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新たな無人島『神造島』

 キャンピングカーをフェリーに乗せ終え、俺たちはラウンジへ向かった。

 少しの間だけ船旅だ。


「沈まないといいな……」

「不吉なことを言ってくれるな、天音」

「ご、ごめんね。でも、前と同じ船だから」

「確かにな。でも、隼人港から神造島はそんなに遠くない。ていうか、もう目の前だ」


「あのお山みたいな島だよね」


 そう、すでに見えている。

 港からおよそ10分といったところだろうか。


 上陸可能な港へ向かう。


 この為だけに櫛家があらかじめて手を回してくれて、作ってくれたものだ。



「到着しました」



 北上さんが状況を教えてくれた。

 もう到着か。

 さすがに早かったな。


 今回は『辺田小島』へ入った。


 以前のオーナーの趣味なのか、道がそれなりに整備されていた。とはいえ、昭和くさい舗装だ。


 船からキャンピングカーと物資を下ろした。



「では、私は隼人港へ戻る」



 船長である男が俺にそう言って、船へ戻っていく。こんな目立つ船を残してはおけない。


「助かったよ、千国さんによろしく」

「いや、こちらこそ面白い仕事をさせてもらった。物資が足りなくなったら、我々が責任をもって運ぼう。……では」



 数分後、船は隼人港へ戻っていった。



「よし、ついに上陸したな」

「ここが神造島……なんか森だね」



 不安気に天音は島を見渡す。

 確かに。多少人の手が加えられているが、ほとんど自然のままだ。


「そ、そうだな」


 道があるだけマシだが、ここまでとは。



「ねえ、てっちゃん。これは手入れが必要じゃない……?」

「そうだな、リコ。今日のところはこの港で過ごすとして、明日以降は道路を何とかしていくか」


「そうした方が良さそうだね」



 こんなこともあろうかと草刈り機や舗装用の工事アイテムも準備してある。これから、まずは道を作っていかないとな。


 いったん、キャンピングカーへ戻ると北上さんが荷物を整理していた。



「なにしているんだい、北上さん」

「生活の準備です。晩御飯も準備しておこうかと」

「なるほど、じゃあ、俺も手伝うよ」

「ありがとうございます」



 生活できるようにキャンピングカー内部を変えていく。

 物資は港から少し離れたコンクリート製の倉庫へつめていき、荷物を減らした。


 その後、俺は万由里さんたちの方のキャンピングカーの様子も見に行った。


 少し離れた場所に泊まっているキャンピングカー二号。


 サイドオーニングを展開し、その下にテーブルとイスを並べてみんなくつろいでいた。


「お~、こっちはキャンプモードか」

「早坂様、いらっしゃいませ」


 万由里さんが丁寧に迎えてくれる。

 すっかりチームに馴染んでいた。


 リコ、艾、桃枝とはよろしくやっているようだ。



「ねえ、てっちゃん!」

「ど、どうした桃枝……」

「ネット繋がったよぉ! スターゲイザーシステム優秀だよねえ」



 キャンピングカーに取り付けられている衛星インターネットアクセスサービス。アメリカの大金持ちが開発したものだ。それが現在では民間も利用できるようになっていた。


 もともとは宝島で設置されていたものだ。


 それを流用し、今も尚俺たちのもとで大活躍中だ。


 これがあるおかげでネットがどこでも繋がる。凄いシステムだよ、本当に。



「そりゃ良かった。これで引き続き情勢も調べられるな」

「うん、いろいろと調べて回ってるけど、今のところは宝島での軍事衝突で終わってるよ」


 あれから動きはない。

 ロシア人共の気配もない。


 まあいい、時間が進むほど俺たちが有利になっていく。


 財宝が売れていくからな。



「引き続き頼むよ、桃枝」

「いえっさー!」



 俺はいったん天音たちの方へ戻った。

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