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8旅の支度

「ケント〜こっちがギルドの買取屋よ」


テルワートはご機嫌で走り回ってる。まるで元気な子犬のようだ。

買取に出すのは来る途中に狩った魔物だけになった。俺の狩ったのは後々面倒になりそうだからと今回はそのままにする事にした。


「すいませ〜ん盗賊から逃げる途中に対峙した魔物買取ってもらいたいんですけどぉ〜」

「はいよ。そんじゃ〜そっちの台に並べてくれ」

ギルド買取センターのおっちゃんがそう言うと奥に何かを取りに行った。

俺はバックからウサギとかヘビ、モグラ、ニワトリなど合計43匹並べた。おっちゃんは随分狩ったな〜と驚いてたが、盗賊から着の身着のまま逃げるには街道を外すしかなくて、やっとここで一息つけたって…テルワートさん…あんたよくそんなに話し作れるな…若干引き気味に話しを合わせといた。

ニワトリやウサギは食料として流通するようでなかなか良い値で引き取ってくれた。ヘビも皮が貴族に人気らしいがここでは若干値段が下がるらしいが、そのまま引き取ってもらった。

ウサギとニワトリが銅貨60枚の25匹分ヘビが銅貨50枚の10匹、モグラは銅貨30まい8匹の銅貨で2240枚分を銀貨22枚と大銅貨4枚で引き取ってもらった。

この国の通貨はエルで銅貨一枚が1エルだそうだ。銅貨10枚で大銅貨1枚。大銅貨10枚で銀貨1枚。銀貨10枚で大銀貨1枚。大銀貨10枚で金貨1枚。しかもおっちゃんはギルドカードの仮登録証を作ってくれて、でかい街での手続きが簡単になるようにしてもらえた。この村は大森林の探索拠点でまだ買取センターしか開業してないそうだ。


次に宿屋へ向かった。今日の寝床を先に確保しておく事にした。

レホ村唯一の宿眠りの森亭に向かった。

「いらっしゃい眠りの森亭にようこそ宿泊かい?それとも飯だけかい?」

「2人で宿泊をお願いしますね」

「今2人部屋しか空いてないがあんたら夫婦だろ?別に構わないよな?朝飯はいるかい?いるなら銀貨1枚なくて良いなら大銅貨8枚でいいよ」

俺が相談する前にテルワートは朝食付きで注文して、こっちを向いていたずらした子供のように舌を出して微笑んでいた。

部屋は階段登って突き当りの205号室。まだ買い物するところがあるので買い物終わって声をかけたら鍵をもらえる事になってるようだ。


次に服飾の店に行った。と言っても防具屋の中古衣料でしかないのだけれども、ここは2人の普段着として用意しておく。

何かあって目立つのも嫌なので一般的な服を購入しておく事にした。テルワートは膝上のワンピースタイプ、俺は半袖のシャツと膝下丈のズボンにした。これで銀貨1枚づつ飛んでいった。宿代から考えると意外に服は高いようだ。



次に鍛冶屋に行く事にしたが、テルワートは特に武器防具はいらないらしい。

魔法が主で魔法陣も詠唱も無しで発動出来てしまうから、杖とかもいらないらしい。

そうなると俺が使わなそうな重そうな武器を何個か売る事にした。

量産型っぽいブロードソードが一本銀貨1枚で4本銀貨4枚で買取ってもらった。

ついでにバックの中で眠っていた壊れた物を取り出し修理が出来るか聞いてみた。大まかな構造と原理を話したら鍛冶屋のおっちゃんドワーフらしいけど凄く目が輝いちゃって、もう今日は店閉めるって、明日の昼には直し終わるって言い切っちゃったよこの人。

まあいいや金はいらないとか言ってるがテルワートが言うには酒が好きらしいから完成祝いに酒を送っては?と言ってくれた。

それならばと壊れた部品も一緒に置き、雑貨屋へと向かった。


雑貨屋では保存食と酒、ユン○ルのような回復液、タオルや水筒など用意した。これだけあれば一週間の旅もなんとかなるだろうと銀貨3枚ほどの出費である。それに途中に町があるし無理にここで買う必要はないだろうと控えめである。

本命はホルドアの街だしそこに行くまで困らないものがあれば十分だ。


宿に戻り鍵をもらうが特にやる事もないのでそのまま食堂に赴いた。

今日の晩飯はニワトリの肉らしい。それとも変わった形のキノコと野菜の炒め物にスープ。なかなか豪華である。それと発酵した果実酒なんてのも出てきた。

まさか自分が女性と言うよりは少女と一緒にのんびりと食事をできるとはね〜つい最近までの奴隷のような環境で食事なんて短時間で詰め込むだけの状態に比べると天国のようだ。

食事を15分もかけゆっくり食べたが先に食べ終わってしまった。急かしてもいけないので酒のお代わりをもらいちびちび飲みながらテルワートの話しを聞いていた。仕事で鍛えた聞き役スキルは遺憾無く発揮され、この時ばかりは強制取得させられた営業トーク法に感謝した。


酔いも程よく回りそろそろ食堂も賑やかになってきたのでどちらから言うことなく部屋に戻ることになった。

「二階の突き当りだっけ?」

「そだよぉ〜はいこれ鍵ぃ〜」


ガチャギィー


やっぱりこうだよな…


部屋には大きめなベットが一つ…


どうする俺?


扉を開けて固まってしまった俺に、後ろから顔を出し、やや上目遣いにテルワートが覗き込んできた。その顔はどこかいたずら好きな小動物のような、小悪魔のような目つきで訴えてきた。


「ねぇ〜ケントの魔力操作してみるから、服脱いでベットに横になってよ」


ななななんですと!?


「ねぇ〜早く〜」


この後どうなっちゃうのでしょう?


すでに状況はまな板の上の鯉。


ここまで来たら流れに身をまかせるしかないのでしょうか?


果たして俺はいざとなったらオオカミさんになれるのであろうか?


仕事以外で女性と接するのが久しぶりすぎて何をしていいかわかりません。


そうこうしてるうちに、服を脱ぎ捨て、ベットの上にうつ伏せにさせられた。そしてなぜか目隠しをされテルワートが背中に乗ってきた。そしてせいか…じゃない普通のマッサージを始めた。


「あの〜テルさんや〜なんで目隠しなどを?」


「2人の時はテルトにして欲しいなぁ〜視覚を閉ざした方が感じやすいでしょぉ〜」


う〜ん何か勘違いを誘うような一言でした。しかし実際はリンパマッサージのような感じで体全体で血液以外のものが移動していくのが感じられた。


「次は上を向いてぇ〜」


あまりにも心地良い感じに言われるがまま仰向けになるが…


下腹部に座らないでくれ!


両手は指と指を絡めるような俗に言う恋人つなぎの状態で、俺は万歳してる状態に近い格好で固定されてしまった。


テルトはそのまま密着してきた。


しかも触れた感じが裸だろうこれは!?

それにそのままキスしてきて、足も絡めてこれで反応しないのは男じゃない!


だがしかし!


突如体の中に力が動き始めた。全身から力が放出され口から補給されてるような…

生殺し状態だがこれはこれで力がみなぎるようだ。


だがこの心地良さに身を任せていると、そのまま意識が遠のいてしまった。




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