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ラブホで一夜を明かした

 体力を使い果たした俺。生気を吸い取られ、残りかすみたいになっていた。ヨボヨボすぎるお爺ちゃん状態だぜ。


「大丈夫?」


 心配そうに俺の顔を覗く天音。なんだかお肌がいつもの三割増しでツヤツヤだな。そういえば、行為を致すと美肌効果などがあると聞いたことがある。今、間近でその効力を目の当たりにしているのかもしれないな。


 自由時間ももう直ぐ終わり。

 しかし今日また集まるのも面倒だ。


「本日は各々好きなホテルやネカフェで泊ってもらうのはいかがです?」


 北上さんは、俺の心でも読んだのだろうか。合理的な提案をしてくれた。


「そうだな。いちいち全員集まらんでもいいだろう」


 というわけで、俺はグループメッセージを送り、一斉送信した。

 しばらくするとリコたちから連絡が入った。スタンプで『OK』と。明日の朝八時に京都駅前に集合となった。



「じゃあ、今日はこのままラブホで泊まる?」



 今度は天音の――もはや願望。というか俺もそれには賛成だった。このままラブホの方が楽だし、しかも快適だしな。


 部屋も風呂も広くて最高なんだよな。

 なんなら、ダーツやカラオケとかついているし、最近のラブホのクオリティの高さに驚くばかりだった。


 まともな観光もしたかった気がするが、気が向いたら夜間の散歩がてら向かってみるのもありだろうか。どのみち金なんて配り歩くほどあるのだから。


 その通り、夜になって清水寺を回った。

 天音にプロポーズを、そう思ったが北上さんにアッサリ阻止されてしまった。終わった……。

 求婚は諦め、またの機会とした。



 再びラブホへ戻り、余暇を過ごす。

 天音と北上さんは風呂に入ったり、ビリヤードなど娯楽に興じたりしていた。俺もそんな二人と共に過ごす。



「哲くん、二回戦目……シましょうか」



 なんてことだ。北上さん、元気すぎるだろう。当然、俺は欲望のままに突き進みたいのだが、如何せん戦闘を終えたばかりでエネルギーが残っちゃいない。ウルトラ賢者モードすぎてな。



「もうちょい経ってからで」

「分かりました。では、あたしは調べものをしていますね」



 Tシャツ一枚の姿でベッドへダイブする北上さん。その生足が大胆で俺は股間が熱くなった。……案外早く復活しそうかも。


 暇になった俺は、天音の元へ。



「ダーツ楽しい!」

「ずっとやってるよな。へえ、点数凄いな」



 点数で競うくらいしか知識がないが、しかしなかなか凄いな。

 俺も参加してみることにした。

 ダーツを遠投してみるものの、刺さることなく落下。むずいな。


 対戦してみるものの、天音が思った以上に上手くて俺はあっけなく敗北した。



「なんか、ごめん……」

「いや、俺の実力不足さ」



 正直かなり悔しかった。あとで練習しておこう。



 ◆



 ――気づけば朝を迎えていた。


 あのあと二回戦を果たし、それからダーツにもハマっていた。上達した俺は、今度こそ天音に勝つために対戦を申し込んだものの、本人が寝落ちしていたので不戦勝となった。……練習しすぎて眠い。



 俺も寝よう。




 アラームが鳴り、俺は起床した。

 ほとんど寝られず圧倒的な寝不足だったが、もう慣れた。顔を洗い準備を進めていく。天音と北上さんも荷物をまとめていた。


 スマホには『京都駅へ向かう』というメッセージが複数送られていた。みんなもう向かう気満々だな。



「よし、行くか」

「うん。一晩だったけど楽しかった」



 三十分前。まさかの三回戦目も天音から強要され、さすがに断った。気持ちはすっごく嬉しいのだが……もう、もやし以下の体力しか残されていない。無理、俺が死んじゃう。

 また別の機会に楽しむことにした。



 ラブホを去り――京都駅へ。



 タクシーを使い、到着。すでにリコたちの姿があった。みんな無事だな。



「みんな、ゆっくりできたか~?」

「うん。こっちは観光してたよぉ」



 桃枝が気だるそうに手をあげた。ほうほう、リコたちはあっちこっち回っていたようだな。しかも、八咫烏に繋がる情報も手に入れたらしい。



「早坂くん、もしかしたら有利になるかもしれない」



 真面目な顔してリコは断言した。

 マジか。

 そんな有益すぎる情報があるとしたら、俺たちかなり動きやすくなるぞ。


 さっそく報告を受けることにした。

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