表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

隣のナニカ(ホラー短編集)

声招

作者: 星雷はやと


「あれ? まだ昼間なのに、誰も遊んでいないな」


俺は学校の帰り道、住宅地の中にある公園の中を歩く。今日はテスト期間中な為、昼間に下校している。普段は子ども達で賑わっているが、公園には俺以外誰も居ない。


「珍しいな……」


お昼時だからかもしれない。何時もは公園を迂回した大通りの道を通るのだが、明日のテストに向けて勉強をしなければならない。明日は苦手な数学のテストがあるのだ。だから近道をする為に、公園を歩いている。


「にゃあ」

「ん? 猫?」


あと少しで出口という所で、不意に猫の鳴き声が聞えた。周囲を見渡すが猫の姿はない。


「んにゃ」


再び鳴き声が響いた。耳を澄まし方向を探ると、敷地内にある自動販売機の下から発せられているようだ。俺は無造作に生えているエノコログサ、通称草の猫じゃらしを一本抜いた。


「如何した? 出られなくなったのか?」


俺は自動販売機の前にしゃがむと、猫じゃらしを揺らす。自動販売機の下は暗く、猫の姿を確認することは出来ない。本当は早く帰宅しなければならないが、癒しが欲しいのも事実だ。


「にゃん」


鈴を鳴らしたかのような可愛らしい鳴き声が聞え、猫じゃらしが引っ張られた。出て来た猫はどんな子だろう。引っ張られて自動販売機の下に入っていた、猫じゃらしを手前に引いた。


ずるり。


「……え……」


自販機の下から出てきたのは、可愛らしい猫ではなく。


人の手が猫じゃらしを掴んでいた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ほんわかからの、落差。最後で、一気に落とされる。 [気になる点] もう一歩先の部分の描写が無いと、どうしても消化不良に。 [一言] まあたぶん、お化けや怪異の類だとは思う。人なのだとしたら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ