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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第八部:最後の無人島

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漂着したカバンを手に入れた! 中身は?

 タコを食って腹を満たした後は、島の“反対側”へ向かった。

 まだ未調査の、未開の地である。


 この先に、古森刑事もいるのだろう。


 天音を連れて林を抜けていく。

 ケガをしないよう慎重に。


 そして見えてきた島の反対側。やはり、島自体がそれほど大きくないのか、直ぐに着いた。



「ここが反対側……」



 立ち止まる天音は、そこを見て少し残念そうにしていた。

 俺も同じ感想だった。


 反対側も、やはり何もない。


 だけど、まだ諦めるのは早いさ。


 先へ進み、浜辺を歩く。すると、古森刑事の姿があった。なにか集めているようだな。


「来たわね、早坂くん。天音さん」



 こんな場所でなにをしていたんだか。……ん、よく見るとカバンらしきものがいくつか。まてよ、これはもしかして。



「古森刑事、そのカバン」

「ええ。これは客船から流れてきた荷物でしょうね」



 そうか、やっぱり!

 船が大嵐で転覆し、沈没。その際に乗客の荷物が流されていたんだ。それが運よく、この島に流れ着いたものだろう。

 いくつか、こちら側に漂着したと――そんなところだろうね。



「カバンの中に何かあるかも!」


 期待に胸を寄せる天音。そうだな、これはチャンスだ。

 もしかしたらお菓子だとか、スマホが残っているかもしれない。


 可能性は十分にある。



「中身は確認したのか? 古森刑事」

「今、カバンを拾い終わったところ。合計三つ入手したわ」



 そこには、黒いリュックサック、レディース用のハンドバッグ、ビジネスバッグの三つがあった。

 十分すぎるぜ。

 それだけあれば、なにかしら使えるものがあるだろう。


 さっそくカバンをひとつひとつ確認していく。



 まずは黒のリュックサックだ。

 タオルやシャツなどの着替え……ペン、爪切りなど。チョコやガムなどのお菓子も複数出てきた。これは、ありがたいな! このリュックサックの持ち主はお菓子好きらしい。


「駄菓子が多いね」

「そうだな、天音。この人のおかげで少しは甘いものを摂取できるぞ」

「うん、本当にありがたい」



 続けて中身を見ていく。

 メモ帳、ポケットティッシュにハンカチ。小説の『そして誰もいなくなった』……これは、アガサ・クリスティの推理小説か。

 絶海の孤島で起きるクローズド・サークル。おいおい、変なフラグはやめてくれよ。



「これだけか?」

「そうみたいね」



 ため息をつく古森刑事。

 最後に出てきた小説が不穏すぎてな……。


 とはいえ、食料や小道具を得られた。収穫としてはなかなかだぞ。



「じゃあ、わたしがハンドバッグを見るね」



 天音が名乗り出た。

 そうだな、俺が女性物のハンドバッグを漁るわけにはいかない。


 小さなハンドバッグなので、中身はあまり期待できないか……?



 さっそく天音は中身を取り出して並べていく。



 いきなり小型タブレットが出てきて、全員息をのんだ。



「こ、これは! 当たりじゃないか!」

「わぁ、タブレット。これ、電源がつけばワンチャンあるじゃない!?」



 ようやく希望が見えてきた。

 でも、こんな無人島にWi-Fiなんて通っているのか。

 衛星インターネットの『スターゲイザー』でもあれば別だろうけど。


 タブレットは後にして、残りだ。



「天音、続けてくれ」

「う、うん」



 あとはコスメ類がいくつか。リップスティックだとか、ファンデーションだとか。……お、家のカギかな。


 それと……スマホ!


 スマホが出てきた!!



「あったわね!」



 ようやく欲しいモノが出てきたと安堵(あんど)する古森刑事。そうだ、これが一番欲しかった……!


 よかった、持ち主は二台持ちの人なのだろう。

 最新機種ではないから、サブ機として持ち歩いているとかだろうな。


 しかも、スマホ用の防水ケースに入れられた残量53%のモバイルバッテリーもあった。助かったぜ……!


 まさかハンドバッグの中にタブレットとスマホが入っていたとは。



「早坂くん、これで誰かに連絡取れるんじゃない!?」

「ああ。可能性はかなり高いぞ。とりあえず、もう少し荷物を探ろう」

「う、うん」



 最後に『ビジネスバッグ』だ。

 サラリーマンが使う標準的な手提げかばん。

 タブレットとスマホを入手した現時点では、もう不要かもしれないが……念のためだ。

 俺が中身をチェック。


 書類、ペン……絆創膏(ばんそうこう)や謎の粉。注射器など。



「この人は医者かな」

「かもしれないね」



 と、天音も同調してくれた。しかし、古森刑事だけは険しい表情だった。

 このカバンは以上だ。



 よし、さっそくスマホとタブレットをチェックだ!

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