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魔女さんの暗い過去が少しわかるお話
戻って来るとカインとエリスはわちゃわちゃとさわいでいた
「おかえり!魔女さん!」
「おかえり~!」
さっきの深刻そうな顔は何処へやら…子供以上に物忘れが激しいのか?
「いきなりだが、君達は私が少しの間面倒を見ることにした」
「え!?」
「ぼくたちをおいださないの?」
「ああ、流石に今の状態じゃ外でも生きていけないだろう?」
取り合えず読み書きを教えてから…それから魔法だな…兄さんが改良した魔法なら簡単に唱えられるようになるはず…
「やったー!」
「ありがとー!!魔女さん!」
「そのかわり」
二人の喜びの声が消えこちらを見てくる
「これからは勉強をしてもらうよ、文字や言葉や魔法の勉強を」
大体の子供は、この言葉を聞いたら嫌がってしまうだろう…だか
「ぼくたちにもまほうがとなえられるの!?」
「ほんとうにとなえられるの!?」
「本当さ、だがしっかり勉強して内容を理解しないと魔法は使えない…」
本当は普通の人間でも、初級の魔法くらいなら何とかぎりぎり唱えられる事を知っているのは、私達家族だけ…けど今は私だけ
「ぼく、たくさんべんきょうする!」
エリスは笑いながら言う
「ぼく魔女さんをこえる魔法使いになる!」
カインも笑いながら期待の目で見てくる
「……?でも何で魔女さんこんなにやさしいの?」
「ほんとうだね、みんながいってたのとぜんぜんちがうね」
「……………?…村の人達は私の事を何ていってるんだい?」
二人の話す内容に疑問を覚え何となく聞いてみた
「あのね、みんなはね魔女さんは、人をへいきでころしちゃったり…」
「ぼくたちみたいな人をさらって食べちゃうんだって言ってた」
何とまあ…よくぞここまで嘘を言いふらしている…まあ、私にしてみれば村の人達の方が人を平気で殺しているね
「ねえねえ!魔女さんにはかぞくはいないの?」
カインが無邪気に聞いてくる…何かまたデジャブが…
「いないの?魔女さんにはかぞく?」
エリスもその話に食いついて来た
「その話をしたらもう何も私に聞かない事を約束出来るなら話してあげるよ?」
「うん!ぼくやくそくする!」
カインは元気よく返事をし、エリスは首が千切れんばかりに縦に振る…それを見た魔女さんは苦笑いをする
「私はね、2週間前までは家族四人で暮らしていたんだ…けどね、村の人達が魔女の呪いで干ばつや流行りが起こっていると思い込んで、あらぬ罪でギルドって言う強い人達が集まる所へ言って私達を殺して来るように頼んだんだ…君達村に住んでたんだから少しくらい話聞いているだろう?」
二人の顔を見ると暗い顔をしていた
「うん…お母さんいってた…つよい人が来てもうすぐ魔女をやっつけてくれるって」
「びょうきがやっとなくなるっていってた」
エリスに続いてカインが喋る…村の人達は子供に平気でそう言う事を言っているなんて教育に悪い…
「それですぐその雇った人達は家に来た…そして両親を殺され、兄は深傷をおった…それから1週間後に両親を追うようにして兄さんも亡くなった…これでいいかい?」
他の人にこんな話をしたのは初めてだな…って…何で村の村の子供にこんな話をしたんだろう…
「ごめんなさい…つらいことおもいださせて…」
何故かカインが泣き出す…普通は君が泣くんじゃなくて私が泣くんじゃないのかな?それとも代わりに泣いてくれているのかな?
「魔女さん一人でつらかったんだよね、一人でいてさびしかったんだよね」
「ちょっ!」
エリスが目を潤ませながら抱きついて来た
「これからはひとりじゃないよ!ぼくたちがいるからね!」
「……………子供ってよくわからないボソッ」
「「?」」
「さあ、勉強を始めるよ!目標は一ヶ月で言葉をマスターすること!その後に魔法だ!」
「「おー!!」」
何はともあれ少しだけ距離が縮まったのであった
次回から一ヶ月飛ぶと思います
そして時間を過ぎてしまいすみません…
そろそろ目線のストーリー書いてみようかな?
見てくださった方ありがとうございます!