13厄介ごと?
週一のんびり投稿お待たせしてすいません
ギルドカードの登録も終わって後は換金待ちだけなのだが随分と時間が掛かっているようだ。マップを見ると解体場に灰色表記の点が集まっている。このギルド内に居た灰色の点もかなり解体場に向かっているようだ。
灰色の点は俺たちに関係が無い普通の人達。
敵は赤、テルトは青で名前入り表記。今の所はこの3色が探知できる能力みたいだ。
ドカドカドカたったったった
なんだろう誰か慌てて二階に上がっていったな。
んっもう降りてきて誰か連れてきたな?解体場に向かってる!?
なんか嫌な予感…
まあ仕方ないか?なんにしてもここで買い物予定だが換金して金が入らないことには何もできないし、レホの村戻って自転車の改造を頼みに行かないといけないしな。
何か面倒ごとが起きても事を荒立たせずに済ませるに限るよな?
10分後…受付の可愛い姉ちゃんが奥に呼ばれていったな…
そろそろ換金の結果が出たかな?でも二階に上がっていったんだよな?
お偉いさんに呼び出し食ったか?
たったったった
おっ?降りてきた。早かったが手ぶらだ…なんか勘違いしそうなセリフだよな〜手ぶらだったんだよ。大事じゃ無いけど二度言っとくよ。
暇すぎて1人ボケ1人ツッコミになってきたぞ。
精神衛生上あまり良く無いな〜
「ケントさんお待たせしました。詳細説明のため奥の部屋にお願いします」
「はいよ〜テルト行こうか」
受付嬢の案内で二階に上がった奥の部屋に案内された。
コンコン
「入れ」
「失礼します。ケントさんをお連れしました」
「ご苦労。下がっていいぞ」
俺たちが部屋に入ると大きな机に向かったインテリっぽいメガネ姿のお姉さんがそう声をかけ受付嬢は帰っていった。
「時間を取らせてすまないな。私はこの地区のギルドを束ねるスルピーノと言うものだ。単刀直入に聞こう。あの双頭犬を2人で倒したのか?それとあのキングランドワームはどうしたんだ?」
「私が説明をしていいかしらぁ〜私が会って助けられた時、この人記憶喪失だったのよぉ〜
私が会った時でワームは持っていたみたいで、助けてくれて村まで連れて行ってくれたから、ワーム倒せるくらいなら冒険者になってみたらって言ってここまで連れてきてあげたのぉ〜」
「そうか記憶喪失か…」
そう言うとスルピーノさんは考え込んでしまった。
「それにしばらくはレホの村を気に入ったみたいで、そこを拠点にするつもりみたいよ。ね〜ケントぉ〜」
「ああ。何か思い出せそうなんでな」
「そうか…仕方ないか…実は腕を見込んで猟団に勧誘しようと思ったのだが、レホの村では私の管轄を超えてしまう。残念だが今回は諦めよう。しかし今王都は官僚や貴族の腐敗で騎士団が討伐に出ないので魔獣が増えている。ギルドとしても尻拭いに使われるから腕の立つ者を欲している。興味が出たら力を貸して欲しい。」
スルピーノさんはそう言うと深々とお辞儀をしてきた。
「ああわかった。今の俺はろくな装備すら無いし魔法も思い出し中なんだ。今のままでは足手纏いにしかならんだろう。もう少し記憶が戻ったら頼むとしよう」
「本当か!?その時は是非に我が猟団にお迎えするぞ」
スルピーノさんはそう言うと席を立ち上がり俺の手を取り激しく上下に振っていた。
「ケントの装備買うのに換金待ちなんですけどぉ〜」
こっちはこっちで不貞腐れたような態度でつぶやいていた。
そのおかげかスルピーノさんの手が止まり、扉の向こうに声をかけていた。
「すまなかったな。今持ってこさせる。今回は魔獣と上級魔物が入っていたので領主より特別褒賞も出るがそれは後日になってしまう。それにこのサイズなら魔石だけではなく魔玉も出てくるだろう。それも職員が解体中だが明日になってしまうだろう。よって今渡せるのは中、小型の分になってしまうがいいか?明日朝にはその他も渡せると思うぞ?」
ふむ〜さすがにすぐは無理だったか…しかし買い物を済ませたいから、一旦貰って明日にまた来るか。
テルトの方に向くと何も言わずに頷いて来る。俺に任せるって事か?ある程度貰っていろいろ見て回る事にするか。
「ではそれで頼むとしよう」
ガチャ「失礼します」
職員の子がお盆に皮の袋を載せて入ってきてスルピーノさんに袋と羊皮紙って言うの?和紙よりゴワゴワの紙みたいのを渡してた。
「では今回の中、小型種合計48体分が銀貨32枚で食肉業者より鮮度が良いことで希少部位が取れたとのことで銀貨10枚。さらに極小ながら魔石持ちが居たので換金するなら銀貨5枚になるがよろしいか?」
スルピーノさんの説明を受けて魔石も換金し合計4枚の大銀貨7枚の銀貨を受け取った。
明日も来る事を伝え、俺たちはギルドを後にした。
「テルトどっか行きたいところある?」
「ケントぉ〜の行くところならどこでもぉ〜」
どこかご機嫌で腕を絡ませながら大通りを歩いている。ギルドカードを取ったことで奴隷を気にしなくて良いようである。テルトが良いなら気にする必要も無いよね?
「じゃ〜今日の宿とって買い物もしようか?」
超ご機嫌の美女と腕を組んで歩いているので周りの視線が刺さるが、どうせそんなにここにいるわけでも無いので、女の子とのデートというものを堪能させてもらう事にした。
なんといってもこの腕に押し付けられてる柔らかなものを味わうってのは良いもんだよな。
そんな邪な思いを胸に宿の手配と雑貨屋巡り、テルトの服選びと買い物デートを満喫したが、武具は量産品って感じで値段の割には質があまり良くなく、俺たちの装備の更新にはならなかった。
日用品や服の購入で大銀貨が半分以上吹っ飛んだのも影響しているのだが、何も持ち物が無いのだから初期投資でこんなに掛かるとは思わなかった。
明日ギルドに行けばまた少しは貰えるのだが心許ない懐に危機感を覚え、ミミズの中の武具を売る事にして、買い取ってくれそうな店を物色していた。
「お兄さん冒険者かい?どうだい?珍しい物も中古で格安だよ」
そう声をかけられ店をチラ見すると他の店と違う物が並んでいた。
他の店がどちらかと言うと騎士向けな剣を主体にしていたとするとこっちは冒険者向けなのかな?斧やハンマーなど大型の武器が結構あるな。
興味を持ったので覗く事にした。
「手持ちが少ないけど覗くだけでも良いの?」
「冷やかし歓迎さ!貴族連中じゃ寄り付かない店だからね」
「じゃ〜魔物の腹の中に有った武具を鑑定だけでもしてくれる?」
「もちろんだ。売るかどうかは鑑定に納得いったらで構わないぞ」
よしここにしよう。
武具鑑定で量がある事を伝えると奥に案内された。
雑多な店内を進んで奥の作業場の机の上に武具を山積みにしていった。
「おい!これはシュバルツ家の家紋じゃないか!?」
振り向くと武具屋さんが一本の剣を手に取り震えていた。
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