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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第八部:最後の無人島

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武装する乙女たち

 リビングに集まると、全員集合していた。

 俺はさっそく桃枝から――ケムッキーさんから得た情報をみんなに共有した。



「……長野に!?」



 一番に驚く(よもぎ)は、顔を青くして震えているように見えた。



「どうした?」

「その……実家が長野だから……」

「マジか」

「うん。驚いたよ……」



 そうだよな。もしかしたら長野が戦場になるかもしれないのだから……そう思うと、恐ろしい話である。



「艾ちゃん、大丈夫?」



 天音が艾の様子を伺う。

 今は任せて置き、俺は話を進める。



「北上さん、どう思う?」

「……あたしはずっと考えていました」


「なにを……?」


「今までのことです。だって、おかしいでしょう。船が沈んだり、飛行機が墜落したり……事件が起きすぎです」



 確かに、偶然にしては出来すぎだ。誰かの“意図”を感じるよな。

 神様? あるいは悪魔か?


 ――そんなワケがない。


 そうだ。この一連の出来事には人間の意思が介在しているのだ。



「…………八咫烏」



 ぽつっとつぶやくリコ。

 誰しもが恐れるその単語に、桃枝がビクついていた。



「だよねえ、リコちゃんもそう思う?」

「うん、桃枝。だって、おかしすぎるよ……」


「このまま日本にいたら殺されちゃうよね。海外に逃げなきゃ!」



 と、桃枝はもともとの計画を改めて提案する。

 本来ならアメリカへ行く予定だったんだけど……風向きは変わってしまった。今は日本にいて、八咫烏を対決する方がいいかもしれない。

 問題を解決してから海外へ移住する。



「あの、哲くん」



 神妙な面持ちで俺に話しかけてくる千年世は、続けてこう言った。



「今、動けば八咫烏だけではなく、櫛家や警察などあらゆる組織が私たちを狙ってくるのですよね……?」


「そうだ」


「危険すぎるのでは!」

「そうかもしれないが、どうせ向こうからやってくるさ」


「…………むぅ」



 それから何度も話し合ったが、多数決により――長野へ行くことにした。今までとは違い、船や飛行機は使わないから、移動に関しては大丈夫だろうという判断で。


 それに、やっぱり八咫烏の正体を突き止めたい。

 なぜ、そんなに俺たちにこだわるのか。

 単に金だけの問題なのか。


 明日には出発しようと決まったところで――『バリン!』と窓ガラスが割れて弾け飛んでいた。



「…………!!」



 銃弾のようなものがガラスを破壊したんだ。



「早坂くん! 敵襲だ!!」



 木下さんが声を張り上げる。

 みんなはその場に伏せてやり過ごす。さすが訓練されているだけあり、対応が早い。



「……外に何名かいるようですね!」



 腰からコルト・キングコブラを抜く北上さん。リボルバーはやっぱりカッコイイな! ――じゃなくて、反撃するのか!?



 しゅたっと立ち上がり、銃を構える北上さんは発泡。


 凄まじい音が部屋中に響き、鼓膜がどうかなりそうだ……!




『……!?』




 外にいる敵もさすがに驚いて身を潜めたようだ。




「まずいぞ、絆。こんな場所で銃撃戦をしては、すぐに警察が来る!」

「木下刑事、車を出してください」


「無茶な! 八人も乗れるか!」



 俺、天音、北上さん、千年世、リコ、桃枝、艾――そして、木下さんとと大所帯だからな。どう考えても四人乗りの車に乗るなんて無理だ。



「運転席に一名、助手席に二名、後部座席に三名、トランクに二名これで七名いけます!」



 おいおい、本気で言っているのか!?



「北上さん、木下さんの言う通りだ。無茶だって」

「幸い、女性陣はほとんど小柄ですから、いけます……!」



 そりゃ、桃枝と艾は体格も中学生並みだけどさ――って、目がマジだ!


 桃枝と艾は「そんなの無理だよー!」と猛抗議していたが、外には複数の気配がある。さっさと逃げないと殺される。



「我慢してくれ、二人とも」


「な、なら……私はてっちゃんの(ひざ)の上でいい!!」

「あ、桃枝ちゃんズルい!」



 桃枝も艾も俺の膝の上を巡って、言い争いを始めた。ちょ、そんな場合ではない!


 外から発砲がはじまり、窓が完全に割れた。

 この部屋にいるのも危険だ。



「とにかく脱出だ!!」



 匍匐前進(ほふくぜんしん)で部屋を出ていく。その間に、北上さんがリボルバーで援護。いつの間にか千年世もデザートイーグルで戦闘に加わっていた。


 お前たち、いつの間に武装していたんだよ!

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