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神造島生活、一日目

 少し時間が経ち、晩飯の準備も進めていった。

 今晩は初日ということもあり、簡単なカレーとした。


「人数分のレトルトカレーが用意できました」


 さきほどまで鍋で煮込んでいたレトルトだ。

 ご飯はもパックタイプのもの。


「へえ、これが電子レンジ。小さいね」


 天音が物珍しそうに『ポータブル電子レンジ』に注目していた。


 今年発売されたばかりのマギタ製の充電式電子レンジだ。

 価格も十万を超える高額商品である。

 しかもバッテリーは電動ドライバーなどで使うマギタ製の専用リチウムイオンバッテリーだ。

 つまり、電ドリなどの電動工具にもバッテリーを使いまわせるのだ。最近では、掃除機や扇風機も発売されている。



「これ高かったからな~。でも、小型で便利だからね」

「うん、これは可愛い電子レンジだね」


 しかし、ご飯を人数分も電子レンジでチンするとバッテリーの消耗も激しかった。予備があるとはいえ、あんまり高頻度では使えないな。

 とはいえ、ソーラーパネルとポータブル電源のセットもあるし、太陽がある限り発電は可能だ。


 晩飯が完成したところで、俺たちは万由里さんたちも呼んだ。


 全員が集合し、サイドオーニングでカレーを食べることに。



「おぉ、美味しそうだね! こんなに早く出来るなんて凄い」

「リコ。ネタばらしすると、これはレトルトだ」

「えっ!? マジ!?」


 信じられないとリコは驚いていた。

 ポータブル電子レンジのことを教えると、感心していた。


「というわけなんだ」

「すご! こんな家電があるんだね」

「今時は凄いんだぜ。なんでもかんでもポータブル化しているから」

「へえ~!」


 キャンピングカーには、ポータブルエアコンもあるし、ポータブルシャワーもある。もちろん、トイレもな。


 晩飯のカレーを食いながら、俺は桃枝に話を振った。



「桃枝、海外とかロシアの状況は?」

「うん、九州でロシア人を見たって情報が増えてるね。私たちを探しているのかも」


「ヤツ等はこちらを監視しているとも言っていた。けど、最近はその姿も見せていなかった。

 で、思ったんだが多分、ヴァーシリーだ。あの男が俺たちを監視していたんだ。けど、監視役は俺が抹殺した。だから、一時的に追えなくなったんだ」


 おそらく、俺を再び捕らえるつもりだったようだが、ヴァーシリーの計画は失敗に終わった。それは組織にも影響したようだな。



「なるほどね。櫛家に押し入った偽配達員ね」

「そうだ。ヴァーシリーは、NKVDの所属となっていた」

「ソ連時代の秘密警察か~。ありえなくない?」

「ああ、ありえん。とっくに解散している組織だぞ。桃枝、なにか分からないか?」

「うーん、さすがにね……。でも調べてはみるよ」

「頼む」



 飯を食べ終え、各々ゆっくりすることに。

 女子たちは水着に着替えて車外シャワーを浴びたりしていた。



「ねえねえ、早坂くん。この電動シャワー最高だね! 水圧も強いし」



 黒ビキニ姿の天音が満足そうに微笑む。

 水は貴重なのだが、この島には雨水を溜める人工貯水池がある。水はそこから引っ張ればいいので、かなりの生活水が使える。



「キャンピングカーの中に水タンクがあってな、100リットルも積んであるんだ。ちなみに、ひとり5リットルまでの使用制限だ」


 大体5リットルあれば十分に洗えるらしい。

 男の場合は、だが。


 けど、天音は髪が長いからなぁ……。

 もっと必要かもしれない。


「大丈夫だよ~。水浴びできれば十分」

「悪いな」


 けど、せっかく購入した無人島だ。

 島を好きなように開発するのもアリだ。

 ドラム缶風呂とか温泉とか作ってもいいかもな。

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