表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第三部:ハーレム生活Ⅰ
70/284

お姫様抱っことキスのチャンス

 ツルハシを使い、地面をガンガン砕いていく。

 これが意外にも砕けた。


 三十分ほど作業すると、汗だくになった。



「ふぅ、あと少しだ。もうすぐで地下に通じる穴が出来る」

「啓くんはお休みください。あとはあたしが」

「いいのか、北上さん」

「大丈夫ですよ。あたしは体力ありますので」


 残りは北上にやってもらうか。

 ツルハシを手渡し、俺はタオルで汗を拭った。

 まさか、無人島に来て土木作業的なことをするハメになるとはな。


 しばらくすると、砕いていた地面が貫通した。


 やっぱり、地下に通じていたんだ。



「おぉ、早坂くんも北上さんもお疲れ」



 天音から水を貰って、俺は喉を潤した。さすがに重労働だった。こりゃ、労働手当を貰わないといかんな。


 なんて冗談はさておき。


 地下があったか。



「……マジであったね。早坂くんの脳内地図って本当だったんだ」

「なんだ、信じていなかったのか大伊さん」

「まあね。私は半信半疑だった」

「それもそうだよな。でも、本当にあったろ」

「うん。今なら信じられるよ。さすがだねっ」


 なんだか褒められたようで、俺は嬉しかった。琴吹や草埜も俺を見て目を輝かせていた。


 こう女子に注目されると照れるな。



「さて、ロープを外の木に固定して垂らそう」

「そうですね。トーチカの覗き穴の向こうに丁度良い木がありますから、そこにロープを巻き付けてしまいましょう」


 その作業を北上に任せた。

 直ぐに完了して、いよいよ地下洞窟へ。


「暗くて怖いなぁ」


 ぽつっと言葉を漏らす琴吹。

 不安でいっぱいだな。俺もだけど。


「それじゃ、俺が先にいく。みんなは後に続いてくれ」

「先行してくれるんだ。早坂くん、カッコイイ~」

「どうも、草埜さん」


 照れ隠ししながらも、俺はロープを跨ぐ。……下、真っ暗闇なんですけど。

 海賊たちはこの穴を掘って地下洞窟に財宝を運んだのだろうか。確証はないけど、地図はここを指していたんだ。間違いはないはず。


 ここからはヘッドライトを点灯。


 周囲を注意深く警戒しながら降りていく。


 ……やっぱり洞窟か。


「下まで降りれた。約五メートルってところか」


『了解です。今から天音さんたちを降ろしていきます。あたしは最後に』


「分かったよ、北上さん。俺は下で女子たちを受け止める」


 そう伝えると、さっそく天音が降りてきた。まさかの二番目か。

 ロープを使ってゆっくりと降りてくる天音。

 かなり慎重だ。

 だが、手足が震えている。

 大丈夫なのか……?


「は、早坂くん……怖いよぅ」

「下を見るな、天音。ていうか、五メール程度だから、そんなに高くないぞ」

「高いって! あぁもう……暗いし、湿っぽいし……」


 ぐちぐち言いながらも天音は降りてきた。


「そろそろ手を離していいぞ。俺が受け止める」

「ちゃ、ちゃんと受け止めてよ」

「俺を信じろ」

「うん……」


 ロープから手を離す天音。

 俺は腕でキャッチした。


 オーケー、上手くいった。


 天音を一時的にお姫様抱っこする形になり、俺は少し頭がぼうっとした。


「天音……」

「はぅっ! 早坂くん、これは想定外だったね……」


 顔を真っ赤にする天音は困っていた。

 抱えながら立ち尽くしていると、上から指示を仰ぐ声が響いた。


『あの~、天音さんはまだですか?』

「あー、すまん。もう少し掛かる」


『了解しましたが、早くして下さいね』

「あと少しだ」



 あと少しだけ天音を堪能したい。



「天音……」

「早坂くん……今なら少しだけキスできるよ」



 天音から誘ってくれた。

 嬉しすぎるが、上を待たせるわけにはいかない。

 このお姫様抱っこで十分だ。



 次に大伊さんを降ろし、続いて琴吹……草埜と受け取った。後は北上だけだ。



「北上さん、あとは君が最後だ」

『ええ――むっ!』



 いきなり銃声のような音が響いて、俺は背筋が凍った。まさか、もうプロ集団が嗅ぎつけてきたのか……!?



「北上さん、大丈夫か!!!」

『なんとか撃退しました。すぐに降りますが……その前にトーチカを爆破します』



「マジかよ!! ダイナマイトを使う気か!!」


『三十秒後に爆発するようタイマーをセットします』



 時限式か!!

 降りてくる北上を俺はキャッチ。直ぐにダッシュで奥へ向かう。


 次の瞬間――。




『ドオオオオオオオオオオオオオオオオォォォ…………!!!!!』




 凄まじい轟音が響いて、トーチカのあった場所は崩落した。いくらなんでもやりすぎだが、しかし敵が向かってきたのでは……仕方ないか。あれだけメチャクチャになったのだから、もう塞がってどうしようもないはずだ。


 しばらくは安全と言えよう。


 さて、どこへ進むべきかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ