18
カイン…2度目の失敗…そして黒くなるエリス…
「痛った!」
外からエリスの声が聞こえた…何かがあったのだろうか?
魔女さんは急いで外に出ていくとエリスが腕に怪我をしていた…
「……どうしてそうなったんだい?」
「あ、えっ、えっと…」
腕を押さえているエリスを見ながらカインに聞く…
「カインの魔道具が僕の腕にあたったんだ…」
「ごめんなさい…」
エリスの押さえている手を避けて見る…棒のような形で火傷をしていた…もしもカインに炎の特性があったらもっと悲惨になってただろうに…
「カイン、私に謝るんじゃなくエリスに謝りな」
「ごめんね…エリス…」
カインがエリスに謝る……それを見た魔女さんは、ちょうどいいからカインに回復魔法教えようか…と、思った
「カイン、君がエリスの傷を治しな」
「魔法で傷が直せるの?」
「水属性の魔法ならね、それに特性持ちじゃないと唱えられない…ほら、傷が治るイメージしてみな」
魔女さんは物を投げるようにカインに言った
「イメージしたら、直したい傷に手をかざす…そしてヒールって言ってごらん」
カインにそう言うと、エリスの腕の火傷に手をかざした
「ヒール」
カインがそう言うとエリスの腕にうっすらと小さな魔方陣が浮かび上がり優しい淡い光が火傷を包んだ…
「うん、上出来だね」
「治った!」
光がなくなると火傷も消えていた
「エリス、痛みはある?」
「ううん、なくなった」
エリスはもう大丈夫と言わんばかりに腕をブンブンと振り回す
「カイン、回復魔法の回復量は限度がある…火傷や切り傷なら完全に回復するだろうが、なくなった腕や足とかに回復魔法をかけても足や手は生えてこないからね」
「うん…わかった…」
「それじゃあ最後の魔法の練習をしようか」
魔女さんは二人を見て両手を叩きながら声を上げた
「今日は光魔法と闇魔法の練習だ、エリスは闇、カインは光魔法だよ」
「うん!」
「わかった!」
「っと…その前に…イージス」
魔女さんは魔法を唱えると二人の体は見えない衣に
覆われた
「よーし、じゃあ少し注意…」
「注意?どうして?」
エリスは聞き慣れない注意という言葉を聞き疑問を浮かべる
「光と闇の魔法は初級魔法がないんだ、それにこの2つの魔法は他の魔法と比べると威力が高い…それに身体に影響を与える魔法もあるんだ」
「それってどんな魔法なの?」
「例えば君の闇魔法のドレインという魔法がある…その魔法は一度かけると一定時間相手の体力と精神力を奪っていくとても危険な魔法さ」
「そっか…」
エリスは顔を曇らせて納得する
「僕の魔法は?」
「カインの光魔法は全体的に危ないね…あまり光の威力を強めると目が失明してしまう可能性があるからね」
「じゃあ僕魔法唱えられないよ…」
「今は大丈夫だよ、イージスをかけたから体に魔法のダメージはほとんどいかないよ…だから名一杯練習しなね」
カインの頭をがしがしと撫でた魔女さん、……?エリスが服の端を掴んで引っ張ってくる
「どうしたんだい、エリス?」
「僕も…」
どうやらエリスも頭を撫でて欲しいらしい…まあ、別に減るもんじゃないし…そう思いエリスも撫でる、する満足したらしく笑う
「じゃあ、始めにもうお馴染みのイメージからだよ、見本はいま出すからね…準備はいいかい?」
二人は返事をすると魔女さんの手に注目する
「そんなに注目しないで少し離れてなね…よし、じゃあ始めよう」
魔女さんは目をゆっくり閉じぶつぶつと呟き始める…
そして目を開けて呪文を唱えた
「ホーリー!ダークネス!」
それと同時に魔女さんの両手に2本の剣があられた…
片方は神々しい光を放ち、もう片方は禍々しい光を放つ剣を二人は物珍しそうに見る…
「さあ、やってごらん…エリスはダークネス、カインはホーリーって唱える…そして出来るなら剣や杖の形にするようにイメージする…これが出来たら他の魔法でも魔法を形に出来るようになるから」
話している中でももう二人は真剣にイメージを開始している…エリスは聞いていたとしてもカインは駄目だな…魔女さんはカインをバカにしていると
「ホーリー!」
「ぐわっ!?」
カインが唱えた魔法が魔女さんの顔の頬をスレスレで通って行った……魔女さんは機械のように後ろを振り向くと後ろにあった木に風穴が空いていた…
「カ~イ~ン!」
「あー………ごめんなさい…」
カインは笑って誤魔化そうとしていた…が流石の魔女さんも光の速さで頭を貫かれそうになってしまったら流石に命の危険を感じる
カインに魔法を発動させる前に説教をたっぷりしようとすると…
「ダークネス…」
エリスが魔法を唱えた、その手には紛れもなく剣の形をした闇魔法がある…
「やっぱりエリスは偉いねー!人に魔法を当てるなんてしないもんね~」
魔女さんはエリスの出来の良さを褒める……が…
「………ない…」
「へっ?」
「許さない…カイン……」
エリスのいきなりの変貌に魔女さんは戸惑う
「ひっ!?」
「魔女さん……カインには僕が魔法を教えるよ…魔女さんは家に入っててもらってもいい?」
怯えるカインに目もくれずエリスは黒い笑みを浮かべながら魔女さんにお願いした…
「あ……じゃあ何かあったら言うんだよ?くれぐれも怪我をしないようにね」
「うん」
空気を読んだ魔女さんはカインのSOSを無視し家へと入っていった
多分いつかカインは魔女さんを本当に倒しちゃうんじゃないかな?
このお話目線とかかけるかな?…無理か(´・ω・`)
こんな小説を見て下さった方ありがとうございます(^-^ゞ