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お部屋はスィートルーム☆

 支給された身分証明ID兼部屋の鍵を左手握り、右手には厚さ3ミリの携帯ディスプレイ端末を持ってのんびりと階段を昇る。


 キーは半透明なオーロラの様に光る金属で出来ていて、キラキラ光って綺麗だった。

 10センチの長さで、先端に穴の様なものがあり、そこに鎖とか紐を通してネックレスやストラップの様にして大半の生徒は持っていると寮長は説明してくれた。


 でもってこの携帯ディスプレイ端末は、ス○ホよりも薄くとても軽い高性能PCのようなものであった。

 厚さ3ミリで、幅10センチほどで高さ15センチほどなのにとっても軽い。

 前世で持っていた携帯電話より、3分の1の重さ程しかないと思う。


 音声識別認識も出来、私が「部屋へ案内して欲しい」と言えば音声で案内してくれる。

 音声は好みでオンオフ可能だし、これ一つで星間チャンネル(宇宙間電話みたいなもの)も掛けられたり、ノートの代わりも辞書機能やらの何でも機能付きで至れり尽くせりの一品です。


 これは生徒に必ず支給される物だそうで、失くしたら実費で購入しなくてはいけない。寮長からは「これは高い物だから失くさない様に気を付けて」と注意された。


 また、寮の規則、学院の校則などなどもこれに入っているので、読んでおく様にとも告げられた。

 どっさり冊子で渡されたら、面倒臭いなぁって思っていたのでラッキ-だ。


「しかし、一体誰の趣味なのかなぁ?」

 私は、ロココ調な階段や廊下を歩きながら呟きながら、端末に向かって問い掛けてみる。


「ねぇ、この寮はどんな意図で、デザインされているの?」


『お答えします。この寮は遠い銀河にある惑星にある各地の建物内部をモチーフにして作られており、4つの寮の内部はそれぞれ違う内装となっております。デザイナーが長い学院生活を少しでも楽しめるようにとの配慮と遊び心で作ったそうです。』


「……もしかして、地球?」

『はい。その通りです。その惑星に降り立った者がここへ戻って来て陣頭指揮をとって作りました』


「えっと、そんな簡単に行ける星なの?」

『いいえ、行けません。かの星は、内乱などが多く、我々の技術レベルにも達しておらず、コンタクトをとる事は禁止されてます。ただし、毎年数名限定で調査のために行く事は許可されてます。その星の人間として擬態する事が義務付けられてます』

「戦争無くならないんだ……」


『はい、戦争をしない地域もあるのでそういった場所に調査隊を派遣します。そして、その文化に触れて触発された学院の卒業生がこの寮をデザインしたのです』

 端末が答えた後、ピピピピと電子音が鳴る。


『お部屋に到着しました。IDキーをお出し下さい』


 キーを出すと、プレートの底の部分が淡くぴかぴかと青白く光っている。

 目の前にある木製にも見える扉に施された植物の模様にはめ込まれた、青い石の様なものが同じように光っている。


『キーを光っている部分へ当てて下さい』


 言われた通りにキーを石の部分に近付けると、カチンと軽い音がした。


『施錠が解除されました。寮生の認識を登録しますので、手を先ほど光っていた部分に軽く押し当てて下さい』

「……えっと、手のどの部分でも構わないの?」

『はい、指先でもどこでも大丈夫です』


 私は端末とキーを左手で一緒に持って、右手の平でぺたっと触れてみる。

 木の様に見えていた扉は、不思議な材質な感じだった。

 実際には木ではあり得ない感触、金属の様なものだった。


『ナツキ・タカマガハラを認識しました。お入り下さい』

 扉が音声を出し、シュインと機械音がして扉が右から左へ開く。


 部屋に足を踏み入れると、そこに広がるのは……。


 白を基調とした壁には、細工された模様が施されてセンスの良さが伺える。

 が。

 入って直ぐの室内リビングは、どっかのお城の如くなアンティーク風机や椅子。

 そして、ソファーとテーブルどこもこれも、くるんとした脚線美を持ったデザインの家具だった。


 寝室は、ロイヤルスイート感漂う豪奢な天蓋ベッド。


「どこのホテルよ?ここは!?」


 浴室も豪華かと思ったら、意外や意外簡素なシャワー室だった。


 まぁ、共同浴場は、中央棟にあるのでそこはきっと恐ろしいほど豪華なんだろうと思う。

 口からお湯を吐くライオンなんぞがいそうだ。


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