あの子の家の庭の木を

長い間色づかせてほしいのさ


おお 早速行ってくれるのかい?

ありがとうね

あの子によろしく伝えてくれよ


拙作をお読みくださり、ありがとうございます。


批評批判大歓迎です。もっと私自身の思い描く世界を表現したいので、感想酷評、友人への紹介も期待しています。


長編の作品を幾つか載せる予定ですが、いずれもまだ先は長そうです。

平成三十年六月十五日までは、月に一度は詩を載せるつもりなので、気が向いたらお読みください。


繰り返しますが、本当にありがとうございます。

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