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75移住完了と帰宅

移動旅は巨大鍋による炊き出し形式で干し肉を出汁にして、里から持ち寄った野菜を混ぜ、そこにさらに巨大魚を解体して提供して食べ応えのあるスープに仕立てて大人数に対応する形でお願いした。これなら警備や病人の介護も交代で行えるので、いつしか空き時間で年配者や引退戦士による若者達への旅講座と鍛錬が始まっていた。

怪我人も毎日のケアで徐々に減ってきて機動力が上がるので、思った以上に移動距離を稼げて、壊滅した村跡を休憩地として活用し案内看板も立てながら順調に進んでいた。

また暇つぶしにボウガンや連弩も制作していたのでそれの利用法を訓練の一環として防御陣地の弾幕活用などいろいろ白熱した議論を行っていた。

年配者も自分達がまだ役に立てるのが見えてきて若いもんにはまだまだ負けられんと気勢を上げていて、休憩地に着くと真っ先に連弩組み立てで周りに展開してボウガンや自分達の作った弓で警備について交代で食事をとったりこちらが何もしなくても率先して動く姿は若者の見本になり、この群れ全体でいい方に向かっているのがよくわかる。


たまに猿が襲撃に来ていたがそれも自分達で見事に撃退。しかも若いのにベテランが付いて追撃に入り戦闘を慣らしていた。ケント達もたまに若いのを連れて猿攻略させたり、今後獣人達だけで成り立ちそうで、自分達の種族特性を生かした連携が自然に生まれてきており、種族対立は起こらずに済みそうだ。


そんな感じで数日、食料は各戦闘グループが狩りの競争を始めたことで、だいぶ提供され出す様になり、ますます豪華な食事になっていくのが楽しいらしくより自立化が進んでいた。そしていよいよ初めに救助に駆けつけた上陸地に到着した。

海に面し崖の上ですぐに下の平地に降りることもでき、北は山岳森林地帯、西に魔の森に続く森が繋がっている。


ここが目的地である事を告げると歓声が巻き起こり、森があり崖があり谷があり小さいながら川も何本かある環境は各種族どうやらこの土地が予想以上の場所で気に入った様だ。


「ケント殿思ったより良い場所紹介してくれてありがとう。ここなら皆満足するだろう。ほれもう横穴を掘り始めているしあっちの木の上には櫓を作ろうとしておる。皆楽しそうだぞ」


「これなら下手に手伝わない方が良さそうだな。そうだ!これを渡しておくよ」


そう言ってバックからルアー釣りセットという名のただ単に板にアーネの糸を巻きつけルアーをつけただけの簡単な釣りセットを5つ渡した。

レオと数人を波打際まで誘って使い方を実演。

糸が巻かれてない面を海に向け、ある程度解いてゆとりを持たせたルアーを大海原に全力投球!糸はルアーに引かれ次々と出て行きルアーが着水と共に出るのを止めた。端は板に穴を開けて結びつけているので200m全部出ることは無いが万が一を考えた単純な物にしておいた。

それで次に糸のたるみを取りながら板に再び巻きつけての手釣りを披露した。

ツンツンツー!ルアーの反応を手で確かめながら糸を手繰り寄せ板に巻きつけの繰り返し。

まだまだこの辺りはスレてないので一投目からアタリが出て見事に30cm程の鯖っぽいものが釣れた。

それを見ていたレオは…

さすが猫科、魚が好きなんだね、よだれが垂れてる。


レオはさっそく毒味と称して丸かじりして一緒に来た奴らにルアーを投げさせてやらせてるから、レオに今後必要そうなものは無いか確認をとってそのまま装甲車で水上航行して帰ることにした。


「ひふほうあほほは?」


口の中めいいっぱいに詰め、喋るから何を言ってるのかわからない。初めに持ったイメージがだいぶ崩壊したがお口をモグモグしながら考える姿はなぜか可愛く感じてしまった。相手おっさんなのに…俺おかしくなったかな?


そんな心の葛藤で悩んでいるのなんか御構い無しにレオは数人クレセントを見学させたいとなった。しかもそのうち何人かをしばらく生活させて欲しいとなった。

同じ様に一から出来た村に何が必要かを学ばせたいのだろうな。

そういう事なら人選は任せて集まり次第出発かな?


レオはそばにいた者に指示を出すとまたムシャムシャ丸かじりを始めていた。

もうここに居てどうにもならないだろう。水陸両用装甲車を海に出やすい位置に準備をして、鍋や器、連弩などを出して近くの人に預け運んで貰った。


そして向こうから何人かが集まってきて、中には数人知った顔があるがこれはもしやこの人達が来るのかな?

ロバートを先頭にイリスと後は年配の熊さんとカバさんイタチさんとネズミさんが付いてくる様だ。

これだけ乗ると若干狭いが距離も飛ばせば1日かからないから急ぐとしましょう。


今回の旅の操縦はずっと俺が勤めて全力走行でどのくらい掛かるか測定するつもりである。ゴルドが言うには魔石ウォータージェット推進で15ノット程だというので時速にすれば30kmくらいは動けると思う。いざとなれば海路で繋がる事になるだろうし、距離的にはそんなに無いから小型船でも行き来が出来そうである。


みんなは屋根に乗って海岸線を見学しながらワイワイとやってるので中は静かで一人ノンビリである。

うちの3人は釣りのレクチャーに引っ張り出されているので、トローリング形式で交代で魚釣りを楽しんでいる様だ。

そうこうしてるうちに見覚えのある砂浜が見えてきた。また少し建物が増えた様に見えるし歩いている人も増えていた。

時間にして1時間半くらいだったので海移動なら45km程の距離があった事になるのかな?

これが平坦な陸路なら2日の行程?でも実際は道を切り開いても4日でつけばって距離になるのかな?もっとかかる?

そこは今後の課題かな?

さて考え事はこの辺りにしてこのまま砂浜から上陸してそのまま家に向かうとしよう。

こいつに乗ってれば挨拶しなくてもみんな集まってくるかな?

テルト達も乗ってるし挨拶もしてくれるだろう。


知らない顔もいるからすぐに話し合いの席を設けるだろうし早く終わらせてのんびり休みをもちたいな〜

おや?村長宅から出て来た連中なんか雰囲気が怪しいな……

1…2…3…4…4グループか?

ならず者の様な連中が馬車を固めてる…これはちょっと変な連中が来始めたかな?

警戒するに越した事は無いな…この乗り物の上には獣人が乗ってるしこれを欲しそうな目で見ている奴もいる…いずれ接触してくるか?

客人は三日月亭本館から出ないか誰か護衛になって貰うとするかな。


考えも纏まりがつきそうな頃慣れ親しんだ建物が見えてきた。建物の前に横付けし屋根の上から「ただいま〜」の声で中から人がいっぱい出てくるのだった。






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