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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第八部:最後の無人島

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謎の無人島

『………………』



 ん、んんぅ……?

 節々が痛い。筋肉痛というレベルを遥かに超えている。

 けれど、俺の顔だけはなんだか柔らかいものの中にあった。……な、なんだ、これ……?

 不思議な感触だ。



「……っ!」



 む? なんだか目の前に人がいるような感覚。


 いや、これはまさか!


 目を開けて身を起こすと、俺の顔は誰かの胸の中にあった。



「――って、うぉ!?」



 立ち上がると、そこには『古森刑事』がいた。な、なんでぇ!?


 頬を朱色に染める古森刑事は、俺を鋭い目つきで(にら)む。



早坂(はやさか) (てつ)……!」



 今にも拳銃を抜いて銃口を向けてきそうな、そんな殺気をヒシヒシと感じた。ま、まてまて。待ってくれ! わざとじゃないんだ。気づいたら、よく分からん浜に…………え。


 浜?



「ど、どこだ、ここ!?」



 見渡すと、宝島みたいな島にたどり着いていた。

 ま、まさか……また流されてしまったのか、俺たち。


 おいおい、ウソだろ。

 天音や北上さんたちの姿もないじゃないか。


 なぜか古森刑事しかおらず、最悪な空気だ。……どうすりゃいいんだよ、これ。



「……こんなことになるとは」



 俺の右腕を掴む古森刑事。やるせない表情を浮かべる。



「逃げませんよ。てか、逃げられない」

「そうね。こんな何もなさそうな島では……逃げ場はなさそう」



 しかも、今までの無人島とは違い、かなり狭そうだ。

 サッカー場くらいしかなさそうな気がする。

 ……ガチの無人島じゃないか、これ。



「どうしたものか」

「て、ていうか……私の胸を触っておいて、何かないの!」


 まだ赤面している古森刑事は、また思い出したのか抗議してきた。触ってはいない。顔が触れただけだ! 冤罪(えんざい)だ!

 しかも正直、天音たちより(ひか)えめすぎてなぁ……。

 感触はあったけど、ウーン。


「…………」

「ちょ、なによ、その反応!!」


 ぷんぷんと怒る古森刑事。まさかこんな喜怒哀楽(きどあいらく)のハッキリしている人だったとは。俺はてっきり、クールな人かと思ったんだがな。


 これから、どうしようかと思案していると『声』が聞こえた。



『…………ん、んん!』



 こ、これは!


 この浜のどこかだ!



「誰かいる!」

「え……」


 呆気に取られている古森刑事は置いておいて、俺は声のする方へ向かった。


 耳をすませば、その藻掻(もが)くような声は地面からした。ま、まさか!


 声のする場所を掘り起こすと――。



「ぷふぁぁ……!」

「あ、天音!?」


「は……早坂くん! 助かったよぅぅぅ……」



 わんわん泣いて俺に飛びついてくる天音。まさか、砂の中に埋まっていたとは……! 危うく窒息死するところだったな。

 俺が気づいて幸運だった。



「よかった、天音がいて」

「うん。またこんなことになっちゃったね……」


「懐かしいけど、嬉しくはないな。またイチからやらなきゃならんし」

「ここ、どこなの?」

「分からん。無人島なのは確かだ」


「……そ、そうなんだ」


 がっくし項垂(うなだ)れる天音。ですよねえ……。

 という俺も、これからどうするべきか悩んでいた。


 いや、ひとまずは仲間を探す。


 北上さんに桃枝、艾、リコ、千年世がどこかにいるはず。


 絶対に全員を探し出す……!

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