103探索
ナフラツに到着して数日
怪我人の治療に重傷者以外が復活した事により、中級回復薬を量産し元気な騎士達に任せる事が出来、元気な者を中心に城壁修理のお手伝いをする事になったケント達は騎士にリアカーなどを貸し出し運搬させ、自分達は元々の城壁の崩れた石材を集めて一旦街を小型化させてメリス家中心に人々が活動する範囲まで下げた位置で仮の城壁を作っていった。
そのお陰で最終防衛ラインとして少人数でのローテーション守備が可能なレベルまでなり守備隊の負担軽減になり、怪我人の復帰に伴い人的余裕が生まれてきた。
それに合わせてゴルドが嬉々として鍛冶に打ち込み騎士用の剣を作り上げていき、内壁の外、外壁内の放置住宅街の巡回などして生存権の拡大に動き始めて武器が通用する事で狩った魔物を食料に変えたり素材を販売したりで財政状況の持ち出しが無くなるくらいには回り始めていた。
そこでケント達も手が空くようになってきたので空き時間で外壁の外やソウワルガまでの街道沿いに現れる魔獣を中心に討伐を繰り返し治安維持に努めた事でより一層の輸送が始まり、人も装備を揃えた冒険者を中心に集まり始め、空き家の整備や内壁外の放置家屋から必要物資の探索など急ピッチで進んでいた。
その為陣頭指揮をするメリス家の人々には全然会えていないのだが忙しそうでそれどころでは無さそうだ。
至る所からの問い合わせや情報収集など余計な仕事も舞い込んでいるようで騎士達も無理やり上級騎士に格上げされて無茶振りされてるそうだ。
その中で面識のあるアレックス・バトラーがこの間泣き言を言っていたがただ一言頑張れと伝えて逃げて来たのは可哀想なことをしたと思う反面巻き込まれそうで逃げなくてはとの思いの方が強かったかもしれない。
まあその辺の事は本来有事に対処できるように鍛えられているであろう騎士に任せこちらは現場叩き上げで自由にやらせてもらうつもりである。
それはあのカノマトにいた通称マザーにはおそらく今のままでは勝てないだろうとレベル上げをするつもりがあるからである。
それに斥候職が数人偵察をしてきたそうだがカノマトは中心に魔素の噴出を確認しその魔素が触媒になりたくさんの魔物を生み出し、魔物を魔獣に進化させていて、街も崩壊していて迷路のようになりフィードダンジョンと認定されていた。そこで冒険者を中心に旧来使われていたカノマトまでの街道を安全なものにする為に何組かが交代して街道掃除をして、レベルが上がって問題ないグループからカノマト探査許可が下されるようになるそうだ。
まあその第1号は俺たちになってしまうのだけどね…
俺達もレベルに不安が有ったのだけども毎日狩ってるうちに新装備にも慣れて新魔法も覚えてで、冒険者の育成係まで仰せつかって魔獣間引き要員としてさらに戦闘能力を磨く事が出来た。
俺は基本の慣れた薙刀が主武装だけど手首の返しで刃がどちらにでも向けられる蛇突、力任せに横に薙ぎ払う胴薙、を中心に逆噛、心破打、墜剪は普通に使いこなし、脛に仕込まれた脇差で蹴りながら切ったりと近接戦闘になっても問題無いように体術面の強化も図った。
また大剣の扱いも向上でき旋風斬や圧壊、石突砲も砲撃に使うよりは斬撃を飛ばす方向でアレンジ出来気刃という技を多用するようになっていた。
この為大概のものは1人で対処出来るが、それでも3人の成長で連携も十分に取れるし俺いらないくらいの時もある。
まずは遠距離の専門家テルトは氷を高圧力の元、作り上げて魔法なのだが質量兵器としていいとこ取りである。氷礫嵐は礫というがその大きさは石である。これがサンドブラストのようにたくさんの砂を叩きつけるのがこぶし大の石になっているから凶悪である。それを高圧化で作ってるからその強度は桁違いで、当たったところは凍結ダメージ付きと敵にしたくない技だ。
これよりひどいのが氷刃乱舞今度は逆に極限まで薄くしガラスのような透明度の刃が飛び交い、その斬れ味はカミソリのように鋭く強度もあるからいつまでも舞っている。
また氷剣山は氷の剣山が大地や壁面より一斉に細剣のような氷が飛び出し突き刺していき使い方によっては直線上に飛んでいき突き刺さる。
さすがに氷の魔女の呼び名は伊達ではないようだ。最近は氷分野に特化して技を磨いているようだ。
次にアーネは糸系の使い方をより攻撃的にしてきていた。
今までは道具を糸に結びつけて操っていたが糸だけでより一層攻撃性をもたせていた。
まずは斬糸その名の通り斬れる糸を操るので糸縛結界などの技にも応用される
有刺糸鞭バラのような棘をもたせた糸の鞭で絡みつかせてダメージを与えるので拘束技からの発展である。
導血糸これは糸を打ち込んで体内の血液や体液を毛細管現象のように吸い上げ出血を続けさせる継続ダメージ技で洗脳技の糸索人形から派生させたようだ。
最後にリーブだが技を使うというよりは人型でありながら龍の力を出せるようになってきたのが大きな変化だ。完全龍化も出来るのだが部分的に龍化を利用して少ない力で最大の効果をもたらせるようになってきていた。その為ダメージが入りにくくなり防御に回していた分の力を攻撃展開させられるようになっていた。その1つが龍鱗打で殴る蹴るを当たる部分だけ龍化してダメージ増加。それに龍鱗の盾での殴り技も自在にこなせるようになっていた。
それに纏焔牙突という技があるのだが剣に龍のブレスを纏わせ突き技に焔のブレスも乗せるなんて技にも発展させていた。
みんな急に強くなってきているがこれでもマザーを相手にするには少し不安だ。