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クラスメイトの美少女と無人島に流された件  作者: 桜井正宗
第五部:禁断の島

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『監視塔』生活開始!

 監視塔を立ち去り、いったん俺たちの拠点へ戻った。

 随分と時間を食ってしまって日が傾いている。これ以上はみんなを心配させてしまう。

 それに、監視塔であったことを天音や北上さんたちに報告しないと。


 急いで戻ると、小屋は無事だった。


 良かった、異常はないようだ。



「おかえりなさい、啓くん」

「やあ、北上さん。見張りしてたんだ?」

「もちろんです。それに、啓くんが戻ってくる気配があったので」

「なるほど、そういうことか。とりあえず、収穫があったからみんなに報告したい」

「分かりました。全員に召集をかけますね」



 ――数分後。


 俺、天音、北上、千年世、アベリア、トム。そして、捕虜のアドハムが……って、コイツはいらないだろ!?


「捕虜の男……アドハムはいらんだろ」

「それが捕虜のアドハムは、協力姿勢を見せてくれているんです。もちろん、信用はできませんが……。トムによれば、彼は神に誓って裏切らないと」


「そんな安易な。絶対裏切るだろ」

「いや~、それが小屋を建ててくれたり、薪を拾ったり、いろいろしてくれるので今日はかなり助けられたのです」


 それは信用させる為にやっているだけじゃ……。まあいいか、裏切る素振りを見せれば、即刻処刑するしかないし。


 俺は、みんなに『監視塔』のこと話した。

 待機組だった全員がビックリしていた。


「早坂くん、監視塔があるって……」

「ああ、テロ組織の建てたものだ。間違いない」


 なにか考えているのか北上さんは怪しんでいた。


「妙ですね。こんな島にわざわざ監視塔だなんて……」

「ああ、テロ組織の目的がこの島の占領にしてはやりすぎ感はある。まあ、ヤツ等の本拠地なんだろう」


「そう考えるのが妥当そうですね。それで、今後はどうしましょうか?」

「監視塔を乗っ取ろうと思う」


「え……監視塔を、ですか?」


「ああ、どうせラウルってヤツが襲ってくるなら、その方がいいだろ」

「なるほど。あえて監視塔を占拠して迎え撃つのですね」

「武器も弾薬もあそこなら、たくさんあるしな」


 食料や安全な寝床、それにシャワーだってある。

 こんな不衛生な場所よりも、よっぽどいい。


「私は賛成ですね。師匠、早坂くんの作戦に乗りましょうよ」

「千年世さん……。仕方ないですね」


 決まりだ!

 この小屋拠点を放棄し、監視塔を奪う。


 そんなわけで、荷物をまとめて出発だ。



 * * *



 歩いて三十分。

 監視塔に到着した。


 敵の気配はまったくない。


「これなら、余裕で占拠できそうだな」

「でもさ、セキュリティが凄そうだよ?」

「天音、実はな千年世が全部突破してくれたんだよ」


「うそー! こんな何桁もありそうなのに……」


 俺の隣で照れる千年世。

 偶然とは全てのセキュリティを破ったからな。ハッカーよりも天才かもしれない。


 塔の中へ入り、北上さんが驚く。



「これほどとは……啓くん。これはアリですね」

「良かった。普通に生活できるしさ、それにリコの迎えも来るかもしれない」

「どういうことですか?」


 俺は、この監視塔に通信衛星・スターゲイザーがあることを話した。



「というわけで、ネットが使えるぞ」

「なんと!! それは朗報すぎます!」



 現代人にとってネットは必需品だ。

 なにより、連絡が取れるからな。


「リコたちが今、こっちに向かってくれているはず。俺たちはこの監視塔で島生活を続けるしかない。敵がきたら迎え撃つ……それだけだ」


「どうやら、もうその手しかないようですね」


「ああ、この北センチネル島はインドが立ち入りを禁止にしている島だ。迂闊にインド政府に連絡なんてすれば、逮捕されかねん。周辺国に助けを求めるのも無理だろう」


「その通りです。我々だけで脱出するしかありません」


 そんな話をしながらも、最上階の部屋に到着。


「わぁ、ここ凄い。快適じゃん」


 天音がテンションを上げて周囲を見渡す。


「シャワーもあるぞ」

「マジー! それは嬉しすぎる! 直ぐ入りたい」

「女子たちはそうるといい。俺は捕虜のアドハムを下の部屋に移動させる」

「分かった。気を付けてね」



 女性陣は交代でシャワーを浴びるようだ。なら、俺とトムは、アドハムを中間地点にある寝室へ放り込む。


「トム、俺たちはこっちだ」

「ワカッタ」


 アドハムを逃げられないよう、ロープできつく縛り、更に手錠もしておいた。コイツがいれば、とりあえず人質には使える……はずだ。一応、まだ貴重な情報源でもあるしな。


「……」



 アドハムは、トムに何か伝えていた。



「なんて言ってる?」

「オレハ、テイコウ、シナイッテ」


「……テロ組織のメンバーの言うことなんて信じられるかってーの。大人しくしていれば、酷いことはしない。そう伝えてくれ」


「オウ、マカセロ」



 トムはアラビア語を流暢(りゅうちょう)に話して、アドハムに伝えていた。本当にアラビア語に精通しているんだな、トムは。


 俺はアドハムを寝室に閉じ込めた。


 さて、上の階の……その扉の前で待機だな。


 それまではトムと話すことにしよう。

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