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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第六部:財宝現金化

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夜襲作戦

 拠点へ戻ると、そこには千年世が立っていた。


「ご無事でなによりです!」

「千年世もよくやった」


 千年世にケガはない。家も無事だった。

 となると、島に来たホワイトウォーターは壊滅したって認識で良さそうかな。


 家の中に戻り、みんなと合流を果たした。


「おかりなさい、早坂くん!」

「ただいま、天音。こっちは変わりないか?」

「うん、特に問題なし。そっちは?」

「こっちは敵を排除した。恐らく全員倒したはずだけどね」


 桃枝のドローン映像に視線を移す。

 そこにはオーハ島全体のマップが映し出されており、脅威はないとAIによって判定されていた。これならもう襲われる心配はない――はずだ。


 けれど、俺はなにか嫌な予感がしていた。

 気のせいだと思いたいけど。




 ◆◆◆ 奥武島 ◆◆◆



「やはりか」


 ホワイトウォーターのボスは、オーハ島で起きていた爆発と戦闘に納得していた。


「ボスの予想通りでした。彼等は武器を持ち、罠を張っていた」


 なぜか生存しているメイスが直ぐ隣の島を見て驚く。

 そのまた直ぐそばでロスも冷やっとしていた。


「ボスの指示通り、捕虜を使って様子を見る作戦が上手くとは」

「わざわざ本国から連れてきたからな」


 そう、オーハ島で死亡したのは捕虜だった。ボス、メイス、ロスは死んではいなかったのだ。

 ボスは、こうなることを予見して先に捕虜を使い様子を見たのだ。


「しかし、よく分かりましたね」


 驚くばかりのメイスは、戦闘準備をしながら感心していた。


「多くの激戦地を切り抜けてきたからな。その経験が私を強くした。いいか、メイス、ロス。十分後に我々が向かう。罠の位置は全て頭に叩き込んでおけ」


「「了解」」


 ホワイトウォーターの本当の夜襲がはじまろうとしていた――。




 ◆◆◆ オーハ島 ◆◆◆


 ホワイトウォータの撃退が終わった。

 だが、まだ残党がいるかも分からない。

 しばらくは見張りを交代で警戒することに。


 今日のところは様子見かな。


 俺は寝ずに一夜を明かすことにした。



 ――翌朝。



 無事に夜が明けた。

 あれから襲撃はなく、敵はあの三人組だけと理解した。これ以上はないと信じたい。


「眠いな……」


 一睡もせず、ネットや動画を見ながら時間を潰した。さすがに眠い。


「お疲れ様、早坂くん」

「おう、天音。夜明けのコーヒーありがと」


 天音からカップを受け取り、俺はコーヒーを飲んだ。脳が少し回復した。


「あれから何もなかったね」

「うん、ホワイトウォーターは壊滅したのかもしれないな」

「三人だけだったのかな」

「ネットで海外掲示板を調べていたんだが、ホワイトウォーターは縮小しているようでな。人数もかなり小規模になっているという。だから、そんなに人数はいないはず」


 日本へ大人数で来るほどアホではないだろうし。

 つまり三人あたりがベストなわけで、夜の人数からして間違いない。


「そっかぁ、じゃあ安心だね」

「ああ、また襲撃があっても俺がなんとかするさ」

「頼りにしてるよ、早坂くん」


 それから、俺は仮眠を取ることにした。朝になればもう大丈夫だ。

 そのままリビングで横になり――直ぐ眠った。



 …………。



 体を揺すられた。

 ふと目を開けると、そこには(よもぎ)の姿が。なんだか珍しい。


「おはよ、艾」

「おはよう。もう夕方だよ」

「なにっ、もうそんなに経ったか……。みんなは?」

「みんなは島を守るためにトラップ再設置とか、周辺に敵がいないか見回り中だよ」


 そうか。俺はあれから随分と眠っていたようだ。仮眠のつもりが完全に寝落ちしていた。けど、何事もないようで良かった。


 安堵していると艾が立ち上がった。


「ケガはもう平気か?」

「う~ん、まだ本調子ではないね。とりあえず、早坂くんにお礼の料理を作ってあげるよ」

「えっ、艾って料理できるんだな」

「ふふーん。これでも家庭的なんだよ」


 自信満々に腕を捲る艾。そういえば、彼女とはあんまり話すタイミングがなかった。これは良い機会かもしれないな。

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