夢の中
夜夢の中で、俺は赤いロン毛の男と話をしていた。
イケメンだ。ムカつくなおい。
どうせなら美少女にしろや。
「ほぉ、お前が俺の次を担う者か」
イケメンがしゃべりだした。
「えっと、次を担う者ってなんだ?」
俺が疑問を口にして出すと、イケメンが話し出す。
「その体はな、魂と外見以外は変わらぬようにできている体なのだ。その体は今はお前の者だからお前のような容姿をしている。だが、俺は王だった。故に、王と言う職業も含まれているわけだ」
なるほど。つまり、その時この体に入っていた人間の職業やステータスはそのままというわけか。
何これ、チートすぎね?
「まあ、その体になじむのも時間の問題であろう。故に、他の記憶が混じっているが気にすることはないぞ?」
イケメンが軽く説明を終えたかのように黙る。
「あの、じゃあ、俺はこの世界で何をやればいいんですか?」
イケメンが間髪入れずに答える。
「知るか。やりたいようにやれ、俺もそうしてきた」
なるほど。とりあえず、お金貯めて隠居しよう。
「そうだな。それが貴様にとっては一番良い方法だろう」
うん?今俺、口に出していたか?
「いや?ここは貴様の夢の世界だ。故に、貴様がしゃべらなくとも意思疎通など容易だわ」
な、なるほど。
俺は唖然とする。この世界は本当に夢の中なのだろうか。
あとさっきの言葉が一番気になる。
「どこの部分だ?俺と貴様が会うのもこれで最後だ。なんでも聞いて構わんぞ?」
さっきから、この人偉そうなんだが?
「まあ、王だからな?雑種に気を使ってどうする?」
あ、ハイ、そうですね。
で、先ほどの、俺にとって一番良いとは?
「ン?気づいておらぬのか?ステータスにあったであろう?ほら」
俺はステータスを見る。
ん?特に変な場所はないが。
「よく見よ、下の状態異常のところを」
状態異常?あ、本当だ。あった。
状態異常
(不変)不老
死ぬまで生き続けることが出来る。
状態異常は売買できるため、不変の事実ではあるが、不老が消えることは多々ある。
偽造
偽のステータス情報を構築し、自身の身分や情報を偽ることが可能。
ただし、その偽造ステータスに自信の身体能力がなるわけではない。
なるほど。これか。
「そう、その通り。このような状態異常。他の者にとってみれば喉から手が出るほど欲しいものだろ?であれば、貴様は田舎に引っ込んで認知されない場所い行くか、襲い来るもの全てを殺すか、の二択だ」
マジか
「マジだ」
なるほど。ますます田舎に引っ込む。
俺はできる限り早く田舎に引っ込むことを決意する。
ああ、でも金がない。
「そんなの、宝物庫を使えば容易であろう?」
ん?確かにそうだな。よし、そうしよう。
さっそく、今後の方針を決定してしまった。
「ま、いづれ外に出る時がこよう、その時、貴様がどのような選択をするのか、楽しみにしているぞ?」
ん、なんか不穏なことを言われた気がするのだが。
ま、いいか。
「そうだ。それと、貴様魔王と言う職業を持っているな?」
ん?そんなのあったか?
「ほれ、EXのところにあるであろう?」
あ、本当だ。
「ま、貴様の行いがそうであるのだが、これは死者をも優越しているのか、限定的ではあるが、死んでも生き返らす事が出来るらしいぞ?よかったな~、新たなるロードよ」
いやいや、前々嬉しくないんだが?
「まあまあ、では現世を楽しむと良い。俺は、あの世で拝ませてもらうわ」
そう言って、霧のように消えた。
なんだったんだ?一体。