表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
240/284

いつの間にかラブホにいた件

 各々行きたい場所があるということで、別行動を取ることにした。

 俺は天音と北上さんと移動することになった。


「じゃ、夜に京都駅で!」


 リコは手をブンブン振って艾、桃枝と共に行ってしまった。

 月と星、雷の兄妹組もどこかへ。



「よし、俺たちも行くか」



 タクシーへ乗り込み、場所は北上さんが指定した。きっと『清水寺』に違いない。

 この時はそう思っていた――のだが。



 おかしいと思い始めたのはタクシーが走り始めて十五分ほど経った頃だった。



 明らかに観光地から遠ざかり、街中に入っていた。



「……もう直ぐです」

「ちょ、北上さん。いったいどこを目指しているんだい!? 清水寺は過ぎちゃったよ」

「そんなド定番の場所よりも、もっと楽しいところです」


 そんな有名観光地あったっけなあ……。

 でも、北上さんなら間違いはないよな。


 ――いや、それは間違いだった。


 その場所に到着するや、真っ先に天音が顔を真っ赤にしていた。ていうか、タクシーの運転手である爺さんも気まずい顔をしているぞ。


 清算し、タクシーから降りた。


 そのデカイ建物を見上げ、俺はため息を吐いた。……なぜ、ここ。



「これは……なんだい?」

「ラブホテルです」


 真面目な顔して言い切りやがった。……おい! 北上さん!!


 天音なんかついに赤面して卒倒しそうなほど震えていた。



「ちょ、ちょぉ! なんでこんなところにー!」

「天音さん。まさか哲くんとシたくないんですか?」

「そ、それは……わたしはだってケガしてるしー! どうせなら観光地回ろうよぉ」

「京都なんていつでも来れますし」

「無理だよ!? 海外移住だってするんだもん」


 天音の言う通りである。近いうちにアメリカに行くし、そこから別の国へ移住する可能性も高い。日本にリターンなんてかなり低い確率になるだろう。



「でも、哲くんと肌を重ね合わせたい」

「……う、ぐ」


 そう北上さんからズイズイと問われ、天音は俺を見てきた。こっちを見られてもな……くっそ気まずいだけなんだが。

 ああ、でも俺としてはご無沙汰なので……ありっちゃありだ。



「この際ハッキリさせましょう、天音さん」

「なにを……?」


「どちらが哲くんを満足させられるか」


「え! わたし不利じゃん……」



 そうだ。天音は腕が動かしづらいのだ。完治していないからなー。無理はさせられない。



「そうでしたね。では……口で」



 ナニ言ってんだこの人ぉ! もー北上さん、一度マジになると止められないからなぁ。しかも、いろいろ高等テクをお持ちで。俺はいつも骨抜きにされちゃうんだよね。



「こんなところで口とか言わないでっ! 恥ずかしいってば!」

「こんなところだからこそです!」


 静止しようとする天音だったが、北上さんも一筋縄ではいかなかった。てか、性欲溜まりすぎだろう。アメリカ人の血かねぇ。


 こうなってしまうと天音はお手上げだった。俺もだけど。


「……降参だわ」

「では、ラブホへ入りましょう」


 凄いこと言いながら、俺の手を引っ張る北上さん。やべえ、目がマジだ。しかし、俺は嬉しいけどね!

 けどなぁ、天音が可哀想ではあるが。


「なあ、天音。俺と北上さんのプレイを見ていてもいいんだが」

「誰得! てか、切なすぎるから嫌。だったら今、早坂くんを誘惑するもん」


 そう言いながら俺の背後から抱き着いてくる天音さん。腕のケガのせいで密着というほどではないが、豊満な胸が背中に当たる。……こ、これは。


 いかん、確定で理性が吹き飛んだ。


 目の前にラブホあるし、もう行くしかねえッ。


 結局俺は、北上さんと天音を連れてラブホへ入った。



 そして、三時間に呼ぶフルコースを満喫。

 北上さんの前も後ろも激しいスーパープレイ。

 天音の丁寧な足使い。



 生きていて、良かったぁ…………!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ