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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第八部:最後の無人島

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なんで俺を助けてくれた?

 電車で一気に移動して『宮崎市』に到着。

 良さげなホテルを予約して、そこまで向かうことにした。


 駅前にあるホテル宮崎へ。



「お~、デカいねぇ!」



 ビルのような建物がそこにはあった。

 横にデカく、オシャレなホテルだった。

 周辺にはコンビニが娯楽施設もあって活気もあるから、そう簡単に銃撃事件にはならないだろう。



「今日はここで一泊ですか?」

「そうだ、北上さん。結構いい場所を取ってみた」


「素晴らしいです。ここなら、のんびりできそうですね」



 木下さんには申し訳ないけどね。

 しかし本人は「気にするな、どうせ引っ越すから」と。なんだか本当に申し訳ないので、俺たちの資金から補償してあげよう。



「ホテル、ホテル♪」



 目をキラキラさせる桃枝は、異様にテンションが高かった。どうやら、ホテルが好きらしい。



「あのっ、哲くん」

「どうした、千年世」


「一緒の部屋とか無理ですか?」



 その瞬間、全員が俺と同室を希望した。……そうなるかっ。

 こうなると不公平が生じてしまうので、俺はやんわり断ることに。



「もう個室で予約済みだ」



 え~…とガックシうなだれる一同。なぜか木下さんも落ち込んでいた。なんでだよ!!



 ◆



 受付を済ませ、各々部屋へ。

 俺も自分の部屋へ向かった。


 七階の展望室でラッキーだ。眺めが良い方がいい。


 ベッドに身を投げて、俺は直ぐに眠気に襲われた。……最近、まともに眠っていなかった。寝不足だった。


 ……少し、寝よう。



 ・

 ・

 ・



【一年前】



「――早坂 哲。お前は本当にゴミだな」



 担任の声がした。

 ……俺はいったい。



 ああ、そうか。なんかの面談の最中だった。詳しくは忘れた。

 それにしても、担任は俺をゴミ扱いか。そうだ、こんなヤツだった。



「急になんです?」

「不登校気味で、成績も悪い。……お前の頭の中には何が詰まっているんだ? 先生に教えてくれ」


 思い出した。

 俺が最近、教室に顔を出さないから担任がブチギレていたんだ。今の時代にこの過激発言。かなりマズいだろうに、お構いなしだ。


 でも、正直俺はどうでもよかった。


 そろそろ学校を辞めてやろうと思っていたからだ。自主退学ってヤツだ。


 中卒にはなってしまうけど、構いやしない。プロゲーマーかヨーチューバーで食っていくさ。



「もういいでしょう。俺は帰ります」

「また逃げるのか。本当にどうしようもないヤツだ」



 さすがの俺も少しカチンきたが――いや、殴る価値もない。


 さっさと教室を出ようとしたが。



 ガラッと扉が開いた。



 そこには金髪の女子が立っていた。……派手な髪色をしているが、俺は人の名前を覚えるのが苦手なので名は分からなかった。

 確か、北だか西だかそんな苗字だったような。


 そんな彼女が鬼気迫る表情でこちらに向かってくると、担任をぶん殴っていた。



「ぎょほおおおお!?」



 派手に転がったな。



「申し訳ありません。手が滑りました」



 て、手が滑ったぁ……?

 明らかにストレートパンチだったけどな。


 まさか同じクラスの女子か。

 こんな美少女なら忘れるはずがないのだが――そもそも不登校気味の俺だ。他人にも興味がなかったからな。



「…………ぐっ! このことは校長に報告する! いいな!!」



 頬を押さえながら逃げ出していく担任。

 なんか知らんが助かった。



「ありがとう」

「いえ。あなたが困っていそうだったので」


「なんで俺を助けてくれた?」


「以前、あたしを助けてくれたので、お礼です」



 ……助けたっけ?

 まるで覚えがないのだが、ここまでしてくれたんだ。そうなのだろう。



「そうか」

「明日は修学旅行ですね」



 そんなダルいイベントもあったな。俺はもちろん行くつもりはなかったけど――でも。

 こんな可愛い女子がいるのなら少し考えてもいいかもしれない。



 そして、気づけば金髪の女子は笑みを浮かべて教室を出て行っていた。



 …………よし、行くか。

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