表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/284

ピンクダイヤモンドの約束

 精算し、牛丼屋を出て今度は櫛家を目指すことに。


 タクシーで移動して十分後。

 櫛家の前に到着した。


 到着と同時に黒服の男が現れ、俺たちの前に。


「ようこそいらっしゃいました、(あね)さん」


 姐さんとは北上さんのことらしい。

 厳重な警備の中、家の中へ案内されていく。昨日と同じ和室へ。

 座ってしばらく待つと千国の爺さんが現れた。



「来たか、絆。それと早坂と天音だったな」



 どうやら、俺と天音の名前を覚えてくれたらしい。へえ、これはちょっと意外だ。

 それから北上さんが交渉に入ってくれた。

 ここへ来る前にタクシーの中で自分に任せてくれと言ったので、俺は北上さんに判断を委ねることにした。


「おじいちゃん、ダイヤモンドの件ですが」

「もう結論が出たのかね」

「ええ、ピンクダイヤモンドは差し上げます」

「ほお?」

「ただし、我々の移住が完了してからです」

「というと?」

「我々は現在、ロシア人や世界の組織から狙われています。なので、味方が少ないのですよ。せめて櫛家だけでもバックにつかせたいという思惑です」


 北上さんはそんな風にぶっちゃけた。

 すると千国の爺さんは豪快に笑った。


「クワッハッハッハッハ!! 絆、お前は私に最後まで面倒を見て欲しいと言いたいのか」

「要はそういうことです」


「気に入った! 気に入ったぞ……! さすがあの父親の娘よ」


 愉快そうに笑う千国の爺さん。

 上手くいきそうかな。


「いかがでしょうか?」

「80億が手に入るのだ。リスクを背負うのも、やぶさかではない。よかろう、お前達を全面的にサポートしよう」

「ありがとうございます、おじいちゃん」


「よいよい。武器も何かも好きに使え。男共も自由に従えよ」

「本当に助かります」


 今後は俺から、爺さんに今後のプランを明かした。


「千国さん、実は俺たちはこれから鹿児島の神造島(かみつくりしま)を購入して移住しようかと思うんです」

「……神造島? ああ、あの無人島かね」

「そうです。あそこなら戦闘をしても被害は出ないので」

「なるほど、考えたな。しかし、神造島を購入とは……そんな資金があるのか?」


「ええ、三億円しますけど、それくらいは大丈夫です」

「大金は惜しまんということか」

「リスクを考えたら安い投資ですよ」

「早坂、お前は高校生にしては頭のキレる男よ。気に入ったぞ」


 なんか褒められたな。

 俺は凡人高校生だったと自負していたが、確かに普通とは違う経験を経ている。残酷で最悪な運命に立ち向かってきたから、俺はいつの間にか浮世離れしていたのかもな。

 言われてみれば裏社会のことには詳しくなったような、そうでもないような……。



「なので、武器や生活用品の運搬の協力を要請したいです」

「ふむ、いいだろう。神造島を入手したら、いつでも連絡をするがよい」

「ありがとうございます」

「それで、今からどうするのかね」

「島を手に入れるまでは、ロシア人の動向を探ります。つけられているものですから」

「そうか。この家も狙われるかもしれぬな」

「はい、なので……お気をつけて」

「なぁに、我が家はその為に備えている」


 そうだな、あんな武器庫があるんだ。それに舎弟も多くいるようだし、今も二~三人がこちらを威圧している。

 気配を探る限り、百人はいるようだ。


 きっと大丈夫だな。


 そう思っていると――。



『ズドドドドドドドドドドド――!!!!!』



 外で爆発音のような音が響き渡った。

 な、なんだ……!


 この爆撃みたいな音!!



「お、おい……まさか!!」

「啓くん、これはロシア人では!?」



 くそっ、ヤツ等ここまで追って来たか!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ