表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/284

甘えたい気分

 天音は、俺の体に触れてくる。

 小さな手が触れてくすぐったい――けど、気持ちい。

 段々と興奮が増していく。息が乱れ、熱も帯びてきた。


「……早坂くん、また筋肉増えたね」

「動いてばかりだからな。最近マッチョになってきた」

「筋肉ある人、好き。かっこいい」


 特にトレーニングしたわけではないが、日々の鍛錬や戦闘で自然と体が引き締まっていた。


「天音、今日はどうした」

「最近忙しかったから、今は甘えたい気分」

「そ、そっか。それは嬉しいな」


 俺はさりげなく天音の体に触れていく。

 細くて小さくて折れちゃいそうな腰。

 そこからスカートの方へ手を忍ばせていく。しかし。


「……は、恥ずかしい」

「気にするな。今二人きりだし」

「そ、そうだよね。好きにしていいよ」


 俺の方へ身を委ねてくる天音。体はやや震えているが、無抵抗で身を差し出してきた。ここまでされては恥を掻かせるわけにはいかない。それに、俺自身も久しぶりに天音が欲しかった。


「じゃあ、遠慮なく……」

「痛くしないでね。優しくね」

「もちろん」


 我慢の限界に達した俺は、天音を押し倒した。


 その後のことは無我夢中すぎて覚えていない――。



 * * *



「――――」



 天音のヤツ、優しくと言った割には自分から激しく求めてきた。おかげで俺は体力を使い果たしてしまった……。

 今日もう緊急用シェルターどころではなくなってしまったぞ。


 ヘトヘトになった俺は地面に倒れ、魂が抜けた状態に陥っていた。


 肝心の天音はお風呂へ行ってしまった。

 あれだけ汗だくになったんだ、汗を流したくもなる。

 俺もあとで風呂へ行こう。


 休憩していると、車庫に人の気配が。


「てっちゃーん、様子見に来たよー」

「なんだ、桃枝か」

「なんだ、じゃないよ。愛ちゃんといい、ぜんぜん姿を現さないんだもん。なにしてたの?」


「そ、それは……」


 言えるわけない!

 ここで天音と汗まみれになるまで凄いこと(・・・・)していたなんて。


「あ~! 言えないようなことしてたんでしょ!」

「いや……そんなことないぞォ!?」

「なんか声が上擦ってるよ」


 怪しい~と視線を向けられ、俺は心臓がバクバクになった。やべえ、バレると大変なことになるぞ……! と、思ったけどそうでもないか?


「本当だ」

「嘘だね」

「なぜ断言できる」

「だって、てっちゃんってウソをつくの下手だもん。ここで愛ちゃんとえっちなことでもしていたんでしょ」


「……そんなストレートに」

「今更じゃん。ていうか、私もしたい」

「へ!?」

「私だって、てっちゃんのこと好きだもん」


 そうだな、俺はみんなと付き合っているといっても過言ではない。成り行きというか、自然そうなってしまった。


「でも、また今度な。もうヘロヘロだ」

「だめ。今からしよ」

「なにィ!? 無理だ。死んじゃうよ、俺が」

「だーめ! 今すぐしないと、もう財宝を現金化してあげないよ」


 なんだその条件!

 俺は、桃枝とやるしかないのか……。嬉しいけど、今は体力がっ!


 困っていると桃枝が俺の服を剥ぎ取ろうとした。だ、大胆すぎるって。


「も、桃枝……!?」

「言っておくけど、私は結構激しいのを所望するから」

「ひ、ひえぇぇ……!」


 その後……俺は魂まで(しぼ)り取られてしまった。


 ………もうムリ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ