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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第六部:財宝現金化

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一対一のスナイパー戦

 スコープを覗き、俺はヴァレンティンを探す。

 だが、その前には向こうから反撃され俺は身を隠すしかなかった。……クソッ、さすがプロか。

 俺の技量では勝てないかもしれない。

 でも、今まで何度も厳しい訓練を重ねてきた。

 実戦経験もある。

 俺は、俺の力を信じる――。



『小僧か。早坂 哲……お前では私には勝てんぞ』

「かもな。でもだからと言って諦めるつもりはない。それより、そっちの戦力はだいぶ削れているんじゃないか……!」


『私ひとりでも十分だ。ああ、そうだ……こうしないか。これより先は私とお前の対決だ。部下には手を出させん。お前も仲間に手を出させるな』


「大将同士で決着をつけようってことか……」


『そうだ、その方が合理的だろう』



 こちらは(ルナ)(ヒカリ)から受けた支援物資のおかげで、弾薬等は問題ない。ただ、天音が負傷してしまった。彼女を長時間放置しておけないのも事実である。さっさと船に乗せて病院へ連れていかねば……。



「…………っ」



 天音は苦しそうにしていた。

 艾の治療が進み、鎮静剤を打ってなんとか落ち着きを取り戻していたが……。しかし、このままでは容態は悪化するだろう。

 それは北上さんも理解していた。



「分かっていますね、哲くん。天音さんは危険な状態です」

「……ああ。こうなったら、ヴァレンティンの条件を飲むしかなさそうだな」

「いいんですね?」

「やるしかない。一対一(サシ)で決着をつける……」

「了解です。いざとなれば、あたしがヴァレンティンを撃ちます。卑怯と言われようが、仲間を守るためですから」


「きっと向こうも同じ考えさ。その時はやってくれ」

「そうですよね。では、お気をつけて」



 俺は『YES』の返事を出した。

 するとヴァレンティンの方から堂々と姿を現した。


「さあ、小僧。お前と私の戦いを始めようではないか……!」

「ヴァレンティン! 俺はお前を許さないぞ!」


 同じように俺も壁から身を乗り出し、姿を出した。

 向こうの残存兵は、気配的に二人か三人ってところか。残りの兵がきっと俺を殺そうとするだろう。だが、こちらには北上さんがいる。

 もし姿を出せば容赦なく排除されるだろう。


「許さない? なにを許さないというのだ」

「俺たちをしつこく追いかけ、この神造島にも上陸して……日本の領空や領海を侵犯した。そして、俺の大切な天音を負傷させた! 万死に値する!!」


「フ……フハハ。それがどうした! 日本政府は我々の味方。もう知っているだろうが、八咫烏が手を貸してくれた。貴様たちは政府に見限られたのだよ!! 宝島の財宝を盗み出した盗賊として認定されているんだぞ。どちらが悪かな?」



 ……な! 北上さんの言っていたことは本当だったんだ。秘密警察(NKVD)と八咫烏は本当に繋がっていたんだな。



「そうかよ。なら、俺たちは日本を出ていく!」

「残念だが、お前たちはここまでだ。早坂 哲……貴様は、平和ボケした日本人の中では、マシな人間だった。だが、ここまでだ! お前はここで死ぬのだ!!」



 ドラグノフ狙撃銃(SVD)を向けてくるヴァレンティン。俺も北上さんから借りた『DSR-1』を向けた。



「勝つのは俺だ!!」



 向こうも俺も引き金を引いた。

 弾丸が俺の右頬をかすめる。

 ヴァレンティンもバランスを崩し、倒れそうになるものの直ぐに反撃してきた。


 武器はなにもスナイパーライフルだけではない。


 俺はフラッシュバンのピンを抜き、投げつけた――!

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