18レホの村(2)
書き溜めできたので出してみました
「ほら動きが雑になってきたぞ!一つ一つ丁寧にやれ」
「やればいいってもんじゃないんだよ!一回一回実践を想定して動きな」
甘かった…そりゃそうかいきなり教わってできるわけないよね…
それにしてもこの二人意外とスパルタだぞ!?
軽い気持ちで覚えようなんて思ったけど…こりゃきついや〜
「ほら雑念が入ってるぞ!」
それにしてもこの二人、門番で入口に歩哨で立ってるけどそもそもこの村、秘境探索や神樹への中継地点として発展してきただけだからほとんど人が動かない。あっても朝と夕方に冒険者が帰ってくるだけ。
だからそれ以外の時間は比較的暇らしい。
そんなところに餌を与えてしまった俺に二人はイキイキとして槍と剣の扱いの基礎を教えてくれている。
「ほら次は対人でやるぞほらこの木の棒で打ち込んでこい」
そう言いながらジャックは同じ長さの木の棒を持ち俺との間合いを取った。
一見隙だらけに見えるのだが安易に打ち込もうとすると武器が鞭のようにしなって襲ってきた。
その都度身体中に痣ができていった。回復薬も早々に切れ先ほどから治癒を試みているが治る側から新しい傷が増え、動く度に体が悲鳴をあげ筋肉が限界を訴えてきた。
そのおかげなのかだんだんと余計な力が抜けてきて自然な形に近づいてきたようだ。
スパルタだったが思ったより早く形が見えてきて、槍の基本動作、突く、払う、斬るが身についてきた。
もともと合気道で体幹がある程度鍛えられてたのが大きそうだ。槍は合気道の護身術と合わさって防御としてはかなりたちまわれそうである。だがまだまだ攻撃主体には回れそうになさそうだ。
「休んでる暇ないよ槍の次は剣だよ!早く木刀持ちな」
人格変わってませんかシャロルさん?
ジャックからの攻撃を槍で受け続けダメージを受けなくなった途端乱入して来て、俺に普通の長さの木刀シャロルは半分の長さの木刀二本を持って振り回してきた。
今までは間合いがあり長柄の武器という事もあり落ち着いて対処出来ていたのだが近距離からの二本の木刀により手数勝負で仕掛けてきた。
一発一発は軽く対して威力もないのだが手数の多さで捌ききれない。
あっという間に体に傷が増えていき先ほど以上に回復が追いつかなくなってきた。
早い!見えない!意識の外からも飛んでくる!
もっと視野を外に向けなくては…
クッグハッ
目で捉えられないなら感じるしかないのか?
意識を広げて俺の周りを囲うように広げて…見えた!?グハッ見えても迎撃できない!
もっと動きをコンパクトに…最短距離で…カン!カン!ボコ!
く〜良くはなってるが続かない…そもそも相手の間合いでやっちゃだめだよな自分の間合いでやらないと…
おりゃ〜大きく渾身の一撃を入れたことによりやっと間合いが取れた。
「ほ〜だいぶ動きが良くなったな。今日はここまでだな。ゆっくり体を休めるといい」
「そこまでできたらあとは実戦で磨けば成長も早いだろう」
「ジャックさんシャロルさんありがとう。体の動かし方が解った気がします。また何かあったらお願いします」
朝から始まった稽古は昼も食べずに夕方に近くまで行われた。これから冒険者が戻ってくる時間で二人は門番の仕事に戻った。
「テルトごめんね〜予想外にはまって長くなっちゃった」
「大丈夫よぉ〜ケントの動き見てるのも面白いしぃ〜この板見てるのも飽きなかったわぁ〜」
そう前から興味を持っていたタブレットを渡しておいていろいろな知識を検索しておいてもらったのだ。おかげでこの世界の知識が眼鏡越しに情報を提供する量が増えたようだ。
しかも魔法研究のアドバイスもされるようでテルトが自分で使う魔法の効率や威力増強などを調べていたようだ。
素材集めの時の実験という名のストレス発散がまた凄いことになりそうだ…
さてとこのあとどうしようか?まだちょっと時間があるからさっき使い切っちゃった回復薬でも補充しないといけないけどゴルドにも会いに行かないといけないんだよな〜テルトに相談でもしてみるかな?
「あのさ〜この後なんだけどさ〜回復薬補充とゴルドに会うくらいなんだけどさ〜テルトは何か用事ある?」
「それならぁ〜門の側で薬草探ししよぉ〜よぉ〜ちょっと試したいことあるんだ〜」
試したい事ってなんだろうね?
まだ日が落ちるまでは結構時間あるしちょうどいいのかな?それじゃ〜行くとするか
「おいおいあれだけやって外行くのか?命知らずだな」
「本当ね〜もっとキツくすればよかったかしら?」
「ちょっと〜ケントを壊さないでよぉ〜私が薬草探しする見張りだけよぉ〜」
「動くのやっとで治療に使う薬草探してくれるっていうので魔物来ないか警戒するだけですよ」
さすがに二人もやり過ぎたと思っていたのか薬草が取れやすい場所を教えてくれた。そこは門から近く見える範囲でいざとなれば二人も駆けつけてくれる距離の場所だった。
奥にはもっと取りやすい場所もあるようだが体調が万全じゃない俺が居るならそこにしとけと言われた。
そりゃそうだよね知人が無理して傷付くのはみんな見たくないだろうしね。おとなしく従ってその辺で取るとしますか。
あっあった。ここにもあった。
へ〜意外といっぱいあるもんだね。邪魔になるもんじゃないし集めておきますか。
ふぅ〜だいぶ集まったな。テルトも黙々と集めてるし、そろそろいい時間だから村に帰るか。
「テルト〜だいぶ集まったしそろそろ帰ろうか?」
「はぁ〜い」
と言っても門のすぐ側だからすぐに入れてしまうのだが、門のところでジャックとシャロルに今日はおとなしく休んどけと言われてしまった。
ゴルドのところに行く予定だったけど今日はいいか?テルトの試したい事を優先するとしようか。
「テルト試したいことってのは宿で出来るのかい?」
「うん小瓶を仕入れてくれれば宿で大丈夫よ」
「よしそれなら雑貨屋で瓶買って宿に行こう。もう体を休めてもいいか?」
「いいわよぉ〜」
こうして雑貨屋で瓶を10本ほど購入して宿に戻って俺はベットに直行させてもらうのであった。
名前考えるのがちょっと苦手
貴族名、魔法名などアイデア募集中です
基本ステータス無しですが必要でしょうか?
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