表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第六部:財宝現金化

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

177/286

あと一週間

 NKVDだなんて信じられないな。


「居場所はバレてるようだ。ここも安全じゃないな」

「そうですね、留まるのは危険でしょう。早めに神造島へ移住した方がいいです。その方が戦闘もしやすいですし」


 北上さんの言う通りだ。

 いよいよ戦争となれば、無人島の方が戦いやすい。


 それに、櫛家にこれ以上迷惑は掛けられない。


 そんな風に考えているとリコが俺の肩を叩いた。


「ねえ、てっちゃん」

「どうした、リコ」

「さっき千年世から聞いたんだけど、もう島を買ったんでしょ~?」

「まあな。あとは必要な装備をそろえるだけだ」

「んじゃ、もう行っちゃおうよ~。その方が早くない?」

「それも……そうか!」


 リコの言うことは一理ある。

 このまま博多に留まっているより、さっさと無人島に移住する方が安全だ。


「あ、あのちょっと待って下さい」

「どうした、千年世」

「島の件ですけど、支払いは済ませましたが……上陸はまだ出来ないんです」

「なに!? そうなのか!?」

「ほら、面倒な手続きとかありますから」


 ……それもそうか。

 アパートとかの即日入居って、審査やら手続きやらで結局2~3日は掛かるらしいからな。それが『島』ともなればもっと時間が掛かるだろうな。


「そうかぁ……で、どれくらい掛かるって?」

「最短で一週間だそうです」

「い、一週間!?」


 さすがに掛かるな。

 しかし、待つことしかできない。出来ないが……まあ、無断で上陸しちゃってもいいけどな。


「行っちまうか……」

「え……?」


「もう手続きだとか関係なしにさ。どのみち俺たちの島だろ?」

「ダメです! バレると大変なことになっちゃいます!」

「たとえば?」

「契約不履行になっちゃいます。となると島は手に入りませんよ」


 いくら支払ったとはいえ、手続きをきちんと待たないと無効になるということか。それなら仕方ないな。


「分かった、待とう。一週間」

「そうしてください」


 けれど、櫛家に一週間は留まれないぞ。



「みんな、俺は千国の爺さんと話してくる」



 こうなれば爺さんに交渉だ。

 俺はさっそく部屋へ向かった。


 千国の爺さんの和室へ向かうと、ちょうど座ってキセルを吹かしていたところだった。



「……ん、啓か。どうした?」

「千国さん、ちょっと話があるんですが」

「さっきのロシア人の奇襲の件か?」

「そうです。俺たちは狙われている。だから、これ以上は櫛家に迷惑は掛けられない。だから……」


「出ていくつもりなんだな」


「ええ、俺たちは別の場所で一週間耐え抜く」

「そうか、島の譲渡が一週間後なのだな」

「残念ながら……」

「律儀だな、啓」

「契約を守らないと島をゲットできないんで」

「仕方ない。なら、まだ一週間はいるがいい」


「え……でも」


「迷惑とは思っておらん。むしろお前達が来てから楽しくなった。若い娘さんも多いしな」


 千国の爺さんは上機嫌に笑い、櫛家にいることを許してくれた。いいのかよ。下手すりゃ、ロシア人の手によって家が吹き飛ばれかねんのに。たとえば、戦闘機のミグとかで。


「戦場になるかもしれないですよ?」

「構わん。その為に武器庫がある。それにな、部下は全員戦闘経験がある猛者共だ。実銃の扱いにはなれておる」



 妙な説得力があるー!!


 爺さんがここまで言うんだ。断る理由はないだろう。それに、天音や北上さん、千年世たちと共に一週間、どこで潜むんだって話だ。

 となると、この櫛家が一番好都合。


 櫛家の力も借りれるし、なんとか……なるか!


「分かりました。お言葉に甘えさせていただきます」

「それは良かった。啓、お前には期待しているぞ」


 爺さんとの話を終え、俺は再び部屋へ戻った。


 みんなが心配そうに待っていた。



「どうでしたか?」



 北上さんが神妙な顔で俺に視線を送る。



「もう一週間住んでいいってさ」

「おぉ! なんと、それは驚きですね」

「そうなのか?」

「おじいちゃんが啓くんを認めたってことですよ。普通なら追い出していますから」

「マジかよ!」


 なんだか組織が組織だけに、複雑なところだが……強い味方であることに変わりはない。なんであれ、あと一週間だ。


 ここでしばらく暮らし、それから島へ向かう……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ