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魔女さんは思ったより子供たちに酷使されている…
そして魔女さんは子供をなめている
カインが撒き散らしまくった水を一先ず全部拭いた魔女さん
「これで中級魔法を習わせたらどうなるんだろ…はぁ…」
家の外にいるエリスとカインを見てため息が出てしまう…それもその筈、もし中級魔法を覚えさせたらカインは誤って家を水に飲み込ませそうな予感がするからだ…もしカインが炎魔法を覚えていたらそれ以上の悲惨な出来事が起きる…
「くらえ!エリス!」
「やったなー!」
二人は魔法の打ち合いを無邪気にやっている、一応二人にはイージスという魔法攻撃軽減の魔法をかけているので火傷はしない
「二人共、あんまり使いすぎると危ないからね」
魔法は使いすぎると体に影響が出る、影響は頭痛や怠さ等の症状だ
「うん!わかったよ!」
エリスだけが返事を返す…カインは夢中になって魔法を連射している、うん…完全に自分の世界に入っているね…
「カイン?聞こえている、返事は?」
「はーい!」
カインは一瞬こっちを見るがすぐにまたエリスに魔法をかけ始める…
「………エリス、ちょっと来なさい」
エリスの魔法だけを中級にしたらどうなるか?…と思った魔女さんはエリスを呼ぶ
「どうしたの?魔女さん?」
「エリス、君はもう魔法の誤発動はないよね?」
「うん!もうバッチリだよ!」
魔女さんに拳を出してGOODという感じに親指を立てる
「じゃあ君にだけこれから中級魔法を教えるね」
「本当!?やったー!!」
エリスは両手を上げてばんさいをする、いつもよりリアクションが豊富だ…
「中級からは魔法の名前を呼ぶんだ、フレイムってね」
「フレイム?」
「そう、前回と同じでイメージをする…けどもっと大きい火のイメージをするんだ、そして準備が出来たらフレイムって言うんだ」
「やってみる!」
そう言ったエリスはまた眉間にシワを寄せる…
「さて…どうなるかな?」
エリスは筋がいいから、もしかしたら一発で出来るかもしれない…と、いう淡い期待を胸にエリスを見ていると、杖の先が赤くなっているのに気がついた魔女さん
「………?…っ!?イージス!!」
魔女さんは異変に気がつくとすぐに家に軽減の魔法をかける…そのすぐ後
「フレイム!」
エリスの無邪気な声とは裏腹に凄まじい音と同時に炎が飛び出した…
「魔女さん!出来たよ!」
本人はにこにことしているが私がもう少し早く気がつかなかったら家は全焼していたかもしれない…
「うん…偉い、予想以上に凄い出来たね…カインと遊んでおいで」
「うん!」
エリスはカインの元に走って行った…
「ふーっ……」
魔女さんは椅子に座り直しぐったりとする……
さっきの魔法は本当に危なかった…私はさっきのを喰らっても少しくらいしか火傷しないだろう…だが家はイージスをかけてなければ確実に燃えていた…子供だがらといってなめすぎたな…
「魔女さーん!」
ぐったりとしている魔女さんにカインが寄ってくる
「僕にも中級の魔法を教えて!」
「………エリスに教えてもらいな…エリス!ちょっと来て」
「どうしたの?カインが何かしたの?」
「カインが中級魔法を覚えたいって言ってるから教えてあげて」
「うん!わかった!任せて魔女さん!」
「カイン、魔法の名前はウォーターだよ」
「魔法の名前?」
カインは首を傾げながらエリスに連れていかれた
エリスが連れていく道中カインは「やだ!僕魔女さんに教えてもらう!」という声が聞こえて来たのは多分幻聴だ…何かどっと疲れた…
「もう…疲れた…家にあのふたりに自分にイージスかけてたら眠くなってきた…」
少しだけ…少しだけ眠ったらご飯を作ろう…と、考えていた魔女さんだったがそれは叶わなくどっぷり眠ってしまったのであった…
これからもこうして行くのかな…?
どうしよう魔法習得に結構時間がかかる…飽きる前に終わらすべきかどうなのか…?
見てくださった方ありがとうございますq(^-^q)