50龍を救いし者?
「なんとあの様にすれば良いのか?」
「ほうこれはなかなか興味深い」
「そんな事までするものなのか!?」
「なるほどこれが人族の繁殖力の強さか」
すでにこっそりどころかあからさまに覗かれれいるのだがテルトもアーネも辞める気がないのか逆に盛り上がってしまっている。
回りにはいつの間にか龍族の皆さんが覗いていたのだが体の大きさからみんなが見えず、それならと人型になって回りを囲われて公開で晒し者になっているのであった。
しかも金龍もスッキリして戻って来たと思ったらそんな状態で興味を持って人型になり覗いたら、今は最前列で食い入る様に見入っている。
俺の精神力はすでにゼロを超えてマイナスに突入である。
もう私お嫁にいけない!!
この場合はお婿?
そんなのはどうでもいい!
人前でこんな事になるなんて…2人が納得するまでモルモットにされるのだった。
ひと段落ついて…
今俺は小屋の隅で体育座りでめそめそしている。地域によっては三角座りっていうらしいけど今俺の心はそれどころではない。
さっきから2人が聞いた情報が編集されてメガネに流れてきてるが読む気も起きないが、なんでも嫁と娘が人間に捕まったらしくて探しても見つからないんだと。それで金龍ショックで不能になって、なんとか種の繁栄にと一族総出で子作りしてたらしいけど後継が生まれなかったんだって。
だから滅びゆくしかないと諦めていたらしいけどいつの間にか洞窟には無理な繁殖行為の影響か奇形の物が増えてしまったが原因を探る気もなかったらしい。
アーネはなんとなく金龍に似た様な感覚を持っており、金龍と嫁の繋がりから自分達の関係に近い物を感じているそうだ。
って事はだ嫁がダンジョンに捕まっているって事か?
それもあり得るか?
ま〜見つけたら助けたいとは思うけど、さっきからテルトが種の保存について講義をしてるよ…
人型になった龍達興味津々だしもうどうでもいいや。
小屋大まで引っ張り出して実践講義って…
俺はこっそり服を着て、奥の通路を進み、外に出て大自然の景色を眺めながら黄昏るのであった。
「ケント殿すまぬな〜おぬしは恩人だ!おかげで立て続けに妾の相手を出来たぞ!もうおぬしはわしの家族だ龍族はお前のためならなんでもするぞ!」
なぜか龍族の信頼をゲットしてしまった。
その代わり俺は何かを失った気がするがな…
え〜いダメだダメだ思考がネガティヴから抜け出せない!
こうなったら開き直ってやる!
こいつら子作りに困ってたんだろ?
それならさっきの広間に集めさせて、徹底的にHENTAIを仕込んでやる!
俺はテルトとアーネを普段の仕返しとばかりに今までしたことも無い様なものをこれでもかってくらいにいろいろやって見本を披露し、2人を失神させる程の荒技もこなした。
龍達は新たな扉を開いた様で今後意思統制のとれた龍達が増えていくのはまだ先の話である。
俺達は龍達と別れて、アーネが見えている金龍と繋がっている糸を辿りある場所に来ていた。ここはタウザンフォールの反対側で位置的に真下に向かうであろう洞窟の中を進んでいた。
これは金龍と縁がある者が繋がっているであろう糸が向かっているところを目指しているのだがまさか真下にたどり着くとは思っていなかった。
ここでアーネのいたところとそっくりな魔法陣が見つかり、迷う事なく起動させるが入った先で分散する事ない様に若干書き換えておいた。
魔法陣から転送された先ではそこはすでに苗床が並んでいる部屋だった。
ただ人ではなく龍、蛇、ワニなどであり、しかもここで産み落とされたのは上の峠にも飛ばせている様だった。
これってどうしようか?
新種も誕生してそれがさらに苗床になってるっぽいぞこれ。しかもすでに管理者が居ないみたいだし、もう機能としては死んでるっぽいなここは。
捕まっているって連中も意識が怪しそうだし困ったねこれ…
まずは勝手に上に飛ばす魔法陣を無効にする事にして、これでこの中の魔物達が外に行く事はない様にし、あとはこの中でおとなしくしててくれるかって事なのだがそうはいかないよな〜破壊するしかないよね。
そうと決まれば拘束の封印切りにハサミで切断。
龍も金龍みたいに飛ぶタイプと4本の足で地面を歩くタイプがいそうだね。
あとは人型サイズの二足歩行しそうなトカゲとか上半身人な蛇とかこれは金龍にその後のケアを任せるしかないな。
一先ずは全員に回復薬を飲ませ体力の回復をさせようとしていると、ここでも虫ダンジョンと同じ様に光る玉が現れた。
しかしこの玉は弱々しく、もう力が尽きかけているようにも見える。
それでも俺に攻撃をしてくるのだが以前取り込んだ時のように逆にこっちが取り込みにかかっていた。
弱っていたから決着はあっという間に着き俺の中で新たに力が巡るような感覚が訪れていた。
さて問題が片付き後は脱出するだけだがここでも虫ダンジョンの時の様に転移陣の魔法陣をテルトに協力を頼み作成し、今回はみんな図体がでかいのでアーネの糸で触れ合ってる状態と同じ扱いにして、行き先はさっきの広間にして予告もなく一気に飛んだのだった。
行った先では龍達が激しかった。種族入り乱れての肉弾バトルを繰り広げていたようだったが突如現れた者達によってみんな目が点に成ってしまった。
ここで1番最初に意識を取り戻したのは意外なところでそこから声が連鎖して広がったが男の俺としては非常に恐ろしいものを垣間見た気がした。
「あなた何をしているのかしら?」
「お父さんこれはどういう事なの?」
真冬の吹雪が暖かく感じるような、まるで温度を感じられない…いや温度の冷え切った言葉が発せられた。
「いやこれは違うんだ」
どこでもありそうな回答が金龍から発せられ、ありきたりな展開が訪れるのだった。
すまん金龍…骨は拾ってやる。
「ケント殿助けていただいたのにお構いもせずこのようなお見苦しいところを申し訳ありません」
金龍のグロードを娘リーブと共に絞めた銀龍のクロワが優雅に対応してくれた。
それでもグロードは顔面ボコボコで後ろで正座させられてるのだが…
どうも300年もメソメソして一族を危機的状況にした事が制裁理由だそうだ。
捕まっていた者はクロワさんがなんとかしてくれると言ってくれた。自分も捕まっていたのにタフな人だよ。
しかも亜人化した者も眷属として面倒みるとか龍族はこの人で持っていたのか?それに爬虫類ダンジョン内に残った魔物も環境破壊しない程度に解放していくそうだ。
金龍はお飾り?
いずれは人と交流を持ちたいとの事だったので、そこは俺が責任を持って引き受ける事になった。
「ここまでしてもらってその恩も返せぬままさらにこのような事まで引き受けていただいてどのようにお返しをしたら良いのか…」
「クロワさんそんな気になさらずに」
「お母さん私が行こうか?お兄ちゃんの事気に入ってるし」
おいおいリーブ何を言ってるのかな?どういう意味なんだそれは?
それもそうねとかクロワさん何考えてるの?
終いには金龍の腕を龍化させて鱗剥ぐとかって…
しかも金龍の悲鳴に喜びの色が見える…。
結局ヘタレな俺は断る事が出来ぬまま恐妻クロワさんに幼女リーブと金龍の鱗を押し付けられるのであった。




