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女王×美少年×オカマ?=王宮は濃ゆい人達が一杯だっ

分割してみました~。

 燃え上がる炎に髪が煽られ、その横顔は壮絶に美しい。

 美女はお怒りになっても綺麗なものなんだなぁ~と、私は思った。


 妖艶な美女クイーンと、不可視の力により、潰れた蛙の如く地面に縫い付けられジタバタする小太りのおっさんとの対比は何だか凄いものがある。


「キッチリ、仕置きをしなくてはいけないわね。その前に、カグラ!彼女を連れて行ってあげなさい」

 セリティアは冷たい視線を足元に投げ掛けた後、こっちを振り返って言う。


 カグラと呼ばれた少年は頷くと、私の耳元で囁く様に告げた。

「少しの間だけ我慢して」

 ぎゅっと、私は抱き締められる。


「え?あ、あの……?」

 ワケの解らない展開に軽くパニックになる。


「サリーレ」

 カグラが囁いた瞬間。


 身体がふわっと浮き上がるような感覚と、視界が暗黒に包まれた。

 数秒間の後、かくんとした感覚と明るい光が目に飛び込む。


 しかし、私は、その感覚に酔った。


 うえぇぇぇ。気持ち悪い~~。

 何か、むかぁし、体験した事のある感覚ですよ。これは!

 嫌いな人はいるよね、絶対。

 エレベーターのふわっと浮き上がって、止まる時に落ちる感覚に酷似していた。

 油断してたりすると、気持ち悪くなるんだよね、アレは。

 そして、今、私はその状況になってます。


「もしかして、転移は初めてだった?」

 私の様子を見て、カグラは心配そうに覗き込んで訊いて来る。


 私はコクコクと、小さめに頷いて答えた。

「あらまぁ、それは辛いかもね。はい、これでも飲んで落ち着きなさいな」

 カグラと私の側に一人の男性か、女性か解らない妙に派手な人がいた。


 顔の造形は良い方だが、如何せん、髪はどピンクで、瞳は綺麗な澄んだ水色、身長は180位だろうか? 結構高い。

 なのに!

 極彩色の膝丈までの長い服を着て、革のサンダルっぽいものと履いていた。

 勿体無いと思わず言ってしまいたくなる程の残念さを目の前の人から感じた。


 ハスキーボイスだったので、彼? 彼女? かはちょっと解らない人から水の入ったグラスを渡される。

 グラスを受け取り、口元に持っていきながら、私は極彩色豊かな人物を凝視していた。

 ちびちびと水を飲んでいると。


「アタシの事気になる?」

 妙にオカマ口調な感じで、極彩色な人は言った。


 私は素直に頷く。

 こんなド派手な人を気にならないで、初対面でやり過ごす事の出来る人なんている訳ないじゃない。


「初めまして、アタシは王宮ここの治療師で、名前はシエン・シア・メーディカよ。れっきとしたオトコよ。ヨロシクネ☆」

 ウインク付きで極彩色の人、シエンが私に挨拶をしてくれた。


「あ、私は、ナツキ・ルウィン・アマハです。ナツキって呼んで下さい。あと、お水、有り難う御座いました」

 ぺこりと頭を下げ、グラスを返すと。


 シエンは微笑んでから、私の頭を優しく撫でる。

「酷い目に遭ったみたいね。さ、そこのベッドに座って」


 指し示す方向には、大きめなソファーとテーブルがあり、その向こう側にベッドがあった。

「あ、はい」


「待って!」

 歩こうとした私を、カグラが引き止める。


「え?何?」

「足、怪我してる」


「あ……」

 足を見ると、転んだ時に擦り剥いた為に膝の辺りの生地が破れ、血が膝を伝って足首辺りまでを汚していた。


 派手に怪我しちゃったなぁ……。

 あーあ、折角のドレスが勿体無いなぁ。

 きっと高価なものなのに。


 冷静のんびりにそう思っていたら。


「ちょっと失礼」

 カグラはそう言うと、私を軽々とお姫様抱っこをした。


「?+*#%!!」

 目を見開いて、声にならない叫びを私は上げた。


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