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魔女さんの家は見た目では想像もつかないほどのお金持ちである
支度を終えたエリスとカインを見る、一応二人には変装用に帽子をかぶせてみた
さっきは大人気なくキレてしまった…本当にごめん…等と思いながら、二人に出掛ける時の約束を確認する
「じゃあ、もし私とはぐれてしまったら?」
「最初にいた場所に戻る!」
カインが元気に答える
「じゃあ、知らない人に声をかけられたら?」
「返事をしない!すぐに逃げる!」
「うん、二人ともいいね、必要であれば魔法を使用してもいい…だけど他の関係ない人にはあたらないようにする事」
「「はーい!」」
「あと、都市へ居るときは私の事は魔女さんじゃなくて師匠っていうかお姉さんって言うこと、いい?」
「どうして?」
「もしも村の人がいて君達の事を知っていて魔女さんって言う呼び方で私が魔女だってばれたら大変だろう?」
「あっ、そっか!」
納得したのを確認した魔女さんは呪文をぶつぶつと唱え始める
「………………………」
「魔女さ「シーっ!」」
カインが魔女さんに話しかけようとするのを止めるエリス
「テレポート」
魔女さんがテレポートというと風景が一転して都市の出入口に立っていた
「わー!!凄い!」
「どうやったの!?魔女さん!」
初めてのテレポートで興奮する二人を見て、呼び方を間違えていることに気がつく
「こらエリス、魔女さんじゃなくて?」
「あっ、忘れてた!お姉ちゃん!」
エリスは魔女さんを見上げ魔女さんの手を握り笑う
「………ま、そっちでもいいか…」
「エリスずるい!僕も!」
カインは魔女さんの反対の手を取りそして引っ張る
「魔女さ……お姉ちゃん!行こ!」
「はいはい…じゃあ行こうか」
三人は歩き出し都市へ入るためのゲートを潜り抜けた
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都市へ入るための身分証明も作ったり見せたりしていたら2~30分も経ってしまった
ようやく辺りを歩き回れるようになり、二人は初めての都市という事もあるが、興味深々に辺りを物珍しそうに見回している
「あ、お姉ちゃん!あれ美味しそう!」
「ん?あれかい?」
カインが指を指している物はアイスクリームだ…オカネモチがよく食べるもの、一般家庭では高額で買えない代物
「駄目?お姉ちゃん?」
「……エリスも欲しいかい?」
「うん!僕も食べてみたい!」
「ん、わかったからそこで待ってなね」
魔女さんは二人をおいてアイスを買いに行く
「おう、お姉ちゃん!アイスクリームどうだい?」
アイスクリームには不似合いなごっつい筋肉マッチョがアイスを売っていた…君の暑苦しさにアイスが溶けてしまわないか心配になる…
「2つください」
「おう!毎度!」
マッチョは馴れた手つきでアイスクリームを作り出す
「しっかし姉ちゃん大変だな~」
「何をですか?」
マッチョは魔女さんを見て話を続ける
「その年で二人の子供を面倒見るなんてな~」
「…まあ、そこまで面倒くさくはないですよ、お金には困っていませんし」
「そうかい、ほい2つ」
マッチョは、アイスを渡すと値段を言う
値段は…そうだな…例えるならば、あの腐った村の財産の半分くらいだろうか?
「ありがとうございます」
アイスを受け取った魔女さんは二人の元に戻る
頭の中には残り少ない時間を有意義に過ごさせよう…その考えで頭がいっぱいだった
次回は多分方向音痴と遭遇する予定~
体がマジに痛いです…見てくださったお方、ありがとうございます!!o(^-^o)(o^-^)o