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19レホの村(3)

宿に帰り布団に直行した俺は何やら準備を始めているテルトに尋ねてみた。


「テルトは何するの?」


「ちょっとスキルの実験とケントの能力検証ね」


「俺の!?」


「そうよぉ〜ケントのスキル面白いの持ってるじゃない〜それを試させて欲しいんだ〜」


なんと俺の実験ですか…

のんびり転がりながらテルトのやる事見ようと思ったのにこき使われるらしいですよ俺…


なんでも他に応用が効きそうなスキル名があるんだって。それでバックの中身の整理にも使えるし実験させて欲しいんそうだ。


そのために薬草から実験を進めたいらしく、それなら今後にも関わるだろうからと無闇にやるよりは予想がつく人の指示でやってみるのも面白いなとなり、テルトの実験に付き合う事になった。


「よしそれじゃ〜始めよう何から始めたらいい?」


テルトがまず用意したのが回復薬で使った空き瓶と、さっき買った小瓶それに大量の薬草を出してきた。

そこの上に俺の手を取り誘導していく。

目を閉ざされ、薬草が合わさり液体が小瓶に集まるようにイメージさせられた。

すると俺の手から何かが出てきた。

慌てて目を開けるとそこには光り輝く両手から光が薬草に降り注ぎ薬草が変化を始めた。

それは次第に集まり、いつしか液体に変わりどういうわけか小瓶に集まり緑色の液体に変わっていた。


鑑定結果が下級回復薬となっていた。

うそ〜これ俺が作ったの!?それにしても色がまずそうだ。不味いもう一杯とか言わないといけないのだろうか?

そんな昔のcmを思いながらテルトがバックから回復液を出してきた。

パッケージは髪の補修剤なんだけどね…これとさっきの小瓶を置いてもう一度同じ事をさせられた。

すると今度は上級回復薬なんてのが出来た…これ本当に飲めるのか!?飲み物じゃないの混ざってるぞ!?


そんな心の葛藤を無視して今度は毒消し草から解毒薬を作らされた。


どうやら調合師のような事が出来るらしい…それならとメガネにバックの中身を検索させて、調合に使えそうな物をピックアップしてもらい試してみる事にした。


これとこれと〜これもか?あとこれか?いやこれこの間使い切っただろう?なんで中身が戻ってるんだ?

まあいいや空になったはずのパーマ液が半分戻ってたって気にしちゃいけない。忘れてたって事にしよう。

深く考えてたら身が持たない様な気がする。


メガネが指定した組み合わせのもの同士を並べて先程と同じ様に意識を向け混ぜ合わせる様にイメージをして行った。


それで出来たのが麻痺薬に猛毒薬…いや〜いいのかなこれ持っていて…使い道あるのかな?しばらくはカバンの肥やしになっといてもらうか…使うのが怖い気がするから…


「ケントぉ〜次これお願〜ぃ」


テルトに言われて振り向くと時空バックという名の普通の大型カバンから次々と並べられていく物たち。

そして用意されているのは大量の石…


「何するのこれ…?」


「今と同じようにして欲しいんだぁ〜」


ま〜俺にできるならやってみますか〜

再び石に手をかざし気を送ってみると…石が溶けた…それが一つに纏まり鈍い銀色のような輝きを放っている。

『鉄』

細かい石と鉄に分かれたようだ…インゴットってやつになるのか?普通溶鉱炉とかに入れてやりませんかこれ?

なんでこんな事を俺できるんだよ!?

悩んでいる暇も与えてもらえず次の指示がテルトから飛んできた。


「はい次これね」


はいはい考えるのはやめよう…出されたのを流れ作業のようにこなせば良いだけだきっと。考えたら負けだ。


『鋼』『真銀』『白金』『金剛鉄』


あはは。あはははは。

なんかすごいのでちゃったな…これどうすれば良いんだ?

明日ゴルドに相談でもするか…


「ね〜ね〜もう一個実験いい?」


「なっ何!?今度は何をさせるんだい?ここまで来たらもう驚かないよ。自分がこんな事出来るなんて…」


「それじゃ〜これとこれとこれも使って良い?それで指輪をイメージしてやって欲しいんだけど…」


真銀と白金それに魔玉か〜これで指輪って左手薬指へのおねだりか!?

う〜む…それもアリだな。

もう一緒に居るのが当たり前に感じるしな〜元の時代に帰っても帰らなくても良くなってきてるし、いざとなれば付いてくるって言ってたし…

よしテルトには伝えなくても俺の気持ちはそのつもりで作ろう。

そうなると真銀に白金の合金でベースを作って宝石代わりに魔玉のイメージでやってみるか…まだどうなるかわからないしね。


さて始めよう。

まずはテルトの左手薬指をイメージしてそこにはまるサイズの輪を想像してそこに宝石代わりの魔玉を配置してと…

掌から先程までとは桁外れの力が放出されてるのがわかる…でも手応えはある。

このままで大丈夫だきっと…このままイメージを思い浮かべ浮かんできた絵に沿って力を流してと…


から〜ん


テーブル上には少しサイズの小さくなったインゴットと魔玉それにシルバーに輝く指輪に真ん中に大きく輝く琥珀色のような魔玉に周りに細かいのが埋め込まれた指輪が現れた。


「やった〜成功したよぉ〜多分ケントの練気合成と練気創生ってスキルのおかげだよ〜」


「へ〜そうなんだ〜俺のスキルにこんな使い方があったんだな〜それじゃ〜テルトの手を出して」


俺はテルトの左手を取り薬指に指輪をはめてみた。


「調べてくれたお礼ね」


「やった〜ありがとう」


『魔導の指輪』術者の魔法に様々な支援をもたらす。威力増強、使用量削減、魔力増大、???

この性能なら魔法メインの娘が使う方がいいでしょう?何やら伏字もあるのだが大丈夫だよね?

武器が無くて心配だったけどこれなら良いよね?邪魔にもならなそうだしね。


でも慣れないことは疲れるね。これはちょっと寝させてもらわないと…


「テルトごめんねちょっと疲れた…このまま寝るね…」


ちゃんと伝わったかも確認せずに俺はベットに倒れ込み眠りに落ちた…


ブクマありがとうございます

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