表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
260/284

銀行口座に約100億円

 無事に鹿児島に到着した俺と天音。

 さっそく、どう動くべきか思案する。


 今手持ちは何もない状態だ。

 だから、まずは『金』を作ることを優先にしていくべきだろう。


 さて、どうやって手に入れるか。

 スキマバイトをしようにもスマホがいる。


「ねえ、早坂くん」

「どうした、天音」


「……その、お金が必要なんだよね」

「ああ。俺たちは一文無しだ。銀行へ行こうにもキャッシュカードもない」

「そうだよね。……ならさ、緊急事態だし、わたしが体売ろうか……」


「え」


「だって、仕方ないよね」



 天音がまさかそんなことを言い出すとは!

 さすがに、いかがわしいお店で体を売るとかさせられない。


「ダメだ。天音の体は誰にも渡さない」

「……よかった」


「!?」


「早坂くんならそう言ってくれると思った」

「冗談だったのかよ!」


「ごめんね」



 舌を出して謝る天音。可愛いので許す……!


 とはいえ、今のところは立往生だ。身動きできない。

 これから先、どうすっか。


 腕を組み悩んでいると、一台の車が目の前に停まった。



 あれ、この車さっき見かけたぞ。



 運転席の窓が開くと、そこには出発したはずの木下刑事と古森の姿があった。やっぱりか!


「どうしたんです、木下さん」

「やあ、早坂くん。所持金がないんじゃないかと思ってね」


「え、ええ。って、まさか」


「三万だが使ってくれ」



 ぴらっと万札を差し出す木下刑事。

 マジかよ!!



「こんなに!?」

「その代わり、絆を探してくれ」


「北上さんを? もちろんですよ。全力を尽くします」

「頼んだよ」


 どうやら、木下刑事はこの前起きた転覆事故で北上さんが行方不明になっていることを掴んでいるようだった。そもそも刑事なので、そういう情報が入ってくるんだろうけど。


「分かりました。任せて下さい」

「じゃ、そろそろ行く」


 三万円を受け取ると、木下刑事は車を発進させて今度こそ行ってしまった。



「天音、木下刑事のおかげで三万円を入手した!」

「よかったー! これで何とかなるよね!」


「ああ。格安のスマホを買うぞ」

「うん!」



 そんなわけで、鹿児島市内にあるリユースショップへ。

 アナログな方法で道行く人に情報を聞いて回り、ついにお店に到着。そこで一万円のスマホを入手。三年前の機種だが、最低限使えれば十分だ。


 購入後、コンビニで使い切りタイプのデータSIMを購入。


 プリペイドSIMってヤツだな。


 3,000円ちょいで10GBのものを選択。十分すぎるな。

 それを中古スマホに挿入した。



「よし、天音。これでスマホが使えるぞ」

「へえ、スマホって使い切りのSIMがあるんだ。知らなかった」


「まあ、普通は大手ショップで月額契約が普通だからな。でも、世の中にはプリペイドでサブ機に使ったりする人がいるからね」


 もっと便利なものだとアプリで容量(ギガ)をチャージするタイプもある。アレはコンビニ買い物券だとか自販機のチケットもついていて結構便利。

 だが、今回は普通の使い切りタイプ。

 正直、通信速度も速いとは言えない。


「すごー! さすが早坂くんだね」


 俺はアプリのインストールを進め、ついに銀行アプリを入れた。


 IDとパスワードを入力。

 ログインを完了した。



「入れた。これで口座が使えるぞ」

「そうなんだ?」


「ああ、今時は銀行アプリだけでATMが利用可能だからな」



【三丼住永銀行】

【オバール支店】

【口座番号:XXXX-XXXX-XXXX】

【9,100,242,439円】

【POINT 0P】

【特典】

【振込・振替】



「……早坂くん、なんか桁おかしくない!?」


「…………へ」



 な、なんだこりゃあああああああ!?



 ――って、そうか。


 宝島で手に入れた財宝を売りまくったんだっけ。織田姉妹……(ヒカリ)(ルナ)が裏ルートを使ってやってくれたんだ。その結果がこれだ。


 なんと90億円もあった。


 こんな桁、初めてみたぞ…………。



 莫大な金額に、俺も天音も息を飲んだ。

 これだけあれば、なんでもできるぞ!


 いや、もちろんみんなと山分けするんだけどな。


 とりあえず、これで立て直す――!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ