5救いの手?
少々立て込んでいるので週1投稿してます
メキメキメキ、ドシーン!
あれ?巨大ミミズが降ってきて潰されたはずなのに…痛くない?
でも中で激突した時のは痛い…って事は死んではない?
恐る恐る目を開けてみると目の前3cmにとてつもなくでかい物体が…これってもしかして…ギリギリ何かに引っかかって隙間があったって事か…?
ビキビキ
まずい!なんとかしないと。
両手はなんとか動くが足は感覚がない。挟まれてるのかもしれない。しかしこのデカ物どうやってどかすんだ?とりあえずバックあさって見てなんかないかな?おわっ!?また下がってきた。急がないと…一層の事こいつがバックに入ってくれたらこんなに苦労しないでいいのに。
ほへっ!?
入っちまった…なんで?どーなってんの?思わずバックに顔を突っ込んだ。そこには…ジャンボジェットの格納庫かってくらい広大なスペースがあった。
さすがに体は入れないらしい。しかし入ってるものが順番に並んで見やすい。しかも予想外な物が入ってるのに気付いた。あれがあるって事はこっちで修理が叶えば使えるってことだよな?修理できそうな人探してみるか。
ミミズが体の上から退いた事により、砂山から抜け出すことができた。改めて辺りを見回すとミミズが盛大に暴れた後が伺えた。簡単に言うと地形が変わったと思われる後が見て取れた。
このミミズはバックに入った事により名前が解った。『キングランドワーム』ランドワームの上位種らしい。やはり丸呑みした物を中の石で傷つけ体液を流出させたのを吸い取るらしい。きっかけさえあれば魔導の書庫から情報がもらえるのがありがたい。
辺りの様子を考えるとここは初めの場所とは違うようだ。周りには4mほどの木が所々生えていて、岩場の斜面も存在するようだ。
さらに視線を動かしていくと…
石造りの建物が潰れていた…
こりゃ〜まずいだろう…
痛む足を引きづりながら建物のところに辿り着くと、何か魔法陣のような物が石の下で光っていた。気になったので上に崩れた石をバックを手に取り石に手を触れると思っただけでどんどんバックに入っていった。これはある意味掃除機だよな…こんなパワフルな掃除機って言うのも…
新しい使い方を発見した割には気分はドン引き気味である…
気を取り直して現れた魔法陣を観察してみた。
メガネも稼働中魔法陣としか表記がない。これがなんのための魔法陣かもよくわかってない。しかし好奇心が勝ってしまった。
魔法がある世界とはわかっていたが、何重にも円がありそれの内側にミミズが這ったような文字のような物が書かれて光っていた。
しかも俺が近付くと地面にあった円が宙に浮いてくる。
これは害がある物ではないだろうと手を円の中にかざしてみたすると突然体が円の中央に引っ張られ全身入ってしまった。中に入るのは覚悟が出来ていなかったので軽くパニックを起こしてしまい、慌てて出ようとするが足が地面に縫い付けられたように動かなくなってしまった。
ますます焦り足掻いているが魔法陣が動き始めた。
円が輝き文字がグルグル回り始めた。この時にはもう半分諦めモードで「なるようになれ」と逆に開き直り
何が起こるのかとじっくり見る事にした。
魔法陣の中の文字は円より低い輝きを放っていたが回り始めて文字の回転が一定の基準に達したのか回転しながら文字が輝き始めた。段階的に文字の輝きが一列済むとまた内側の隣の列とだんだんと中央に向かっていった。そして中央の最後の一文字が輝くと魔法陣は一際激しい輝きを放ち、俺の視覚聴覚は閉ざされてしまった。
どれくらい経っただろう。10分は経ってるように感じた。視覚聴覚がやっと回復し始めた。しかし感覚がなんとなくおかしい立っていたはずなのに横になっているように感じる。
意識がはっきりしてくるとやはり俺はうつ伏せに倒れていた。そして目の前にはなぜか鎖に繋がれた狐がいた。中型犬くらいの大きさでちょこんと座ってこっちを見ていた。目はまん丸で爛々と輝かせ興味深そうに見ている感じが伝わってくる。
「どうしたんだお前?悪い奴に捕まっちまったのか?」
こくんっ
狐が頷いた。言葉がわかるようだ。
「この鎖を切ればいいのか?」
こくんっ
ここで会ったのも何かの縁だろう助けてやるとするか。
怖がらせないようにゆっくり近づいてみる。特に警戒するそぶりも見せずに狐はおとなしく待っていた。
そして鎖を手にする。小指の太さくらいある鎖に何かの紋様が書かれた金属製の首輪がついていた。鎖の先はやはり何かの紋様が書かれたプレートが岩の壁に打ち込まれていた。
鎖を断ち切ろうとミミズの中で拾った剣などを叩きつけるが傷一つ付いた様子がない。いろいろ試すが全く歯が立たない。狐も少し寂しそうな表情だ。
万策尽きて諦めかけたその時メガネが俺のハサミを推薦してきた。
このメガネもついに寿命かと考えているとなぜか勝手に装備させられてしまった。「こいつ洗脳できるんじゃないか?」なんて考えているがメガネからの反応はなかった。
仕方なく俺の仕事用ハサミが鎖に近づき二つの刃が一旦離れ抱き合うようにお互いを求め合わさっていった。
「サクッ」
「チャリーン」
ハサミの軽快な音と金属が落ちて地面とキスする音が響き渡った。
やった本人が1番唖然としてる…狐はこのくらいできるだろうみたいな顔してたし鎖が取れた事により思い切り背筋を伸ばしていた。
どうせならと鎖が切れたなら首輪も切れるだろうと首筋と首輪の間に二つの刃の内静刃をねじ込んだ。奥まで入ったのを確認するとまたサクッと音がしたと思うと狐を中心に魔法陣が現れた。
魔法陣は輝きを増し狐を光の玉で包みこみ、次第に光を大きくしていった。そして「パリン」と音を立てて崩壊すると光の玉は人の形を取り始め、そして俺の上に落ちてきた。
グヘっ
いろいろ無自覚な攻撃にさらされ苦痛の声を上げたいところだが目の前10cmに美少女がそこにいた。ボサボサな髪ではあったがその隙間から覗く顔はどこか人形のような均整の取れた美しいものだった。
美少女は俺を見つめ下ろしていた。それは次第に距離を近づけ、いつしか鼻が触れ合う距離に達すると、一気に距離を詰め唇を押し当ててきた。しかも触れ合うだけでなく口内を蹂躙する激しいものだった。
俺もいつしか少女を抱きしめ、時間を忘れ流れに身を任せていた。
どのくらい抱きしめていたのだろう?少女はゆっくりと身を起こしていった。
別れおしそうに二人を繋ぐ輝く糸が伸びていったが少女の身が起きると優しい笑顔を浮かべ微笑んでいた
俺は気が緩んだのかどっと疲れが出てきたのか、少女が俺の上に馬乗りのまま意識が遠のいていった。このまま別れるのは嫌と必死に意識の糸を手繰り寄せるが途中で切れて少女の柔らかい温もりを感じながら落ちた。
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