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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第三部:ハーレム生活Ⅰ
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財宝を狙う者たち上陸! 地下洞窟を目指せ

 顔は分からないが、少なくとも十人ほどが交戦状態だった。

 この無人島にこんな人数の人間がいたとは……。


 恐らく片方はプロ集団。

 明らかに装備が違いすぎる。


 撃たれている方は二人らしい。……って二人!?



「これ以上は危険か。ていうか、この戦闘はいったい何なんだ」

「さあ、分かりません。ですが……この島の情報は世間に知られていますからね。財宝を狙った組織が上陸していたのかも」



 地上にいるのは危険……ということか。

 さっさと地下へ潜った方が良さそうだな。


 巻き込まれないよう、俺と北上はこの場を後にした。



 * * *



 再び洞窟へ戻った。

 天音たちは奥へ向かったようだ。

 俺と北上も洞窟の奥へ向かう。


「さっきの戦場だけどさ、マーカスさんもいたのかな」

「マーカスが組織的に動いていたとすれば……ありえそうですね」


 ということは、五人以上いた方か。

 プロ集団がマーカスの組織したものだとすれば……納得がいく。


 だとすれば、かなり危険な相手だ。


 もし敵対することになれば……相手はガチの軍人だ。勝てる見込みはかなり低い。


 どのみち逃げ場はないんだ。

 死に物狂いでがんばるしかない。



 洞窟の奥へ辿り着くと警戒している天音たちを発見した。



「早坂くん! 待っていたよぉ!」

「おう、天音。みんなも」



 とりあえず、無事らしい。

 さて、そうなると……ここも危険。地上が戦場となった以上、留まるのはリスクが高すぎる。



「ねえ、ねえ。外で何があったん?」

「良い質問だ、大伊さん。浜辺では戦闘があった」


「せ、戦闘!? ガチのヤツ?」

「ああ、ガチのだ。銃器が使われていたし、あれは殺し合いだった。財宝を狙ってプロ集団が上陸したんだ」



 皆がざわつく。

 プロ集団と聞いて不安が広がった。だけど、事実だ。嘘をついても仕方ないし、いざという時に心構えがないとな。



「うそでしょ……」



 ビビって顔を青くする草埜は、頭を抱えていた。こんなつもりはなかったと、言いたげな表情だ。

 気持ちは分かるけど、俺はちょっと覚悟していたんだよな。


 あれだけ連日、大々的にニュースになれば、きっといつか財宝を狙う連中が現れると思っていた。それは見事に的中したわけだ。


 だが、現れたのは本物の軍人だ。


 分が悪すぎる。


 こっちは高校生で素人だぞ。

 敵うはずもない。


 だけど。


 地図を持っているのは俺だ。

 俺の脳内に唯一手掛かりがあるんだ。


 だから俺と皆の命だけは保証できる。これが俺の唯一の武器だ。



「ここもいずれ人が来ると思う。その前に地下へ」

「でも、どうやって?」


 今度は琴吹が手を挙げた。


「前に田中とアキラってヤツが地下洞窟を探索していたんだ。この島の地下は迷宮なんだ。そのどこかにお宝は眠っているはず」


「そうなんだ。行き方は?」


「俺の脳内地図によれば……森ではなく、前に琴吹さんが隠れていた『トーチカ』なんだよ」


 情報を伝えると、俺以外の全員が……特に琴吹が仰天していた。


「う、うそ!? あのトーチカがお宝の在り処なの?」

「多分だけど、あのトーチカのどこかに地下へ繋がる通路があるんだよ」


 なぜか知らんが、偶然トーチカが建ってしまったけどな。

 果たして地下へ行けるどうか。


 まずはあの場所へ向かい、調査してみよう。



「だけどさ、戦闘が起きてるんでしょ? 行けるの?」

「心配するな、大伊さん。トーチカの場所は正反対だ。このまま出られるよ」



 この通路は本当は埋めるつもりだった。だけど、あの橘川や倉島との対決でその必要もなくなっていた。だから、開通はしたままだった。



「急ぎましょう、早坂くん。モタモタしているとプロ集団に目をつけられるかも」



 北上の言う通りだ。

 先を急ぐ。



 * * *



 ナイトビジョンを頼りに暗闇を進む。

 なんとかプロ集団と遭遇することなく、トーチカに辿り着いた。


 ここも久しぶりだな。


 この場所では琴吹と出会った。


「おぉ、あんまり変わっていないや!」


 懐かしいのか、琴吹が嬉しそうにしていた。ただ、ここカビ臭いんだけどね。


 中へ入って懐中電灯を点灯した。

 なるべく下に向けて光を漏らさないよう意識する。



「……以前来た時には異変は感じられなかった」

「そうだね、早坂くん。私も散々調べたけど、なにもなかったよ」


 そうか、琴吹も調査済みだったか。

 普通に考えたら、この床のあたりなのだが……コンクリで覆われているだけだ。剥がそうにもなぁ。


 となると爆薬を使うしかない。



「使いますか」

「察しがいいな、北上さん」

「ええ、こんなこともあろうかと……父の知り合いの建設会社から拝領した『ダイナマイト』を持参していますからね」



 万が一も考えて、北上にはダイナマイトを持ってきて貰っていた。洞窟が塞がっている場合もあるし、あと敵を倒すのにも使えるからな。……なんてな。


 あくまで岩を粉砕する為の使用だけどさ。



「床を爆破してみよう。セット頼めるか、北上さん」

「ええ。扱い方は心得ております。ただし、物凄い音がしますし……彼等にも伝わるでしょうね」


「そこが問題だ。バレずに地下へ潜りたいんだがなあ」


「難しいでしょうね。というか、ここで本当に合っているんです?」

「ああ、地図の本当の位置はここだ。間違いない」

「分かりました。ならば、爆破するしか」


 爆破を考えたその時。

 草埜が手を挙げた。


「爆破だとトーチカごと吹っ飛ぶでしょうが。なら、ツルハシを使うべきじゃない?」

「ああ、そうか! その手があった」


 草埜には道具類を持たせていたんだった。忘れていたよ。

 ツルハシならコンクリを静かに破砕できるぞ。


 ……よし、やるか。

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