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6覚醒

う〜ん。徐々に意識が覚醒してきた。


妙に体が安らいでいるのを感じる。しかも高級羽毛布団にでも包まれているような柔らかな温もりが心地よい。


…柔らかな温もり?


ガバッ


まるで仕事に遅刻しそうな時のように機敏に体を跳ねあげた。

しかしそこは長年住んだ自分の部屋ではなく、薄暗い洞窟のような場所…ここは…?


「目が覚めた?ごめん。貴方美味しいから夢中で吸いすぎちゃった」


ハッとして声のした方に振り向く。そこには裸の美少女が横たわっていた。まるで絵画の中から出てきたような美しさを醸し出していたが…髪がボサボサだ…いや違うだろ普通目が行くのは双丘やもっと下の渓谷だろう。と自分にツッコミを入れながら職業病の恐ろしさを実感した。


しかし髪に目がいったおかげで不自然な点に目がいった。

そう髪の中から自分の常識にはない物がピコピコ動いていた。

犬より大きくピンととがった三角形で金をベースにしつつ先端は黒く縁取りされてるようで内側に白い毛が生えていた。

視線を下に下げると二つの目、片側は金だが反対は銀の目が見つめ返してきた。目線が合うとニッコリ笑顔を向けてくる姿を見せられては腕が勝手に動き、抱きしめてしまった。「きゃっ」と少女も声を上げるがすぐ抱きしめてきた。


よかった。

早まった事をしたかと思ったが無用の心配だったようだ。いきなり生死の境を彷徨ってもおかしくない事を体験した後の人の温もりというのは癒される。特にこの胸に感じる柔らかさが直接肌で触れ合ってるような…って直接じゃないか!なんで俺は裸なんだ!?少女の大きくはないが決して小さくもない双丘が俺の胸で直接潰されている。そんな事を考えたら体の一部が変化してしまった。

しかもそこはふわふわ柔らかい物の感触がある。

視線を向けると「尻尾?」金をベースにしながら先端は黒く境目に白をあしらったフッサフサの尻尾がそこにはあった。俺の意識が尻尾に向いたことに反応したのか尻尾が左右に動き始めた。


あっダメ!

今その動きをされたら………引き金が引かれ何かが宙を飛んで行った…


男として何かを失ったような気がした。

少女はそんな事を気にすることもなくいろいろ教えてくれた。少女はテルワート。狐人族の特異者。失われつつあった先祖の有力な力を身に宿して生まれた子。過去の戦争でその力を使うために人体改造され、終わった後はその力を恐れられこの地に長い事封印されたようだ。

あのキスは失われた魔力を俺から精気を吸って回復させたらしい。どうも俺の精気はこの世界には存在しない力を持ってるらしい…確かにこの世界の人間じゃないけどさ…まあいいやそんな事はそんで俺の精気はテルワートの中の封印も解いていってるらしい。今は3割解放できたようだ。このまま定期的に俺から精気を吸わせて欲しいとかお願いされちゃって、俺は餌か…だがしかし、こんな美少女からある意味キスのおねだりである!

しばらく彼女に飢えていた俺は迷う事なく即OKを出すのであった。

しかし俺にもメリットがあったようだ。彼女から精気の交換が行われ、俺がこの世界で魔法が使えるように魔力の流れ?というよりは気の流れ?がスムーズになったようである。

意識を集中させるとその場所に力が集まるのがわかる。昔ちょっと習った合気道に感覚が似ている。魔力操作というよりは俺にとっては気の操作が確認しながらできるのはいろいろ都合が良さそうだ。


テルワートと相談し今後活動拠点を設けて魔法を教わりたい事を告げると満面の笑みで賛同された。この娘は俺と一緒に居られるのを真剣に考えてくれて嬉しいとの事らしい。彼女の勧めでまずはこのコングリア王国のステート地方で北部のマチュテア盆地にあるホルドアの街を目指す事を勧められた。小さい村では生活に必要な物がないらしいから大きな町で必要なものを揃える必要があるらしい。ここは歩いて一週間らしくコルテレット聖教やソルジット学院も関与してるので街の規模は大きくいろいろ買い物するにはいいようだ。それにギルドがあるから登録すれば身分証を手に入れる事が出来、この世界で活動するには便利なようだ。

登録さえ済んでしまえば地方の小さい村でも生活は可能なようだ。そのまま大きい街での生活をしないのか聞くと亜人差別があるようでいたくないようだ。その最たる団体がコルテレット聖教で信奉する貴族達が率先して亜人を奴隷にし虐待を行っているようだ。昔からその傾向があったから今でも変わらないだろうとの事だ。それにテルワートにとってはソルジット学院も厄介な存在らしい。きっと見つかればまた捕まり人体実験をされるかもしれないと不安なようだ。


そういう事ならさっさと買い物して戻ってくる事にしよう。

ちなみに1番近いのはここから南に行った大森林にレホの村でホルドアの街の途中にスピリア渓谷にモト集落とネルドの町という中規模な町があるようである。

人口規模で集落、村、町、街と別れるようでちょっとややこしい。食糧事情もあるがレホの村は亜人の村との事で何もわからない俺よりいろいろわかるテルワートに任せる事が出来るため、遠くはなるが一週間分の旅支度をするために一旦レホの村に入る事にした。


という事で早速着替え用意してるとキョトンとして座ってるテルワート。どうしたか聞くと着る服がないから変身して付いてくるとか言い出した。それだと村での交渉が困りそうだ。そういえがミミズの中で拾った装備がいっぱいあったな。テルワートが着れそうなの探し出すか…


ピピッ

テルワート 妖狐 魔導師 xxxx才

84/58/86 C


可能装備ワイシャツ


あの〜眼鏡君勝手にそういう情報出さないで…だがしかし、なかなか有益な情報だった。一箇所気になるところはあるが…まあいい


テルワートに今着れそうなのがこれしかないと渡すと…


グハッ…


えぇ〜〜のぉ〜〜


破壊力抜群であった。



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