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八話

甥っ子の誕生パーレイでした。

遅れてごめんちゃい←

「行って来ます!」


 ミズールに到着し、迷宮に初めて入ったため、時間を忘れてしまったホルスだが、ギリギリ宿を取ることが出来、疲れた体を屋根の下で休めることが出来た。

 一泊晩飯付きで1800ギルと相場より安めの宿を朝日が昇って直ぐに後にする、ホルスと一緒に泊まっていた冒険者や商人といった風貌の男達もちらほらと動き始めていることから、まだ薄暗いなかで活動するのは別段普通のことのようである。

 第一、この世界の夜は早い。魔石で光を起こすことが出来るため、村にいた頃とは比べ物にならないほど明るい夜ではあるのだが、魔石も無料ではない。お金がかかるということは、一般階級では娯楽と同じことだ。

 そういう贅沢が許されるの貴族、上流階級の人たちで、普通の市民は日が暮れたら寝て、夜は日が昇ると同時に活動するのが普通なのだ。

 

 昨日潜って多少狩ったガルムの素材と、魔石を売るためにまずはギルドに向かう。荷物を抱えたままでは何かと効率が落ちるので、出来るだけ手ぶらな方がいいのだ。ただでさえホルスはまで成長が終わっていない体なので、出来るけ体力を温存するに越したことはない。

 

「ふむ、坊主、魔石を取り扱うのは初めてじゃろ? こればかりは慣れるすかないが、傷を付けないように取り出さないと値段が落ちるぞ」


 そうギルドで昨日と同じおじいさんに昨日の成果を買い取ってもらっていると、そう教えられた。朝も早いので人は全然いないのだが、ギルドはやっていた。実はこのギルド、なにが起きても対処できるように二十四時間常に人がいるのだ。

 

「なかなか難しくって。始めはどこにあるのかもわからなかったですし」

「まぁ、こればっかりは勘になるかなのぅ。基本的には心臓の位置にあるとされるが、全然違う場所にある固体もおるしな」


 そう、ガルムは丁度心臓の位置に魔石は埋め込まれていたのだが、スライム種のようなものは、丁度中心に浮いているので、それを傷つけないように倒す技量が必要になったりするし、もっと特殊なものだと、頭に魔石が有るものもいるのだ。

 これは経験で慣れていくしかない。

 

「ですよねー。あ、ここいらで背負い袋とナイフ売っている店なんてありますか?」

「ほ。二つともギルドでも販売しておるぞ? 冒険に必要な雑貨はここで売ることも可能じゃ。もっと専門的な武器防具が欲しいなら、隣の工房にいけば大概は手にはいるしな。ほれ、今回はガルムの皮六枚に魔石が六つ。それと牙が二つで8000とんで50ギルだ」


 これで宿代を抜いて9050ギル。しかし必要な経費がいつかかるかわからないし、武器の消耗なども計算しなくてはいけない。決して楽観できるものではないだろうし、深く迷宮に潜れば潜るほど、消耗品や食料。武具防具などで比例するようにお金も必要になる。

 貯められるときに出来るだけ貯めたいホルスは、背負っても動きが阻害されない大きなリュックを一つとナイフを三本。今まで使っていたものでもいいのだが、いつ破損するかもわからないため、細々したものは手に入れとこうと考えたのだ。

 カウンターの置くに引っ込んだ老人が戻ってきたときにはリュックとナイフ。そしてその代金の2300ギルを抜いた6750ギルをもって来てくれた。

 

「またなにかあったら何時でも尋ねるといい」

「はい、ありがとうございました!」

 

 お辞儀をしきびすを返すホルスに苦笑いを浮かべる老人。ギルドでは、荒くれ者が多いとは言わないが、ここまで丁寧な対応をするものは少ないのだ。

 日本人の性とも言える几帳面さは、異世界にきてまで抜けるものではなかったらしい。

 

(さー狩るぞ狩るぞ、狩りまくりだぞー)


 当面の目標はレベルを五十にすること。それと迷宮の五階までいくこと、などと気楽に決め、朝食と迷宮で必要な水分や携帯食料を迷宮の道すがらに確保し、スキップをくりだす。無論スキルではない。

 

「おはようございまーす!」

「おう、おはようさん。よし、カードを確認した。お気をつけて」


 ナイスメドルな衛兵に武運を祈られ、意気揚々と夜とはまた違った雰囲気を持つ迷宮に足を踏み込む。

 二度目の生を謳歌し、自分の欲求をみたすホルスの探検が今日も始まるのだ。

 

「っしゃー! どこからでもかかってこいや!!」


 丁度前のほうから近づいてきた同業者に大声のせいで武器を構えられたりもしたが、無事に迷宮を踏破していく。地図を買っておけばよかった! なんて入ってから気がついたのだが、あとの祭りなので今日はこのままいけるところまで行くことにする。

 何度がガルムにエンカウントするのだが、どれも単独なので、昨日と同じように危うげなく殺していく。殺したら直ぐに魔石を取り出さないと、なぜか魔物は迷宮に取り込まれてしまうのだが、魔石を取り出した魔物は形を保っていることが出来ないらしく、素材を残して消滅していく。

 ガルムだったら、皮だったり牙だったり爪だったりだ。特異な魔物だったりすると、ユニークアイテムを落としたりもする。

 

「っふ!」

 

 本日七回目のガルムとの遭遇をし、順調に槍で串刺しにしたら、昨日から数えて四回目のレベルアップをした。

 

 ホルス:ヒューマン 槍使いLv33

 祝福:混沌の神のケイオス(混沌と破壊を司る神々の長。混沌の系譜でもっとも強い力をもつ)

 

 筋力:Ⅳ28

 耐久:Ⅱ51

 俊敏:Ⅴ60

 魔力:Ⅲ25

 体力:Ⅳ51

 

 備考:ミズール都市ギルド所属

 

 ステータスカードの数値を見て、軽く目を見開く。各種のステータスの成長が今までの比ではないのだ。これが迷宮に潜るってことかーなんて多少酸欠になった頭で考える。

 神代から存在している迷宮は、神が人に試練と祝福を与えるために作ったものだとされている。そのため、迷宮で得られる経験値は外で得られる経験値より大きく祝福を成長させる。

 なぜ迷宮の形になったかは諸説あって、神がいるのは下の世界だからだとか、上から長い建物を落としたら迷宮の形になったからだとか、迷宮踏破物は鉄板だから、だとかだ。正解は神のみぞ知るでいいと思う。

 

「おや?」


 ホルスがステータスカードを眺めながら息を整えていると、前の方からミシミシと、なにかが軋む音が聞こえてきた。

 

(なーんか、嫌な音だなー……)


 見てみないと危険かどうかは判断できない。ふっと自分に気合を入れなおし足を進めると、今までより少し大きな部屋になった場所にたどり着く。八メートル四方ぐらいの部屋だ。

 音を確認しようと部屋の真ん中までたどり着くと、上からべちゃり、と粘り気のある液体が足元にたれてきた。

 

(こーゆーときのお約束は、上を向いたら死亡フラグ、だよなぁ。音もなんか上から更に大きく聞こえてくるし)

 

 さっきからミシミシっと言う音が大きくなってきていて、これ以上放っておくのも死亡フラグだと考え、重い目を無理やり上に上げる。

 

「な、あぁああぁー!!?」


 天井一面、ガルムで満載だった。上半身だけ出ているものや足だけ、顔だけ出ているものもいるが、確かに魔物が産まれている瞬間だった。

 

「くっそ。まじふぁっく!」


 ついつい昔の癖のスラングがでてしまうほどにテンパっているホルスだが、その体は裏腹にいまするべきことを行っていた。

 つまり、邪魔な荷物は放り捨て、槍を手から離れないように上着を切ってその歯切れで手に巻きつける。この一本の槍が今のホルスの生命線で、このか細い棒切れがここまで心無く、そして頼もしく感じたのは始めての経験だった。

 

「ふっふっふっふ――」


 短く息を吐いて、留める。重心を落とし、体から無駄な力は削ぎ落とす。

 そしてついに限界まできたのか、上からガルムが降ってくるのを確認し、無心で槍を振るう。

 

 

 

 振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう――。

 

 

 

 一直線に。頭蓋骨を砕いたのを確認して直ぐに引き戻す。横なぎに振るい、飛びつこうとしてきたのを三匹まとめて壁に叩きつける。そのままの力を殺さないよう上へ。下へ。円を描くように、直線で無駄のない線を引き続ける。

 自分を中心とした、槍の世界。

 なも考えずに、一匹が腕に噛み付いてくる、足の肉を抉られる。体当たりで体が横にブレルが、無理やり腰を落として重心を戻す。

 殺して殺して屠殺して圧殺して刺殺して殺して尽殺した。

 

 どれくらいの時間をそうしていたのかは記憶になく、気がついたら手を床について荒い息を吐いていた。

 真っ赤に染まった血溜まりのなかで、生きていることに今更ながら恐怖が起こり、体の震えが止まらなくなる。

 

 体中自分の血と狼の血でパキパキになって、色々な場所が痛い。

 でも、とホルスは思う。

 歯が震えてガチガチなっている。何時からかはわからないが、目からは汗がこぼれてる。でも、生き延びた、と。

 

「おぉぉおー!!」

 

 雄たけびを上げて、その部屋の中では自分が生き延びたのだと証明する。湧いてでたガルムを、殺しつくしたのだと。

 正気に戻ってけだるい目を上げてみたら、殆どのガルムは迷宮に吸収されてしまっていて、残っているのは数匹だ。何個か紫色の魔石が転がっているのが見えるので、無我夢中で引き裂いたときに運良く出たのだろう。

 

「あーステータスカードぉ」


 レベルアップの感覚だ。このガルムはもう諦めよう、なんて決め、動きたくないが頭を働かせるために、自分がどれほど強くなったかを確認する。

 

 ホルス:ヒューマン 槍使いLv49

 祝福:混沌の神のケイオス(混沌と破壊を司る神々の長。混沌の系譜でもっとも強い力をもつ)

 

 筋力:Ⅳ81

 耐久:Ⅳ15

 俊敏:Ⅵ21

 魔力:Ⅲ25

 体力:Ⅳ97

 

 備考:ミズール都市ギルド所属

 血の中の産声・生存咆哮・大量虐殺・強さの証明(槍)を達成を確認しました。

 槍術士へのランクアップが可能です。

 戦槍士バトルランサーへのランクアップが可能です。

 血槍鬼ブラッディランスへのランクアップが可能です。

 ランクアップしますか?

 

「…………はい?」

ちょーとだけ長いですが、実際手抜きという。

誕生パーティーでの料理に中ったのか、腹痛がとどまることを知りません。

小説の長さってどれくらいがいいんでしょうねぇ?

誤字脱字、感想をお待ちしておりますよー

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