お礼と今後
城壁の中には、典型的な中世の町並みがあった。
魔法があるためか、他の転生者のせいか、下水道や水道の設備はあるようだ。
「さて、取り敢えず、ご飯食べるか」
オッサンは、隣で先程からぶつぶつ呟くリーネにそう聞く。
「む、そう、だな。その前に、少しばかり冒険者ギルドによらせてくれ」
「ああ、分かった」
道がわからないため、彼女の背を追う形で、歩く。
そうしていると、何やら石で出来た二階建の横長な建物までやってくる。隣には食堂があるそうで、人の喧騒が聞こえてくる。
リーネが受付に立ち何やら話している。
暫くすると、革の袋から何かだし、変わりに革袋で銀貨を受け取っていた。
ギルドの外から除いていたオッサンの所に、また来る。
「いや、待たせてしまってすまない。では食事に行こう。良い店を知っている。付いてきてくれ」
そうしてやって来たのは、木造建の、何処か気品を感じるような、綺麗な店だった。
「今日は私のおごるだ」
言われるがまま、案内されるがままに座る。
ふかふかの椅子に座り、意識を取り戻した俺は、申し訳ない、と謝る。
「なに、命を救って貰ったんだ。礼には及ばない」
「分かった。ありがとう」
そう言って、食事にありつく。
マナー等は、体が勝手に覚えていた。
まあ、元国王さんですからね。
「それで、だな。蒼太殿は確か、田舎に引っ込むと言っていたような気がするのだが…」
「ああ、その通りだ」
「そうか。では今回のお礼と言うことで、王都の家に来ないか?その、住むところが決まるまでの間」
ふむ、悪くないかもしれない。
この世界の通貨や家についてはトンと素人だし、お金がない。
作ろうと思えばできるが、なるべく目立つことはしたくないしな。リーネの家で、ゆっくり考えるのも良いだろう。
このように考えたオッサンは、頼むことにした。
「では、申し訳ないが、少しばかり居候させて貰う」
「ああ、構わんさ」
そこでオッサンは、疑問に思ってたことを言う。
「ところで、王都に家があるなら、何故こんな辺境にいるんだ?」
「いや、そう大した理由ではないのだ。ただ、少しばかり魔王軍近い都市の様子を診に着ただけで 、な」
「成る程、まあ、魔族に召喚されるとは思わなかったが、何とか無事に帰ってこれたし、特に異常は無かったんじゃないか?」
「ああ、そう報告するつもりだ」
頷きながら、料理を食していく。
やがて、料理がなくなり、今夜の寝床を探そうと焦るオッサンに声がかかる。
「すまないが、このまま王都に向かおうと思う。申し訳ないが、今日は馬車内での睡眠になってしまう」
申し訳なさそうにそう言うリーネさん。
これに対してオッサンは、非常に感謝していた。
「マジか、そこまでしてもらって良いのか?」
「当たり前だ。魔王軍に囲まれた中で、助けて貰ったんだ。本来、あそこで死んでいても不思議では無いのだ。それ故に、蒼太殿が不利になるような事はしないし、むしろお礼をすべきだろ?あそこで人生何回分助けられたのか、分からないからな」
事実、彼女はオッサンが一人一人を攻撃している間、魔王という恐怖の象徴に間近であい、身動きが一切取れなかったのだから。
「分かった。その礼を受け取っておこう」
格好着けたように着けたようにそう言うオッサン。
それに対し、微笑むリーネ。
その晩のうちに、二人は王都の旅立った。
そして、数日後
王都にて。
オッサン事蒼太は、リーネの屋敷にいた。
リーネはどうやら大貴族だったらしく、貴族の住む区画でも、一等大きな屋敷を持っていた。
屋敷での生活の説明を受け、部屋を貰い、今後のことを考える。
取り敢えず、気楽にお金を稼ぎつつ、王都の一軒家を買う。
当面の目標はこれで良いだろう。
場所が王都になってしまったが、王都もかなり広い。その中で少しばかり大きな家を買って、自給自足生活をするのも良いだろう。
オッサンは、王都での生活を夢見て、笑うのだった。
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三日後
此は、まずい。
非常にまずい。
何故まずいかというと、この三日間、仕事の報酬が銀三十枚、王都の普通の一軒家は銀貨三十枚、食費が削って、1日銀貨9枚枚、残りが銀貨三枚。
因みに
銅貨十枚で銀貨一枚
銀貨十枚で金貨一枚
金貨百枚で白銀貨一枚
白銀貨百枚で白金貨一枚
この家は白金貨六十枚、銅貨で六千万枚
無理じゃね?
と思ってリーネに相談したところ、俺が取っている仕事は掲示板にあるもので、その様な仕事は浮浪者やるよな物が多いとの事、そう言う人間は何かやらかして、冒険者いられなくなった人間らしい。そして、給料の言いと思うのだが日雇いや、月雇いは冒険者ギルドが持っていってしまうため、その辺には残ってないらしい
畜生。
普通の仕事は日雇いで、銀貨二十枚程らしい。
うん、それくらいないとおかしいよね?
と、今更ながらに気付き、リーネに冒険者ギルドの仕事を貰うよう頼み、冒険者でなくともそういった仕事が引き受けられるようになった。
因みに、モンスターを倒して換金するのも良いらしい。