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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第三部:ハーレム生活Ⅰ
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キャプテン・キッドの財宝

「ところで大伊さんたち、どうして“右”だって分かったんだ?」


 北上は後を付けてきたようだけど、大伊さんたちは偶然なのか。


「あー、それね。目印があったから」

「目印?」


 どうやら、北上が右の通路に何かしらの目印をつけてくれたようだ。それで分かったのか。納得した。


 なら、このまま先を行くだけだ。


 準備を整え、歩き出す。


 時刻は朝七時となった。


 そろそろプロ集団の動きも気になるところだ。



「啓くん、財宝の場所は掴めそうですか?」

「どうだろう。あの地図は地下洞窟を薄っすら書いてあるだけだった。この先がゴールだとは思うけど、ほとんど未知数だよ」


「なるほど。では、いよいよですかね」



 北上は、ツルハシを持ちながら先導してくれた。いよいよ鍾乳洞の奥へ向かう。

 懐中電灯の明かりを頼りに闇を突き進む。


 進めば進むほど、川のせせらぎのような音が強くなっていった。


 もしかして、地底湖でもあるのか?



「なんか、異様に広くなってきたね」



 俺の後方を歩く天音がそうつぶやいた。



「そうだな。ガチのゴール地点かもな」

「あるといいね、お宝」

「見つけたら、俺たちは金持ちになれる」

「うん、ここまで来たんだもん。がんばろ」



 ひたすら洞窟を進むと、かなり開けてきた。


 奥は巨大な空洞になっていたんだ。



「こ、これは凄いね……!」



 大伊さんが叫ぶ。

 その声が洞窟内に響き渡らなかった。この感じ、どういうことだ?



 なんであれ、島の地下にこんな大空洞があるだなんて……信じられないな。

 まるで地下シェルターみたいだ。



 興味深く探っていると、北上がツルハシで地面を掘っていた。



「なにしているんだい、北上さん」

「地質を確認しているんですよ。ここから急に変化しましたからね」

「そんなの分かるの?」


「ある程度ですが」



 さすがだな。地質学の才能もあったとはね。本当、北上は二十二世紀からやってきた猫型ロボットのように便利だ。



「どうだった?」

「これは溶岩ですね。つまりここは『(よう)(がん)(どう)』というわけです


「溶岩洞って?」



 俺よりも先に琴吹が聞いてくれた。



「簡単なことです。火山噴火の溶岩流で形成された洞窟ということです。富士山の付近にも有名な『富岳風穴』、『鳴沢氷穴』、『西湖コウモリ穴』といくつも溶岩洞があるんです」



 詳しすぎるだろうッ!

 静岡出身でもないだろうに、よく知ってるな。そんなの授業でも習わない気がする。



「さすが、絆」

「いえいえ、それほどでも。楓、この先は冷えますので防寒アルミシートを皆に配布してください」


「分かった」



 確かに、少し冷えてきたな。

 ただでさえ地下洞窟で冷気に当てられているが、この辺りになって寒くなってきた。調べてみると、0度だった。そりゃ、寒いわ。


 多少着込んでいるとはいえ、風邪を引いちゃうな。


 防寒アルミシートを貰い、肩にかけていく。なかなか暖かいな。



 溶岩洞の中を突き進むと、浅い湖があった。

 青く透き通るような水面が広がっていた。……なんて幻想的なんだ。



「みんな、足元に気を付けて」

「ねえ、早坂くん」

「どうした、草埜さん。耳打ちでコソコソと」

「ちょっと聞きたいんだけどさ」

「うん?」


「絆とは愛人なんでしょ?」


「――ッ! そ、それは……まあ、そういうことになってるな」


「なら、私は早坂くんのメイドさんになってあげる」

「メイド……メイドぉ!?」


「これでもコスプレイヤーなんだ、私」



 琴吹ってそうだったのか。ボーイッシュの見かけによらず、そういう趣味があったとは。でも、コスしたら美人メイドだろうなあ。



「いいの?」

「もちろんだよ。いつでもご奉仕するね」


「ありがとう、琴吹さん」

「私のことは楓って呼んでね、ご主人様」



 とても良い笑顔を貰った。なんだろう、幸せだ。


 上機嫌で先へ進むと、なんだか奥の輝きが増したような。



「……こ、これは」

「どうした、北上さん!」



 足元から何か拾った北上は、それを見つめた。なんかの硬貨? って、これは……まさか!!



「金貨ですよ、これ」



「な、なんだって!?」



 俺もだが、みんな驚いた。

 水面を照らすと、そこにはキラキラ光る金貨が無数に散らばっていた。……これ、全部が金貨なのか。


 俺も拾ってみると、それは間違いなく金貨だった。



「ちょ、たくさん落ちてるじゃん!!」



 天音も拾って、続くようにみんなも収集していく。こんな場所だけで、これほどの金貨があるのかよ。これで、いったい幾らになるんだ?


 だが、これだけじゃないはずだ。



「みんな、待て。奥に何かありそうだぞ」



 俺は懐中電灯を向けた。

 すると、突き当りには金銀財宝が山積みされていた。



 ……あった。



 本当に財宝がありやがったぞ!!



「こ、これがキャプテン・キッドの財宝……実在したんだ」

「ああ、天音。これで俺たち、大金持ちだぞ!!」



「やったあああああ!!」「やりましたね、啓くん!」「これで一生働かなくていいね!」「良かった。良かった……!」「うぉぉぉ、テンション上がるぅ!」



 みんなと喜びを分かち合う。

 こんな膨大な数があれば、一生遊んで暮らせるぞ!! これなら、みんなと幸せになれる。


 未来を思い浮かべていると――。



『ドオオオオオオオオォォォ……ン!!!!』



 急に銃声が響いて、北上が倒れた。



「…………ぁッ!!」

「北上さん、嘘だろ!!!」


「…………ぐ。右肩を撃たれただけです。こんなこともあろうかと、モルヒネを持ってきて良かった」


 器用に注射器を取り出して、傷口より離れた場所に打ち込む北上。まるで戦争慣れしているみたいだ。衛生兵要らずとはな。


 いや、そんなことよりも。


 闇の方を睨むと、そこには見覚えのある顔がいた。



「フハハ。ようやく追いついたぞ、ハヤサカ」

「てめぇ……マーカス!!」



 たった一人でマーカスは現れた。どこに潜んでいるかと思ったら、やっぱり尾行していたのか。


 UZII(ウージー)を向けてくるマーカス。やべえな、短機関銃かよ。

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