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爆弾は投げられた。

「ありゃ? もしもーし? 戻ってこーい」

 レーツェルが眼前で手を左右に振って私を覚醒させようとしていた。


「……あ、すみません。ビックリしてしまって……あの、どうかしましたか?」

 本気で驚いているのは解っているのだろうけど、何故か無言の二人。


「ホント、君って珍しいな」

「はい?」

「うん、僕は気にった!」

 にこにこ穏やかに笑いながら、次の瞬間飛んでもない台詞をレーツェルはかました。


「友達になろう!」

「は?!」

 動揺する私に気付いてもマイペースを崩さないレーツェル。


「君といると退屈しなさそうだし、何よりカグラを色眼鏡で見ない人は初めてだよ!」


 いやいやいやいや、色眼鏡で見れますよ。

 単純に観賞用としてはもってこいだとか。

 ただ、惚れたりしたら、先が無いので出来るだけ避けたいだけですが。なにか?

 って感じなんですよ。


 出来れば平穏な生活がしたいのでご遠慮願いたい。

 そんだけなんで、お近付きにはなりたくありません!


 いやああああああ!

 キラキラしい笑顔で近づかないでぇぇぇぇぇ!!


「え、え、遠慮しますっ」

 一歩下がる私を追い詰める様に、ずいっとレーツェルが近づく。


「えー、なんで?」

 小首を傾げて、美麗な顔が不思議そうに私を見詰める。


「恐れ多いですから!」

 ヤケクソ気味叫ぶと。


「大丈夫、僕は普通だよ? 恐れ多いのはカグラだけだから大丈夫」

 楽しそうに言うレーツェルに、私は気に入られたらしい。


 出来るだけ権力と遠い場所にいたいのに~~。

 なんで、大当たりを速攻引いちゃったのよ!

 私のばかーーーーっ!


「あ、それとも彼女候補のポジションがいい?」

 ついっとレーツェルの手が伸びて、私の頬をそっと持ち上げた。


「ひょぇ!?」

 綺麗な銀蒼色の輝きが私を覗き込む。


 見詰め合ったのは、ほんの少しの間。

 その間何を彼が感じたのかは解らないが、とても楽しそうな笑顔になって。


「うん、男に成らせるのはもったいない! 君は女の子に成るといいよ。だから、僕と友達になろうね?」

「いや、それはちょっと……」

「もしかして、カグラの方が好み?」

「ええええ? そう言うのでもなくてですね……あの、誰かを好きになった事ないから、よく解りません」

 そう言って、適当に誤魔化してみる。


 未分化=恋愛経験ゼロが常識。

 誰かに心を動かすのは、魔力が引き寄せられるので性別が確定する事が多いのだ。

 だから、誰も好きになった事がないと言えば説得力が増す。


「ふぅん、そっかー。じゃ、君が本気で好きになったら姿が変わるのかな? それが僕だったら嬉しいかもね」


 ひえぇぇぇ。

 なんでそんな宣戦布告的なコトになるのぉ!?

 ちょ、そこの第二皇位継承者! 助けに入りやがれーーっ!!


 レーツェルの背後にいるカグラは、私達を傍観しているだけ。


――――役に立たねぇ!!!


 この現状を何が何でも打破しないと色々面倒になる。

 話を明後日の方向でも良いから持って行かなきゃ!


「……っと、誰にでもそんな感じなんですか?」

「ん? 僕?」

「はい」

「そんな事ないよ。ねぇ、カグラ?」

「ああ、そうだな。お前がそんなに浮かれているのを見るのは殆どないな」

「だってさ」

 カグラの言葉に、ニコニコ~って人懐っこい笑顔を見せるレーツェル。


「えっと、それは……」

 しどろもどろする私に。


「レーツェルに思いっ切り気に入られた様だな。嫌なら殴り飛ばしてでも拒絶した方がいい」

 カグラがさらっと爆弾を落とす。


「なななな、なんで!?」

 硬直する私に、レーツェルが更に追い打ちを掛けて来る。


「だって、君、凄く可愛いから。それに、僕の好みなんだよね」



やっと逆ハー展開へ向かう感じになってきました。

レーツェル君、軽くなったら押せ押せキャラにもなりました。

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