54強制修行?
「ケントぉ〜ごめんねぇ〜紹介するわぁ〜彼女は私が戦闘人形になってた頃の戦友でティートルアって言うのぉ〜」
「放ったらかしで済まなかったな。ティートルアだ親しい者はトルアと呼んでおる」
彼女達は昔のソルジット学術国になる前の学者達に戦争を勝ち抜くため、人体改造で力を手に入れた兵士だった。
素質のある者に魔力の元を植え付け許容限度を上げ、今より無尽蔵に魔法を使えるようにと人体改造されたそうだ。
テルトの魔法の才能にそんな過去があったとは思いもしなかった…
しかもその後は国を守る結界の魔力タンクとして封印されていたとはひどい話だ…
もし俺があそこで戦闘してなければあのままテルトの存在はは消えるまで吸われてたってことだよね?
1000年以上も閉じ込められてたなんて…
一方のトルアも封印されたのだが上手く召喚獣を隠していたので、召喚獣の戻るのに合わせて逃げたのだがでた先が神樹に捕まってしまいここからは出れなかったようである。必要なものは出入りできる召喚獣が揃えてくれたそうで不便は無くのんびり過ごせていたそうだ。
でもこの神樹に閉じ込められた事により、神樹はエネルギーを大地から土と水、闇の力を吸い上げて、葉から風、光、熱(火)を吸収し力を蓄えて成長しているようでその恩恵をトルアも受けられていた。
「テルトお前は結界に吸われた分がまだ戻ってなさそうだな。どうする?神樹から補給しとくか?」
「でも私ぃ〜ケントから補給してもらってるからぁ〜まだ平気かなぁ〜」
「ふむ〜確かに今のお前なら彼から魔力を貰えばあの時以上に成長するだろう。
しかし彼は不安定な状態だな。
このままでは中のものが反発しあうのでは無いか?」
「でしょ〜だからここで整えようかと思って連れてきたのよぉ〜私も伸び悩んでるしぃ〜」
「ならばあの眷属の2人も強制的に磨かねばなるまい?今のままでは彼奴らの作り物が出てきた時には苦労するだろう。お前も今のままなら厳しいぞテルト」
「彼奴ら今度は何してるの?」
「魔素溜まりを使っていろんな奴の優れた所を継接ぎにしてとんでもないのを作っておるよ。あれが暴走したら世界が壊れるだろう」
また2人の世界に入って何やら不穏な言葉がチラホラ聞こえてきた。
「なー、アーネまた2人の世界に入ってるがなんか怖い言葉出てきたな。なんかしないと生き残れないらしいぞ」
「私はケント様が生きてくれればいくらでも犠牲になりますが?」
「アーネそれは重いと思うの。ケントはみんな一緒に生きるのが良いと思うの。だから強くなる事は積極的にした方が良いと思うの」
「ほ〜龍の娘はよくわかってるようだな。テルト勝手に始めるぞ」
そう言うとトルアは何やら詠唱を始めた。テルトとの会話で話が付いている様で俺達には説明も無く何かが始まった。
どおやら神樹に集まったエネルギーを濃縮しているようだ。
その集まったエネルギーが球状に変化して漂い始めて、それは様々な色の輝きを放ち、虹色の球体として安定し具現化したようだ。
トルアは虹色球体を操りながら俺の方を向き、右手をかざし何か聞いたことも無い言語を唱え球体を俺に放った。
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
何かが腹の中を抉るように蠢き、食い破り飛び出してきそうな感覚が訪れた。
「「キャァぁぁぁぁ」」
俺への苦痛に連動してアーネとリーブが苦しみだし床にへばり付いて動けなくなっていた。
テルトは何でも無いようだが、トルアのやる事を手伝って何かを制御している様だった。それ以上は俺に観察する余裕すらも無くなっていた。
この激痛はこの後何時間もケントら3人を襲い続け気を失っても球体の力がなくなるまで続くのであった。
ここはどこだ?真っ暗で何も見えないな?頭もぼんやりしていて働かない。
「……………」「……………………………」
向こうから話し声が聞こえる?小声でよく聞こえない。近付けば聞こえるかな?
ここに居ても仕方ないし行ってみるか?
!?
それ以前に体が動かない!?
何でだ?何かくすぐったいような不思議な感覚はある…思考もクリアになってきて体を順に認識しようとすると次第に指先から熱が流れ込んで手の存在が認識でき始めていた。
段々感覚が戻ってきた?
手から始まった感覚は徐々に身体中を巡り頭の方まで届くようになってきた。
何となく明るさがわかる?
次第に目が見えるようになってきた。まるで赤ちゃんが初めて目を開いたときの感覚とでも言うのだろうか?ボンヤリだったが見える景色が鮮明になってきたようだ。
「テルト目が覚めたようだぞ」
「よかった」
バタッ
テルトは声を発するとそのまま倒れこんできた。
「幸せそうに眠りよって、羨ましい奴だな」
テルトは俺の胸の上で眠ってしまったようだ。
「あの〜トルアさんこれはいったい?しかも何でみんな裸?」
「あ〜これはな…」
トルアさんは今までの経緯を教えてくれた。
俺が取り込んでしまったアーネの時の光の玉は結構タチの悪いものだったらしい。
あのまま放っておくと力が暴走してそれこそ魔王と呼んでも差し支えない者になってもおかしくなかったらしい。
それを元々持っていた気の方が強かったからいくらでも抑えが効いたらしいが、リーブ龍のとこでも取り込んでしまい、また洗脳の回路が動きそうになっていた。
それを神樹に蓄えられた魔力を使って、俺の支配権を確立してくれたようだ。
そのためなのかなぜか、みんな裸。
アーネとリーブに至っては涎や鼻水、涙など諸々いろいろな体液垂れ流しで酷い有様になっている。
これは眷属化されていたことで2人にも膨大なエネルギーが流れ込んだ影響でなったようだ。
見方によって恍惚な表情なんだが深くは詮索しないでおこう。
テルトは眷属じゃ無いのかと思ったら伴侶で一心同体なんだそうで簡単に言えば2人よりは深い仲なんだそうだ。
そのため俺の中で暴走しそうなエネルギーを外から制御して同化させてくれたらしい。
氷の魔女がこんなに男に入れ込んでるのが見れるとは長生きするもんだ。なんてトルアが言ってたけど、今なら私もその気持ちがわかるって頬を赤らめて恥じらいながら言っていた。
そもそもなぜトルアまで裸なのか…
わからん
だがしかし、これ以上の詮索をしてはいけないような気がする。
身の危険を感じる前に回避行動に移る事にした。そこで話題を変えてみた。
「トルアさんそれで俺は力が制御されてどうなったんですか?」
「いやぁ〜ん。二人の仲じゃないトルアって呼び捨てにして(ハート)」
う〜ん?これはまた状況に流されてなすがままってやつですか?
「じゃ〜トルア教えてくれるか?みんなにも影響あるのか?」
「貴方の魔法はこの世界に無いものなのだ。それをこの世界の魔法のベースを作ってそこからの発展。複合 魔法としての土台を作った。それがあればいくらでも新魔法を作っても制御が可能で暴走させることもある まいよ。テルトはお前からの供給で安定して上位の魔法を使えるだろう。
私も味見してみたがなかなか濃いのを持ってるよお前は。
それと眷属達は持っている魔玉が成長して失神しただけだ。保有量が増えて中で育つんだ。かなりの快楽だったろうよ。」
「はっ。えっ。…」
あまりにも衝撃的な言葉の数々に絶句してしまい、突拍子も無い質問をしていた。
「貴女は神なのですか?」
「ふわっはっはっは〜人域外にいる自覚はあるが神では無いさ。それならテルトの方がよっぽど神に近いだろうさ。どこで持ってきたのか神の加護を持ってそうだしな。私は過去の賢人が言うにはエルフらしいぞ。
人体改造で作られてるがな」
この世界の歪みを垣間見えた気がした。




