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76商家連合

家に帰宅後獣人さんを紹介しながら歓迎会の予定がいつの間にか大宴会に変わってしまった。

鍛冶屋ゴルドは熊人のボルトと意気投合して飲み比べ、そこに竜車運送のクロッカと盛り上がってたカバ人ガロードと重量級な飲み比べへと変貌。

調合師マーサはロバートとイリスに捕まり薬で助けられた事でお礼されっぱなしでそこに同じく助かったイタチ人のフェルも混ざって輪ができており、もう一人付いてきていたネズミ人のジャガルは出された料理に惚れ込み料理長のシェルシアについて回っていた。


他の連中は俺達の所に集って冒険譚に耳を傾けてその日の夜は賑やかなまま更けていくのだった。


翌日


「ケントさんお客さんが来てます」お酒が残る中ドアを叩く音と共に声をかけられ嫌々ながらベットを抜け出しドアを開けると食堂ウェイトレスのエルスが呼びに来てくれた。

この娘はいろいろ情報集めをしてくれる娘で今回の客は各業種を独占して牛耳っている商家の人達らしい。


今回は輸送路を整備した事により荷馬車を扱うアダム家、昆虫甲冑をゴルドが作った事により武具商イシス家、マーサが中級回復薬を流通させた事により薬商ウルト家、昆虫ダンジョンを解放した俺に対して素材商エリン家が面会を求め求めて来ているらしい。


こいつらは昨日村長宅に押しかけて圧力を掛けに来たらしいが元々は左遷貴族がこちらの地域に進出するのを商機と捉え出て来たらしい。

この四商家は有力貴族の顧客を持っていない商家でこの機会にパイプ作りのため先行して来たが独自の商圏が確立していたため、その中心人物であるケントに面会で来たそうだ。


強気で来るなら突っぱねれば良いだけだけど、この家の安全が脅かされるだろうしそうなると出歩けない…

まあ、まずはあってからだろう。


エルスに案内され奥の住人用食堂で簡単な応接セットが整えられた部屋に入ると四人の男女が待ち構えていた。


「お待たせいたしました。冒険者をしておりますケントと申します。今日はどういったご用件で?」


四人は顔を見合わせながら一人の男が代表して紹介してくれた。


「私は商家連合で荷馬車を手掛けるアダム家の代表です。こちらの女性は武具を扱うイシス家代表。そっちの若い男が薬を扱うウルト家代表。最後にそっちの女性が素材を扱うエリン家代表です。

今日はお時間を取っていただきありがとうございます。今日はこちらに大規模な開発計画があるとかで商人としましてはおこぼれに与ろうと参った次第です。

単刀直入に如何でしょう?参入を認めて頂けますか?」


「別に入るのは構わないけど何売るの?売れると思ってるの?」


「これはこれは我らも舐められたものですな他の商家と力を合わせればいくらでも商品を運び込む事は可能ですぞ。それに貴族様がこちらに来た際には納得できるものを提供出来ますぞ」


「貴族ね〜あいつら基本口だけで見る目も無いだろう。イメージダウンするくらいならいらないんだよね〜」


「なんという傲慢な!?」


「それじゃあほれこれをどっちが何か当ててみな」


そう言うと懐から二本の下級回復薬を出した。

四人は見比べて最後は専門家の薬商ウルト家の男に渡った。

ウルトは栓を開け舐め比べて判断を述べ一本は下級回復薬、一本は中級回復薬と判定を下した。


正解は一般的に売られている下級回復薬とマーサ製作の下級回復薬だったのだが作る者の練度が違うと同じ物でも効果が変わってしまうのだった。そんなわけで本物の中級回復薬を出して確かめさせるとウルトの顔が青ざめた。次にイシスの前に二本の鉄の剣を置いてやる。

こちらもすぐにこちらの意図に気づいたようで二本を見比べていく。

こちらも違いがわかったようで顔付きが変わった。


「ここの職人に素材渡すとさ〜極限まで効果を高めてくれるんだよ。最近弟子もとって鍛えてるしさ〜量産体制さえ取れれば馬の要らない荷車とかに積めば護衛も付けずに運べるしさ〜どうなるだろうね?竜車にしても一匹で馬の倍は運べるからね。その辺りはまだノウハウ持って無いし人も足りないんだけどね。それでは私はこれで失礼しますね」


後の事はエルスに目で合図を送り任せる事にした。


あまり追い込みすぎても痛手を負うといけないから逃げ道ぐらい用意しておかないと、あの人達商魂逞しいから何かしら絡める方法模索して関わって来そうだしね。

これで貴族の名前使って圧力をかけるようなら物理的に立ち直れないようにしてあげればいいだけだし…


さあ今日の予定と行きますか。

まずは獣人の里に必要な物資を届けて昨日の盛り上がりで弟子を取らす事になりそうだから送りがてら連れてきて陸路の輸送路と海運用の船欲しいって言ってたのを検討して、飲んだ席の話だったけど研修受け入れ良いのか確認だけしておこうか。


装甲車の魔石ウォータージェット推進は約15ノット時速にして30km弱だから1時間半でつけちゃうしすぐに用事が済んじゃうかな?

自転車にリヤカー付け、獣人の里で急を要する必要な物を買い漁りに行っていたボルト達が戻ってきた。ゴルド宅から剝ぎ取りナイフなどの余ってる武器を提供してもらい、マーサのところでも調合初期セットや器などの入れ物を貰ってきたようだ。


なんだかんだみんな気前が良いよね。どんどんリヤカーごと装甲車に突っ込んで出発準備完了。


こんな様子をさっきからバレバレで覗いている集団が居るけど気にしない。


みんな結局また屋根の上で良いみたいでゴルドが急遽簡易座席を取り付けてくれて獣人の里に出発進行!

道を走り海岸にたどり着きそのまま海へGO!


砂浜には唖然とした顔の男女がしばらく固まっていたそうだ。


時間が経つのは早いもので賑やかな旅はあっという間にたどり着き、獣人の里に到着した。

上陸してから荷物を降ろし後は獣人さんにお任せで、修行するやつを連れて帰るのに待つだけである。

若いのを二人づつ選ぶそうで先の6人は開発計画の責任者になっちゃうらしい。

当面は船の操縦訓練と街道整備を進めていくそうだ。

あまりやることも無かったので弟子達を乗せたらすぐにトンボ帰りで弟子を渡せば任務終了。


自由時間が手に入るかな?



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