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スパルタ軍事訓練 side:千年世

【Side:千年世】


 無人島から帰還して三日目。

 のんびりする暇もなく、北上さんによる軍事訓練が始まった。厳しい厳しい訓練だ。


「では、まずは腕立てを百回。それから腹筋と背筋、スクワットも百回セットです」

「そ、そんなに~~~!? 死んじゃうよ……」

「また無人島へ行くかもしれないのです。その時までに強くならないと、殺されるかもしれませんよ」


 早坂くんが言っていた。

 財宝を取りにいくかもと。

 その為には軍隊のように鍛えあげ、武器や装備の知識をつける必要があるって。可能なら、ヘリや船の操縦とか覚えるということに。


 なんでそんなことまで……。


 でも、私は早坂くんの為なら……だから、がんばった。毎日毎日、北上さんの指示に従い、腕立て、腹筋、背筋、スクワットを百回。それと走り込みもしまくった。


 そんなことを続けていれば、私は段々と強くなっていた。



「――素晴らしいですよ、千年世さん」

「そうでしょうか?」

「はい。あたしの訓練についてこれる者はそうはいない。啓くんや天音さんはヘトヘトで直ぐ休んでしまいますから」


「私、あんまり役に立てないから、せめて北上さんのように強くなりたんです」


「……なるほど。では、そろそろ次のステップへ参りましょうか」

「次のステップ?」



 首を傾げると北上さんは背を向けて歩き出す。どこへ行くのだろう?



 * * *



 マンションから離れ、地下へ向かった。

 こんなところへ連れていかれるなんて……ちょっと怖いな。



「千年世さん、ここです。ここ」

「なんです、ここ?」


「天音さんに頼んでこの更に地下に射撃場を作って貰ったのですよ。防音対策もばっちりのね」

「え? ええッ!?」


 北上さんは、しゃがんで何かのロックを解除していた。まって、あんな暗号入力して入るとかスパイ映画かな!?

 ていうか、いつの間にそんなもを作っていたの……。


 扉が開くと地下へと続く階段が出来た。


 北上さんはどんどん先へ行ってしまう。私はついていくしかなかった。


 地下へ下りると映画とか刑事ドラマで見るような射撃場があった。うわぁ……本格的。あの的とか、本物じゃん。



「まずは、ハンドガンから慣れていきましょうか」

「ハ、ハンドガンって拳銃のこと?」

「ピストルや日本ではチャカとも言いますね。わたしはゲームのクセでハンドガンと言ってしまいますけどね」


 そういえば、北上さんはサバイバルゲームが好きだって言っていた。エアガンを収集していたり、実際に遊んだり……撃ち合うゲームをよくしてるって話してくれた。



「うわ、重い……」

「本物は危険なので、まずは実銃に似せたエアガンです。威力は規定ギリギリまで引き上げているので、かなりの威力ですよ~」


「え~、こんなに重いんだ」


「ちなみに、実銃では銃免許の範囲で扱える銃しか所持していないので、ハンドガンはそのエアガンにはなってしまいます」


「そうなんだ。また無人島へ行くときは本物が貰えるの?」

「ええ、知り合いの軍人に持ってこさせます。今、所持していては色々リスクも高いですからね。なので、銃免許の許される散弾銃だとかライフル銃でしか練習できません」



 よく分からないけど大変なんだ。

 このエアガンを持つだけでも怖いのに、実銃はもっと怖いなぁ。


 ずっしり重みのある銃。


 これで身を守ったり、みんなを守れるのかな。



「どうすればいいの?」

「まず、位置について下さい。それから銃を両手でしっかり持ってください。――ああ、そうじゃなくて……こう右手で……」



 北上さんは銃の扱い方を詳しく教えてくれた。

 それから、私はどんどん上達して撃てるようになっていた。



『――――バン、バンバン!!!』



 人型の的の中央にほとんど命中していた。



「どうかな、北上さん」

「これは驚きました。千年世さんには銃の才能があるようですね」

「そうかな。下手っぴじゃない?」

「いえいえ、これなら自衛隊に入っても恥ずかしくないでしょう」

「マジ? 私、センスあるのかな」


「ええ、あると思います。どうやら、ハンドガンは問題ないようです。そろそろ実銃に移りますか」


「うん、やってみたい」

「では凄い音がしますので、電子防音イヤーマフを装着してください」



 でかいヘッドホンを手渡された。なにこれ、こんなのあるんだ。どうやら、これで射撃音から耳を守ってくれるみたいだ。ああ、ドラマとかでよく見るやつだ。


 それから北上さんは散弾銃を取り出した。



『……ズシッ』



「おもぉぉぉぉ……」



 重すぎてビックリした。

 なにこれ、これを撃つの……?

 わたしには向かないかも。



「千年世さん、がんばって構えてください」

「……うん、がんばる」



 わたしは訓練を続行した。



 そうして一週間以上を射撃の訓練に費やし、私は更にパワーアップした……!



【続くかも】

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