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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第八部:最後の無人島

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緊急脱出!! 目指すは長野

 なんとか車庫までたどり着いた。

 移動中も銃撃を受け続けたが、こちらに人的被害はない。


 うまく車へ乗り込み、運転席には木下さん。

 助手席に俺と北上さん。

 後部座席には天音、リコ、千年世。

 トランクの中には……小柄な桃枝と艾。


 なんていうか、完全に缶詰である。


 無理やり乗車したところで、一番に俺がヤバい。北上さんと完全密着状態でどうかなりそうだ……!


「……? どうかしましたか、哲くん」

「どう見たって、どうかするだろっ」


「ああ、お気になさらず。あたしはどこを触られても怒りません。むしろ、腰を腕で固定してくださると助かりますが」



 どうやら、車の窓から身を乗り出して援護する気らしい。


 車庫のシャッターが開いた途端には銃撃戦だろうからなぁ。


 ええい、仕方ない。

 背後からの殺意の波動が凄いが――気にしてる場合ではない。

 ここを乗り切らねば、殺されてしまうのだから。



「行ってください、木下さん!」

「わかった! 急加速するから、しっかり掴まってくれ!」



 シャッターが開き、外の景色が見えてきた。

 敵が潜んでいるようで、弾が飛んでくる。……やっべ、殺意ありすぎだろッ。


 さすがに拳銃のようだが、危険に変わりはない。


 北上さんは反撃を繰り返し、スピードローダーで素早く弾を装填。まるでガンマンみたいな手さばきで素早く射撃。


 敵の肩に命中させていた。


 俺はそこで、倒れている人物がスーツ姿の男であることに気づいた。あれは櫛家なのか? それとも八咫烏のメンバーだろうか。



 だめだ、分からない――。



 ◆



 姶良市(あらいし)を脱出し、ひたすら先へ進む。

 だが、このまま八人乗りはキツすぎるし、警察のお世話になる可能性が高すぎる。――ので、山の方面へ向かい、空き地で止まってもらった。


 すぐに車から降り、トランクの中の二人も救出。



「ぷはぁ……死ぬかと思った」

「……汗かいた……」


「桃枝、艾。二人ともよく耐えた」


「さすがに二人は窮屈(きゅうくつ)すぎだよぉ……」



 へとへとな桃枝は、その場にスライムみたいに崩れた。艾も同様だった。


 後部座席にいた天音たちも手足を解している。あれから一時間も経過したからなぁ……という俺も体の節々が痛い。



「撒けたって認識でいいか?」

「そうですね。今のところ追手の気配はありません」



 冷静沈着な北上さんは、そう判断を下した。


 というか、ほとんど倒していたしな。追ってこれない――が、正しいな。

 北上さんの弾の命中率は神掛かっているからなぁ……伝説の殺し屋に匹敵するかもな。


「さて、どうする?」



 俺に判断を委ねてくる木下さん。



「俺たちは長野へ行きます。木下さんは、家族の元へ帰ってあげてください」

「……最後まで付き合ってもいいが」


「危険ですよ。命を落とす可能性だってある」


「いや、大丈夫だ。日本の闇を暴くまでは付き合う。というか、気になって眠れないしな」



 いいのかなぁ……と、俺は北上さんに視線を送る。すると「いいのでは」とアッサリ。……いいのかよ。


 ならば、当面は木下さんも一緒だな。

 ……まあ、現役の刑事が味方にいれば、なにかと便利ではあるか。



「ねえ、早坂くん」

「どうした、天音」


「もうさすがに車には乗れないよね?」

「そうだな。これ以上はキツい。近くに駅があるし、電車移動だな」

「賛成。もう手足が(しび)れてキツイよ~…」



 みんな疲弊している。

 いったん、ホテルとかで休みたいところだな。


 金は死ぬほどあるし、まず資金には困らない。


 (ルナ)(ヒカリ)――おまけに雷とも合流したい気もする。が、これ以上、人数が増えるのもな。

 あの三人には、待機してもらっておくか。



「よし、みんな。十分休憩して、近くの駅へ向かう」



 全員、「お~…」と疲れと共に返事。やっぱり、ヘトヘトだな。


 どこかホテルを探すか。

 中古で買ったスマホを取り出し、俺はよさそうな場所をアプリで探していく。


 う~ん……うん、ここにするか。

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