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こんなの求めてないから!

SFモノが書きたい!でも魔法も使いたい!と言うかなり無茶な構想の中で作っております。

目指すSFの個人的王道はスタトレヴォイジャーです。ファンタジーに関しましては色々有り過ぎて何でもござれな感じです。

プラス仕事上の観念も取り入れて物語を作っております。

のっけはかなりダークです。ごめんなさい。(_ _(-ω-;(_ _(-ω-; ペコペコ


「………………」


 これで何度目だろうか?

 あたしは携帯のディスプレイに出された、トモダチのアイツからのメールに絶句した。


――――もう、疲れた。これから死ぬね。


「またぁ?! コレなの?」


 一度目は、電話で告げられて。

 しかも自殺の仕方が杜撰過ぎて、笑いを通り越して呆れた。


 真冬で洗面器にお湯を張って、手首を切ってそこに浸けたと言う・・・・・・まぬけっぷり。真冬ダヨ?お湯なんか直ぐに冷水になってしまうのが解らないなんてありえねぇヨ!


 次にかましたのが、切った手首をストーブの前に置いて・・・・・・血が固まるじゃん!なに考えてるのよ?このヒトは!って正直トモダチやってるのが嫌になった。


 実際、大した流血量でもなくて、自分が間違って親指にカッターナイフをぶっ刺した時なんか、刺した瞬間、指を口の中に咥えて、洗面台に走ったよ!あの時はビビッた。洗面台が血の海だったよ!その上、結構な流血量だったので眩暈がした位だし、3分は血が止まるまで放置するしか無かったらから大変だったけ。

 そんくらい血を流して見やがれ!大変なんだぞ!痛いんだぞ!


 その上、アイツは親兄弟友達に甘えまくり。

 羨ましいを通り越して腹立たしい。言っちゃあ悪いが、あたしの家はマトモじゃない。


 あたしと父親の殴り合いのケンカは日常的にあり、母親はどっかおかしい。あたしの一つ下の子を堕胎して水子じゃないとのたまう。ばーちゃん、じーちゃん、育て方間違え過ぎだよ!と泣き付きたくても、小学校の時に死んでてどうにもならない。


 死にたくなったのなんか、星の数ほどあるんじゃないかって位だ。親を惨殺してしまいたくなったのだってある。理不尽な暴力や言い分には、何度となく嫌な気にさせられた。


 でも、あたしはそれを実行しなかった。


 あたしの周りには命の儚さを見せ付けられる現実があったから。小学生で退院したら遊ぼうって言っていた男の子は、白血病で呆気なく死んだ。


 3つ下の近所の女の子は、車に撥ねられて口から泡と血を流して即死した。


 ばーちゃんは、心臓発作で突然死んだ。

 流石にあの時はめちゃくちゃ悲しくて人のいない所で泣き叫んだ。

 自分の命あげるから返してって。 

誰よりもあたしに愛情をくれた人を助けたかったし、置いていかれたくなかった。


 でも現実なんて非情でしかない。


 生きたいのに生きられない人が沢山いるけれど、反対に命を粗末にする人が山ほどいる。


 あたし、隠し事は好きじゃないから、自分の事を話していたのにも関わらず、アイツは命を軽んじる。

 マジで悔しかった。


 あたしの思いを踏みにじられまくっていて「気分転換に何時でも付き合うし、苦しい時は誰だってあるから、話まくって解決しよ」って言ったのに・・・・・・こんなオチ。


 あんまりだっ!!


「仕方ない、行くか」

 溜め息一つ吐きつつ、あたしは車のキーとバックを持って家を出る。


 あたしのエゴだって解っている。

 何度駆けつけたって、アイツの心には響かないし、届かない。


 でも、自分と関わりがある状態で死なれるのはたまらなく嫌だった。

 きっと、自分と関わりが無くなってアイツが死を選んだとしても、あたしは気付かないでいるだろう。知らされなければ分からずに生きていられるから。


 だって、そうなれば、自分の気持ちを掻き乱されなくてすむから。

 平穏な毎日じゃないから、これ以上気持ちをざわつかせたいとは思わない。


 せめてトモダチと一緒にいる時は、わいのわいのして日常の鬱積から離れていたいものなのにこんな状況嬉しくない。


 気分転換にロックな曲を掛けて、トモダチの家へ向かう。

 また大した手首の切り方じゃないのや、睡眠薬の飲み過ぎくらいだろう事は分かってる。


 殺してやるとか、怨んでやるとか親に言ってるけど、あたしは大概にしてお人よしだなと思う。

 それでも親に従ってしまうトコとか、あんなメールを送られてキレずに付き合ってしまう。


「はぁ……」


 漏れる溜め息。

 行ってどうなるものでもないけれど、気分が悪いし。


「あ……また、赤信号かぁ」


 何度目かの赤信号で停車する。


 キキキキキキーーーー!!!

 響く、高く耳障りな音。


「え?」


 見なければ良かったと、思わず後悔した。

 視線を上げて、あたしは見てしまった。

 バックミラーに映る、迫って来るダンプカーの前面。

 耳障りな音は、ダンプカーのブレーキ音。


「う、そ・・・・・・」


 なんで、こんな!?

 冗談でしょ? マジなの!?


 突っ込んでくるのが分かるのに、逃げられない。

 逃げ場が無い。


 バッカヤロー!!何考えてんだぁぁぁぁ!!!

 思い付く限りの悪態を心の中で吐いた。


 ドカン!!とも、ガシャーン!!ともつかない、破壊音と衝撃が伝わる。

 粉々になったリアガラスがフロントガラスに跳ね返って、顔に当たる。


 次の瞬間、身体がふわっと宙に浮いた。


 車は空飛べるんだ~!!

 昔アニメで変形して飛んだよねとか、思うかヴォケー!!

 確かに男の子のロマンだよね!


 でも、こんな方法求めてないから!!!


 手足がどこかにぶつかり、更に轟音が響いた。


 そして、あたしの意識はブラックアウトした。



一部(?)実話を織り交ぜて作っております。

リアルに感じていただけたら嬉しいかも。


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